スマホがなかった時代、赤ちゃんの育児記録は手書きでノートに書き、予防接種のスケジュールは自治体の広報誌を見て母子手帳にメモ、写真は焼き増しプリントをお店に出向いて注文し、郵便でおじいちゃんおばあちゃんへ送り…と、赤ちゃんのお世話をしながらでは相当たいへんな作業がいっぱいでした。 現在では、この面倒な作業をラクにしてくれるスマホアプリが続々と生まれています。 今回は、働くママにおすすめの使えるアプリの選び方や、人気の面白いアプリなどを紹介していきます。
自治体発の育児アプリはこんなに充実
意外に思うかもしれませんが、妊娠・出産・育児中のママが真っ先にチェックするべきなのは「自分が住んでいる自治体発のアプリ」なんです。
自治体の作ったアプリと聞くと、広報誌のインターネット版で、ただ情報が掲載されているだけ…と思ってしまいそうですが、実はそうではないのです。 一例をあげてみると、兵庫県明石市の『あかし子育て応援アプリ』は、アプリを開くと、地元の病院・小児科や幼稚園・保育園・預かり情報、イベントカレンダー、赤ちゃんの駅(授乳やオムツ替え可能な施設)マップ、相談窓口などがまとまっています。 そして、出産予定日や赤ちゃんの生年月日を登録すると、それに合わせて検診の日程や、予防接種のお知らせが届きます。
他の人向けではなく、登録したママ本人と赤ちゃんに向けた日程なので、間違えたり忘れたりという心配がないのはうれしいですね。
また、多数の自治体で導入されているアプリ『母子健康手帳アプリ』にも同様の機能がついています。
2018年9月現在の導入市町村は以下のとおりです。 (北海道)登別市 /上ノ国町 (千葉県)館山市/鴨川市/南房総市/多古町/御宿町/鋸南町/ (東京都)町田市 (石川県)金沢市 (福井県)小浜市/あわら市 (山梨県)富士河口湖町 (長野県)立科町 (岐阜県)羽島市/海津市 (静岡県)御前崎市 (愛知県)豊橋市/常滑市/知多市 (三重県)東員町 (兵庫県)芦屋市/佐用町 (奈良)大和郡山市/五條市/御所市/広陵町/吉野町 (和歌山県)田辺市/紀美野町/かつらぎ町/高野町/湯浅町/みなべ町 (鳥取県)境港市/琴浦町/大山町/松江市 (岡山県)赤磐市 (広島県)三原市 (徳島県)那賀町 (香川県)善通寺市 (愛媛県)新居浜市 (高知県)須崎市 (福岡県)田川市 (佐賀県)鹿島市 (熊本県)南阿蘇村 (鹿児島県)志布志市/大崎町/宇検村/龍郷町/和泊町 (沖縄県)伊江村
これらの自治体提供のアプリは基本すべて無料。少子高齢化・人口減の時代に備え、子育て世代に少しでも魅力を感じてもらいたいと、育児支援に力を入れている自治体からアプリの導入が進んでいるようです。
忙しいママをサポートしてくれる便利アプリ
「残念、うちの自治体にはそんな便利なアプリがないわ…」という人も、アプリストアでは色々な育児向けアプリがあるので、目的に合ったものをダウンロードしてみましょう。
『予防接種スケジューラー』は、「NPO法人 VPDを知って、子どもを守ろうの会」の小児科医が開発したアプリで、数多い赤ちゃんの予防接種について、「今月受けられる予防接種は?」「おすすめの接種スケジュールは?」などが分かり、母子手帳の記録を眺めて「何か月あけるから、次は…」と迷うこともありません。 毎年のように変更になる制度にも最新対応しており、上の子と下の子それぞれのスケジュール管理が可能。
どんどんたまっていく写真を管理できるアプリも、忙しいママからの人気を集めています。 『家族アルバム みてね』は、スマホで撮った写真をただアップするだけ。アプリ内で日付順に整理され、おじいちゃんおばあちゃん側はアプリを開けばいつでも見ることができます。 たまってきたら、フォトブックやDVDにすることもできます。 家族や許可した人以外に見られることはないのも安心ですね。 『家族アルバム みてね』
赤ちゃんの身長体重や、授乳・オシッコやウンチの回数など、成長の記録にもなる「育児日記」は、保健師さんに書くことをすすめられた人も多いかと思います。 しかし、赤ちゃんのお世話は目が回るほど忙しく、手書きでは時間がかかって続かないことも。 スマホで片手でも入力できる「育児日記アプリ」なら、選択肢から選ぶだけだったり、スタンプをクリックするだけでOKだったりと続けやすい工夫がこらされています。 可愛いデザインだと見るのが楽しく続けやすいですが、シンプルなものは表示が速くサクッと入力できるというメリットもあります。いくつか比較して、自分にあったものをダウンロードするといいですね。
家族に役立つ変わり種アプリも
ママだけでなく、家族みんなに役立ちそうなアプリもあります。
ママには当たり前のことでも、妊娠・出産を直接体験できないパパにとっては、説明してもらわないとピンとこないこともありますよね。
そんなパパ向けに、妊娠週数に合わせた母体の変化や出産・育児でパパが協力できることを知らせてくれるアプリ『パパninaru(ニナル)』は、タレントで1児の父となったりゅうちぇるさんも愛用しているそうですよ。
また、大手スーパーのイオンでは、子育て世代専用の『キッズリパブリックアプリ』を用意しています。子どもの誕生月に割引クーポンが配信されたり、小児科ドクターへの無料相談サービスが利用できたりするサービスあり。
最後に、ちょっと面白いのが、『おにから電話』というアプリです。 夜、子どもがいつまでも寝ようとしない時に「こんな時間まで起きてる子のところにはお化けが来るよ~」という手を使ったこと、ありませんか?
このアプリは、本当に怖い鬼やお化けから、リアルな絵と声で電話がかかってきたかのような音声を再生できるというもの。
ただし、中には怖がり過ぎてしまう子もいると思います。妖精やサンタクロースなど、言い聞かせてくれるタイプのキャラクターもいますので、お子さんの性格に合わせて活用してみて下さいね!
まとめ
授乳中も赤ちゃんの顔を全然見ずにスマホを眺めている、スマホの動画が常時子守り代わり…という「スマホ育児」を批判するニュースなども見かけますが、上手にアプリを活用すれば、むしろ赤ちゃんと過ごす時間が生まれそう。
今回紹介した他にもいろいろなアプリがありますので、あなたに合ったものを見つけてみて下さいね。
文/高谷みえこ