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家事・育児・仕事のバランスがとれなくなった……そんなとき、頭をよぎる「転職」の2文字。“ほかのみんなはどうしてる?”気になる「ママの転職事情」について、150人の働くママたちにアンケートを実施しました。

目次

Q.ママになってから、転職をした経験はありますか?

  • はい:55人
  • いいえ:95人 

Q.ママになってから転職した方へ。その理由を教えてください。

<負担を軽くしたかった派>

  • 「正社員で働いていたが、融通が利かないのでパートタイムへ変えた」
  • 「業務の量が多すぎて、家事育児が負担になった」
  • 「職場の人間関係がうまくいかなくなった」
  • 「前職は出張が多くて激務だった」
  • 「朝早く夜遅かったため、子どもへの負担が大きく自分の体ももたなかった」

子育てや家事に支障をきたすほどの重い業務は続けられない、と転職を決めたママが多いようでした。

<時間の融通を効かせたい派>

  • 「子どものそばで仕事がしたいと思い、退職後はフリーランスになり在宅勤務」
  • 「子育てに理解があり、さらに自宅から近い場所へ転職した」
  • 「子どもが体調不良になったときに近くにいてあげたかった」
  • 「保育園の行事に積極的に参加できる職場へ」
  • 「小学校にあがり、子どもが帰る時間には家にいたいと思った」 

何かあったときにすぐに保育園に駆けつけられるような場所や、フリーランスに転身し自宅作業に切り替えたというママも多数いました。

<キャリアアップ派>

  • 「ずっと座っている事務職が向いておらず、年長になり子どもの体が強くなったタイミングで企業の受付の仕事にチェンジ」
  • 「年齢が武器になる職業って何だろう?と思った時に、 調剤事務(医療系)だと、年配女性=安心感につながるかなと思い、業種を変えた」
  • 「子どもが3年生になりある程度自分のことができるようになったので、キャリアを積みたく転職」
  • 「ママだからこそ、妥協したくなかった」
  • 「子育てをきっかけに自分に合った働き方を模索した」

キャリアアップ派については、子どもがある程度大きくなったタイミングで、ワークライフバランスを見直すママが目立ちました。

 

その他、子育てにかかるお金が増えたために<給料アップ>を重視して転職を決めたママなども多くみられました。

Q.転職する際にどんな条件を重視しましたか?

もっとも多かったのが、「子どもが病気になったら休みやすい環境であるか」ということ。子どもの体調不良で仕事に穴を空けるのは、ワーママにとっては避けて通れない問題。そういった状況に理解のある環境かどうかを、事前に確認し転職しているママがほとんどでした。さらには、働く時間帯や休日の融通、家からの近い職場を重視する声も目立ちました。

 

  • 「いちばん大事なのは家族。なので、時間やスケジュールの融通がきく仕事です」
  • 「医療事務、調剤事務の資格を取ったので病院、薬局共に働けたのですが、患者さんに近いと病気ももらいやすいかもと思い、子どもが小さかったこともあり、患者さんと少し距離を置ける薬局を選びました 」
  • 「業務をセーブしたいのではなくよりコミットしていきたかったため、リモートワークを承認してもらえるかを重視しました」

 

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Q.転職活動はどのようにしましたか?

時短勤務でも専門スキルやキャリア経験を活かせる会社を専門に扱う転職エージェントサービス「スマートキャリア」や、ワーママをサポートする独自が整っている体制人材派遣の「PASONA」など、「ママ」であることを前提に探す人も目立ちました。

 

また、ハローワークではママのためのハローワーク「マザーズハローワーク」というものがあります。働くママに特化した「子育てと仕事を両立できるような」求人が充実しているほか、授乳室やチャイルドコーナーなどの施設があったり、子どもを預けて参加できる就職セミナーや相談会を開催していたりします。パートやアルバイトの求人が多いなか、正社員としての募集もあるようです。

 

その他には、フリーに転向するために資格を取ったというママや、ネットショップを始めたという意見も。ママ友に相談し、転職術を知ったというママも多くみられました。

Q.転職した結果、良かったor失敗した? その理由とともに教えてください。

<良かった派>

  • 「できることが増えて、視野がどんどん広がった。そのことで自分の可能性を信じることができ、どんな環境でも生きられる自信につながりました」
  • 「もともといた業種とは違う人たちと知り合えて楽しい」
  • 「他の会社のやり方を知り、勉強になった」
  • 「同じように働くママが多く、色々なことを相談しやすい環境で良かった」
  • 「家から自転車で15分以内と通いやすく保育園も近いため、呼び出しがあってもすぐお迎えに行けた」
  • 「“子どもが病気のときは親が看るのが当たり前”という考え方の上司に恵まれた」

<失敗した派>

  • 「ママにとってはすごく働きやすいが、やりたい仕事とは少し違う」
  • 「残業が減ったのはいいけど、ビジネススキルが伸びない。今後やりがいを感じ続けられるかどうかわからない」
  • 「接客業に転職し、時間が不規則だった」
  • 「子育ての時間が減った」
  • 「派遣が初めてだったので、正社員と違い職場での立場が難しいと感じる」
  • 「フリーランスに転向。やった分だけしかお金にならない」
  • 「子育て中心に選んでる職場なので、自分のキャリアが活かせず仕事内容がマンネリ」

 

「子育てへの理解」をベースに転職すると、“融通が効く”ということと“キャリアが中断される”ことが背中合わせなのが現状のようです。転職の際は、どちらが自分にとっての優先なのかをハッキリしておくべきなのかも。

 

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Q.転職する際、ママであることを不利にしないために何すべきですか?

転職に成功した読者は、転職活動で「ママであり時間に制限があること」をうまくアピールしていました。多種多様のアピール術は、参考になるものばかり。

 

  • 「正直に今の状況を説明します。その上で、子どもが成長すればもっと働けると話をして理解してもらえるかどうか」
  • 「逆に、不利とは考えてないです。最初から私はこうです! とさらけ出して、早退やお休みしたい状況を最初から先方に伝えました。その上で雇ってもらえたら嬉しい、と」
  • 「無理しないこと。できないことはできないと、言い切ることも大事」
  • 「もう育休に入る可能性がないことをアピールしました」

 

さらに転職した後も、「ママだから……」と企業側や周りの社員に感じさせない努力を、みんなしているようです。

 

  • 「何かあっても子どもを言い訳にしない」
  • 「笑顔、挨拶、時間を守ること」
  • 「具体的な成果を出すことだと思います。 私の場合、スキンケアメーカーの営業で開発を担当しているため、売れる商品を企画することが具体的な成果に繋がると思っています」
  • 「仕事をためず、先回りして仕事をすすめておくこと。 いつ、子どもの病気で休むか分からないので、明日やろうと言う考えは持たないようにして仕事をしています」
  • 「周り(特に独身者)への気遣いを忘れない」
  • 「感情ではなく、事実ベースで伝えること。例えば子どもの急な発熱や行事があることについて、“頑張ります”ではなく、具体的に“何時頃のお迎えになる可能性が高く、その場合社を何時に出ればよいか、また帰宅後作業が可能かどうか”などという伝え方を。前年度の子供の発病回数までシェアしたりなど」

 

ママであり時間の融通が効きにくい場面があることをきちんと伝えつつも、自分のモチベーションを実務で表現できるママは、転職先でも理解を得られているようです。

 

転職を果たしたママのいろいろな意見を参考に、自分にあった働き方を模索してみてはいかがでしょうか。

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文/松崎愛香