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「溶連菌」という症状名を耳にしたことはあるけれど どんな症状?と聞かれると、よく分からない……という ママが多いのではないでしょうか。 溶連菌は、1年のうちどの季節でもなる可能性はありますが、 秋から冬にかけて流行するので、注意が必要です。 抗生剤で治すことができるので、早めの受診が大切。 病気の特徴について、 小児科医の保田典子先生に 分かりやすく解説してもらいました。

どんな症状?

「溶連菌」の症状

発熱とのどの痛み(咽頭痛)がメインの症状。鼻水を伴ったり発疹があったり、という場合も多くみられます。咳はあまり見られません。どの年齢層でも発症しますが、未就学児〜小学生くらいの年齢で多くみられます。小学生以上だと、頭痛を訴える子もいます。 また、発症後10〜14日ほど経過してから「糸球体腎炎」といって血尿や淡白尿がでることがあります。症状が軽快したあとも、注意をしましょう。

何が原因なの?

「細菌」による感染症

「溶血性連鎖球菌」と呼ばれる細菌による感染症で、90%以上がヒトに病原性を有する菌であるA群によるものです。抗菌薬(抗生剤)がとてもよく効き、耐性菌も少ない病気なので、早めに診断をし処置をすることで、早く良くなります。 接触、飛沫感染で伝染し、とても感染力が強い病気でもあるため、症状が出たらすぐに受診をしましょう。受診時に綿棒でのどの菌を採取し、20分もあれば診断が可能です。

自宅での対策は?

抗菌薬(抗生剤)で治る!

先述の通り、抗菌薬(抗生剤)がよく効く病気です。処方された抗生剤をしっかり飲ませてあげましょう。

解熱のために自宅でできることは?


熱が高いときは「氷まくら」などで体を冷やしてあげるのが得策。市販の冷却シートを利用するママも多いですが、熱を下げることに直結するものではありません。さらに、ずれて窒息するというケースも考えられます。子どもの就寝時は使用を控えてください。

 

家での“食事”はどうすべき? お風呂は?


のどの痛みがある場合が多いので、うどんやおかゆなど、のどごしの良い食事にすると食べやすいです。食欲もあってのども痛くなければ、普通の食事で大丈夫です。 お風呂は熱が下がって元気であれば、普段通り入って大丈夫です。ただし入浴は体力を消耗するので、熱が高くてぐったりしているのならば、体を拭くだけにするなどして、体力を温存しましょう。

 

家族感染で気をつけることは?

接触や飛沫で感染するので、手洗い、うがいをしっかりすることが大切。兄弟間の感染を避けるには、寝室を分けマスクの着用の徹底を。 ただ感染力が強い病気なので、家族内感染を防ぐのは実際には難しい場合もあります。兄弟がいるご家庭のママは頭の片隅に置いておき、予定を調整するといいでしょう。

いつ登園できる?

登園の目安は「熱や発疹がなくなったら」

一般的には、抗菌薬投与を開始して24時間経過し、熱やのどの痛み、発疹などの症状が無くなっていたら登園可能と言われています。ただし保育園など施設によって登園基準が違うので、通っている施設に確認をしましょう。

 

保田先生よりひとこと


細菌による感染症は、抗生剤がとても良く効きます。のどが痛いなど症状が出たらすぐに受診して処置を受けるといいでしょう。感染力が強く大人に感染する場合もあるので、早めの受診を心がけたいですね。

取材・文/松崎愛香 撮影/斉藤純平 トップ画デザイン/山本めぐみ(el oso logos) イラスト/岡村優太