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赤ちゃん時代を過ぎた子を持つママの「うちの子、ここが心配」というお悩みの一つに、「すぐ泣く」というものがあります。 「すぐ泣く子」にも、いくつかのパターンがあります。今回は、それぞれの子どもの気持ちや、ママにできる対処法を考えていきたいと思います。

目次

「すぐ泣く子」の3つのパターンと対策

パターン1|繊細で気が弱く、すぐ泣く子には…

まずは、感情が豊かで繊細、気が弱いタイプの子です。 「探し物が見つからない」「友だちにキツいことを言われた」「大人からマナーを注意された」など、傍から見れば泣くほどのことではないと思えるようなことでも泣き出してしまい、ママやパパはもどかしい気持ちになることも。 大人になってから「子どもの頃は泣き虫だった」という人に話を聞いてみると、本人は、「好きで泣いていたわけではなく、どうしても涙が出てしまった」と言います。

 

人間は、恐怖やストレスが大きくなり、このままでは精神が壊れてしまう…と感じると、何パターンかの反応をして自分の心を守ろうとします。心理学用語ではこれを「防衛機制」といいます。

 

どのような反応をするかの例としては、次のようなものがあります。

  • 「抑圧」…気にしない、考えないようにする など
  • 「逃避」…登園時になるとお腹が痛くなって休む など
  • 「合理化」…手に入らないモノを「本当は欲しくなかった」などと自分に言い聞かせる など
  • 「補償」…かけっこで勝てない劣等感を、ゲームで勝って埋め合わせる など
  • 「同一視」…強い他人やキャラクターの真似をして、自分も強くなったように感じる など

 

そして、「泣く」ことも自分を守る行動の1つだと言われています。子どもはトラブルに対する反応が未熟で当たり前。成長と共に、泣かずに問題解決していく方法を身に付けている段階なのですね。

 

この場合、無理に泣くことをやめさせるのではなく、「泣いてもいいから頑張ってみよう」と声をかけ、ストレスや問題のある状況を解決する方法をひとつひとつ一緒に考えてゆくことが大切です。

パターン2|要求を通したくてすぐ泣く子には…

本人は泣かずにいたいのに、叱られると勝手に涙が出てしまう…というケースとは違って、泣くことで同情や注目を集め、自分の思い通りにしようとするケースもあります。 例えば公園や保育園で、おもちゃや遊具の取り合いになるとすぐに泣いてしまい、毎回相手の子が譲らざるを得ないような場合がこれに当たります。

 

大人でも、ごくまれに、仕事で注意されたり恋人とケンカになったりした時、涙を見せてその場を終わらせる人がいますが、小さい子は、最初から計画的にそうしているわけではなく、何度かこのパターンで問題解決しているうちに習慣になってしまう場合があります。

 

このことは、心理学の第一人者、アルフレッド・アドラー博士の著書にも明記されています。 しかし、アドラー心理学では、同時に、このような対処を推奨してもいます。 「問題行動を改善するためには、不適切な行動をとがめるより、適切な行動に注目して勇気づける方がのぞましい」

 

つまり、子どもが周囲を思い通りにさせるために泣いていると分かったら、泣きやませるために要求を通さないのはもちろんですが、そのことを叱ったりもせず、危険のないようにさりげなく放っておくのがいいということ。

 

そして、泣かずに要求を伝えたり、順番を待つことができたりしたら、「ちゃんと言えてかっこいいね」「泣かずに待てたんだ!よかったね!」と、と大いに喜びましょう…ということですね。

パターン3|悔くてすぐ泣く子には…

こちらは、おもに5~6歳から、小学校高学年でも見られます。特に男の子に多いようです。

 

保育園や幼稚園では、友だちとの遊びの中で理不尽なことをされたのに言い返せない自分の不甲斐なさが悔しかったり、小学校になるとスポーツで負けた時や、レッスンの課題がうまくできない時などに悔しくて泣いてしまうタイプです。  ママから見ると、他の子は泣かないのに…と心配になることもありますが、こういう子は人一倍「こうなりたい」という理想が高かったり、負けず嫌いだったりします。

 

悔しさをバネに、大きく伸びる可能性を秘めているとも言えますので、「恥ずかしいから泣いちゃダメ」とは言わずに、「悔しかったんだね」と共感してあげられるといいですね。

すぐ泣く子供への対策まとめ

小さくてもぐっと涙をこらえる子もいるなか、小学校に入ってもちょっとしたことで泣いてしまう子もいて、特に年齢が上がってくるとママの心配・イライラも増してくることと思います。

 

でも、「人が一生に流す涙の量はみんな同じ」という言葉もあります。

 

いま泣き虫な子が、少しずつ自分に合った生き方を見つけて成長した後の人生で、穏やかで泣かずにすむような職場・家庭を作ることができたなら、それはとても素敵なことだと思います。  気長に見守りつつ、応援してあげて下さいね。

 

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取材・文/高谷みえこ
参考:「子どもの教育」 アルフレッド・アドラー著 岸見一郎訳 一光社