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出産は女性にとって一大イベント。母胎にかかるストレスはかなり大きく、産後は周囲の些細な言動にイライラしてしまうお母さんが多いようです。中には、これまで仲の良かった自分の母親に反感を覚えるケースも。

産後のお母さんは攻撃的な状態に…?


子どもを産んだ後の女性はホルモンバランスが乱れ、「産後うつ」や「マタニティブルー」といった症状が起こりやすくなります。また他者への攻撃性を高めるホルモンが分泌されて、産後に夫婦仲が悪化する「産後クライシス」に陥る事態も少なくありません。

 

ネット上では、出産を終えたばかりのお母さんから「実母の言動にムカムカするようになった…」という悩みの声が上がっていました。どうやら、実母が毎日のようにあれこれと世話を焼いてくることに煩わしさを感じるよう。食事や家事の心配をして家へ来られても、「自分1人の時間が欲しい」「勝手なことをされると困る」といった負の感情が湧き出てくると語っています。

 

「実母に悪気が無いのは分かっているだけに、強く当たってしまう自分が辛い…」と不安を口にするお母さんに対し、先輩お母さんからは励ましの声が続出。「ホルモンバランスの関係で辛い時期だけど、孫が生まれて喜んでる実母さんの優しさにちゃんと接した方がいいよ」「もし悪いと思ってるなら、体調が落ち着いた後でちゃんと謝れば大丈夫!」「あんまり自分を責めすぎないで。私も産後うつが酷かったから、辛さが分かる…」など、心強いアドバイスが多数寄せられました。

 

イライラの原因となるホルモン「オキシトシン」


以前放送された『NHKスペシャル』(NHK)では、産後のお母さんが抱えるストレスを科学的な観点から解析しています。

 

産後間もない時期にお母さんたちがイライラしてしまう原因は、「オキシトシン」と呼ばれるホルモン。出産時や授乳時など我が子と触れ合っている時に分泌され、本来は子どもや夫への愛情を強めてくれる物質です。しかし最近の研究によると、愛情だけでなく「他者への攻撃性」を強める作用まで秘めていることが明らかに。

 

視聴者からは、「愛情と攻撃性を高める物質って矛盾してない…?」「産後のイライラはこれが原因だったのか!」など驚きの声が多数上がっています。

 

番組ではお母さんの心拍や副交感神経の変化を測定し、日常生活の中で「オキトシン」により愛情が強くなるシチュエーションを観察。すると育児相談を真剣に聞いてもらっている間は、お母さんのイライラがかなり軽減されるという事実が判明しました。

 

育児でストレスを抱えがちな女性には、「寄り添いの気持ち」が何よりも大切。子育てを手伝うのも効果的ですが、母親たちの辛さを理解して「よく頑張ってるね」と共感の姿勢を見せることが重要になります。

 

身近に産後のイライラが長引いている人がいたら、一度話をジックリ聞いてあげると良いかもしれません。

 

文/河井奈津