前編

に引き続き、プログラミング教室大手『STAR Programming SCHOOL』のプログラミング教育事業部長・福原立士さんに、お話を伺います。

プログラミング教室で子供の何が伸びるの?

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プログラミングを習うことで、身につく能力ってありますか?

 

福原さん:

よくいわれるのは、論理的思考力ですね。例えば「Scratch Jr」は、指示を出すためのブロックをつなげていくとその順番通りにキャラクターなどが動いてくれるのですが、ただ適当に組み合わせて動かすのでは意味がありません。私たちのスクールでは、プログラミングをする前段階で、自分が頭の中で思い描いたイメージを紙に書いて「企画書」を作成してもらっています。その上で、企画書通りに動くようにブロックを組み、そのキャラクターを動かしてみるんです。“こういう組み合わせにしたらこう動く”というのを考えながら行ってもらう。これがまさに論理的思考力の育成を目指した教育だといえます。こうしたトレーニングをすることで、何事もまず考えてから行動するという習慣が身につきます。 プログラムを組んでもらう時も、もちろんブロックの基本的な動作は教えますが、教えるのはそれだけです。例えば、「画面右上にあるバスケットゴールにシュートを入れる」という動作を入力する場合、単に「上」と「右」のブロックを交互に組み合わせてもボールはジグザグの階段状の動きになってしまいます。「上」と「右」を同時に動かすよう組み合わせれば斜めに動かすことができるのですが、そういうことは教えません。どうすれば綺麗なアーチ状に動かせるか、子どもたち自身に考え、試行錯誤してもらうんです。こうして問題解決能力を養っています。 最終目標は自分で考えたストーリーを表現すること。クラスにはいろんな学年の子どもたちがいますから、どこまでブロックを使いこなせるかも違うし、年長さんは年長さんなりに、小学4年生は4年生なりのイメージを描きます。それぞれが自分で目標を設定し、それが達成できれば達成感も得られるんです。