コスメキッチン アトレ吉祥寺店

ママになるとみんな気になりだすのがオーガニックコスメ。健康によさそうなイメージはあるものの、手軽に綺麗になれるか疑問も…。そこで今回はオーガニックコスメで人気のコスメキッチンに務める中條直子さんにその魅力をうかがいました。

 

<どうしてオーガニックコスメを選ぶの?>

コスメキッチンバイヤー中條直子さん

「赤ちゃんが触れても大丈夫」という安心感が嬉しい

 

最近はオーガニックコスメをよく見かけるようになりましたが、そもそもオーガニックコスメと一般的なコスメって何が違うんですか?

 

中條さん:

一般的なコスメは石油由来の化学成分を主原料としているものが多いのに対して、オーガニックコスメは農薬や化学肥料を使わず、環境に配慮した栽培方法(有機栽培)で育てられた植物由来の成分が主原料になっています。そのため、環境や生き物にはもちろん、人にもやさしいんです。 お客様の中には妊娠・出産を機にオーガニックコスメを選ばれる方が多いと感じています。その理由のひとつに、「生まれてくる赤ちゃんが自分に触れる時に安心なものをつけていたい」という赤ちゃんへの親心があります。赤ちゃんや子どもってママの顔をよく触りますよね。「オーガニックコスメだから大丈夫」って自信をもってもらえるとママの気持ちも楽になるかもしれませんね。子育てってママの心理状態がいちばん大事ですから。

確かに、赤ちゃんって何でも触るし、すぐ口に入れるから気になるんですよね。それでは中條さんもオーガニックコスメと出会ったのは出産がきっかけですか?

 

中條さん:

私の場合はまったくの偶然でした。もともと美容の仕事をしていたんですけど、たまたま立ち寄ったお店が2004年に代官山にオープンしたコスメキッチン1号店で、当時のお店のセレクトや店内の明るさに惹きつけられるようにオープンから半年後には転職していました。実は、そのころのコスメキッチンは今のようなオーガニックコスメのお店ではなくて、一般のコスメも扱うバラエティショップのようだったんです。でも2〜3年後には独自のセレクトをしていく方向性に変わり、当時のバイヤーが「オーガニックをやりたい!」と言ったのがきっかけで今のような品揃えになっていきました。私は2代目のバイヤーなんです。

肌に負担をかけないシンプルな配合が魅力

 

最初からオーガニックコスメのお店だと思ってました。今から10年以上も前だとオーガニックコスメってまだそれほど知られていない時代ですよね?

 

コスメキッチンのおすすめ商品

 

中條さん:

そうなんです。前任者は海外でオーガニックと出会ったのですが、当時の日本はオーガニックとかナチュラルって全然浸透していなかった時代だったようです。私はというと、一般的なコスメセレクトでも満足していたので、コスメキッチンが急な方向転換を始めたことに正直すごく動揺しました。草や木のリアルな香りや本来のお花の香りがなかなか「いい香り」に結びつかなかったんです。きっと人工的な香りに慣れすぎていたんですね。 でも、オーガニックコスメの良さを自分の肌を通して体感できたことがオーガニックコスメを好きになるきっかけとなりました。当時、ストレスによる肌荒れがすごくて、いろいろ試しても満足のいく肌質には近づけず、「もう自分の肌はこのくらいが限界なのかな」と諦めていたんです。それがオーガニックコスメを使い始めて2週間後にはつるんっと、肌がむき卵みたいに変わったんです。「これが私の肌⁉︎」とびっくりしました。それからですね、オーガニックコスメの魅力に惹かれていったのは。 調べていくと、オーガニックコスメは肌に負担が少ないシンプルな配合のものが多く、植物由来の成分を中心に使っていて、肌にやさしくなじみ心地よいものが多いことがわかりました。また、体感のきっかけとなった「マルティナ」というブランドは、ブランド創業者が自身の肌トラブルを改善した薬草などを使った植物療法をヒントに化粧品ブランドを立ち上げたというヒストリーがあることなど、知れば知るほど1つ1つの商品にあたたかみを感じたんです。それで自然と「オーガニックってすごくいいなー、癒してくれるなー」って感じでハマっていきましたね。

 

<なんでもオーガニックがいいの?>

コスメキッチン2Fメイク内観

自分にとって”心地よいもの”を選べばいい

 

オーガニックコスメには商品化されるまでのストーリーがあるんですね。ちなみに中條さんはやはりコスメだけでなくて食べ物や生活用品などすべてがオーガニックなんですか?

 

中條さん:

当然のように家の中は「ミニコスメキッチン」のような感じになっています(笑)。「全身、家中、オーガニックなの?」とよく聞かれるんですけど、すべてオーガニックというわけではないです。基本的には心地いいと感じるものをできるだけ取り入れるようにはしていますが、何事もバランスを重視します。例えば食事ですが、友達と楽しみたいときに、「この料理はオーガニック?」とはいちいち確認しません。家族で食事をするときも、ジャンクなものを楽しんだりします。すべてオーガニックじゃないといけない、と自分を縛るのではなく、心地よく取り入れたいものをオーガニックやナチュラルのものから「選んでいる」感じですね。おのずとその割合は増えていますが。 オーガニックのものを取り入れたいとき、たとえば暮らしの必需品の中でも、コスメから変えてみるのは始めやすいんじゃないかなと思っています。誰かと共有するものではないですし。天然の素材が多く使われているので使用感も香りもやさしく、心が癒されるんです。それによって筋肉が緩むというか、表情が柔らかくなった状態でメイクを楽しむことができます。そうすると自分らしい表情が作られるような気がするんですよね。

たしかに、強張った顔では綺麗なメイクはできそうにないですよね。でもオーガニックコスメってカバー力が弱かったり、崩れやすくて化粧直しが大変ってイメージがあるのですが、実際はどうなんでしょう。

 

中條さん:

昔はナチュラルメイク製品といえば機能面で劣るといったイメージがあったと思います。でも今はクオリティが高く、アイシャドウやリップのカラーバリエーションも豊富なので、コスメを選ぶワクワク感も一般のコスメと変わらないレベルにきていると思っています。だから、仕方なくナチュラルメイク製品を選択するのではなく、「ママが美しく元気になれるから」と、積極的に選んでもらえたら嬉しいですね。 

ちなみに、ナチュラルメイクブランドはだいたいが「せっけんで落とせます」とうたっているので、もちろんせっけんで落とせますし、それを理由にナチュラルメイク製品に変える方もいます。しかし、私はクレンジングこそがスキンケアでいちばん大事なステップだと思っているので、せっけんオフは基本的にはしません。クレンジングオイルやクリームなどを使って化粧落としをしています。日々の汚れはメイク汚れだけじゃなくて皮脂や排気ガスなど、いろんなものが顔に付着しており、せっけんオフだけだと頑固な脂汚れなどが取り切れないことが多いんです。それが肌にずーっと蓄積されていくと肌荒れの原因になったり、スキンケアが肌に入っていきにくくなって、その結果、老化にもつながってしまったりするんです。 日頃からしっかりクレンジングをしてあげることで、スキンケアをシンプルにできたり、スキンケアの効果を実感しやすくなったりもします。乾燥肌対策にもなりますから、クレンジングでお肌は断然変わりますよ。

 

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PROFILE 中條 直子(なかじょう なおこ)


コスメキッチン・チーフバイヤー。オーガニックの歴史、成分、カウンセリングにまつわる知識が深く、家庭でもオーガニックライフを取り入れている。現在第3子を妊娠中のママでもある。http://cosmekitchen.jp/

取材・文/田川志乃 撮影/滝沢育絵