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抱っこでぐっすり眠ったはずの赤ちゃんをベッドや布団に下ろした瞬間、パチッと目を開いてぐずり出したり泣き出したり…!まるで背中に押すと泣き出すスイッチでもあるかのようなこの現象は、ママたちの間では「背中スイッチ」と呼ばれて恐れられています(笑)。

 

今回は、まさに今、背中スイッチに悩まされているママたちの困った状況や、無事にその時期を乗り切った先輩ママがやっていた対策などを紹介していきます。

目次

恐怖!背中スイッチの実態とは


おっぱいを飲み終わり、ゲップも出して、しばらく寝てくれるかな…と思ったら、抱っこしないとグズグズ。しばらく抱っこでユラユラしているうち、やっと眠ってくれたので、ママも眠ろうとお布団に下ろしたらまた泣き出しちゃった!というのが背中スイッチの基本パターンです。

 

授乳間隔が短い新生児期では、こうやって下ろしては泣き、またユラユラして下ろして…を繰り返しているうちに次の授乳タイムに突入してしまうこともあり、夫婦で交代したとしても、常にどちらかが抱っこし続けているような状況。ママやパパの疲労はつのるばかりです。

背中スイッチっていつからいつまで続くの?


この「背中スイッチ」は、経験のあるママなら分かると思いますが、生まれたばかりでも発動します。

 

考えてみれば、自分で動けないばかりか、目もまだよく見えていない新生児にとっては、守ってくれるママやパパと離れることは死活問題。敏感になるのも当然かもしれません。

 

終わる時期はその子により色々ですが、昼間活発に動き回って夜はぐっすり眠る…という幼児の生活パターンに近づく1歳前後から、眠った後、お布団やベッドに下ろしても目を覚まさなくなる子が増えてくると言われています。

 

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もちろん、中には「まったくそういうことがなかった」「けっこう無造作にお布団に下ろしてもなんともない」という、うらやましいママもいます。

 

さらに、そういうママから、「気を使いすぎるから起きるのよ」「私くらい思い切って接した方がいいよ、神経質な子になっちゃうよ」などのアドバイスをもらって落ち込んでいる人も。

 

確かに、言われた通りもう少し気楽に構えたらうまくいったという人もいますが、赤ちゃんの性格や体質はその子によって違うので、同じようにしても効果がない場合もあります。

 

「うちの子は背中スイッチがない」というママも、「自分がうまくいったことでも、他の人に当てはまるとは限らない」ということを肝に銘じておきたいですね。それは、つわりや夜泣き・しつけなど育児に関わることすべてにおいて言えることだと思います。 

ママたちの「背中スイッチ対策」8連発!


背中スイッチで大変だった先輩ママ・パパからは、実際にやっていた対策を教えてもらいました。8つ続けてどうぞ。

 

対策1 おしり→頭の順ではなく、先に頭を布団につける

眠った赤ちゃんをお布団に下ろすとき、おしりを先に下ろして、背中→頭と寝かせていく人が大多数だと思いますが、実はおしりは最後に下ろすのが良いそうです。

 

まだ話ができず、自分で歩くこともできない赤ちゃんは、皮膚の感覚や体勢の変化など、触覚が非常に敏感。

 

人間は腰骨(仙骨)で全身のバランスを取っていると言われますが、全身に影響する腰の骨が先にお布団についていると、体勢が変わったことがすぐ赤ちゃんに分かってしまう可能性があります。

 

おしりは最後まで手で支えておき、頭→背中→おしりの順でおろしていくと目を覚ましにくいと祖父母世代から教えてもらった人も多いようです。

 

対策2 トントンしながら布団に下ろす

同じく、今までユラユラしていた状態から、静止した体勢に移る瞬間は、赤ちゃんが本能的に「一人にされる!」と身の危険を感じる時でもあるので、トントンしながら手を離すと赤ちゃんも気が紛れて変化に気づきにくいといえます。

 

「息子が3ヶ月のころ、帰省先で親戚のおばあちゃんがトントンして寝かせてくれたら、あっけないほどスッと眠って感動しました!」という先輩ママも。

 

対策3 腕を添えたまま寝かせ、あとでそっと引き抜く

抱っこの体勢から寝かすためには、抱き方を変える必要がありますが、この時点で目を覚ましてしまう子がとても多いので、大人の腕ごとベッドに横になり、しばらく様子をみて、熟睡しているのを確かめたらそーっとそーっと腕を抜く…というのも、多くのママ・パパがやっているテクニックでした。

 

私も娘たちが小さい頃よくやっていましたが、うまく腕が抜けた瞬間の達成感は最高ですよね!(笑)

 

ただ、腕を抜くまではかなり無理な体勢を強いられるので、くれぐれも腰を痛めないよう気をつけて下さい。

 

対策4 布団をあたためておく

冬場は、お布団が冷たいことも赤ちゃんが起きてしまう原因と考えられます。

 

湯たんぽや適温のお湯を入れたペットボトルを用意しておき、抱っこで寝かしつけしている間、布団の中に入れて温めておくと、冷たくなりにくく、温度差で赤ちゃんが目を覚ますのを防げます。

 

やけどには十分注意して下さい。

 

対策5 おくるみ

新生児~月齢の低い赤ちゃんは、モロー反射や自分の手足の動きで驚いて目を覚まし、泣き出してしまうこともあります。

 

それを防ぐため、おくるみやバスタオルで手足が動きすぎないようくるんであげることで、ママのお腹の中と似た環境になって安心すると言われています。

 

対策6 薄いクッションやバスタオルを敷いて抱っこする

寝かしつける時に、最初から薄いクッションや折ったバスタオルなどを腕に敷き、その上に赤ちゃんを乗せて抱っこします。

 

赤ちゃんが眠ったら、クッションやバスタオルごと下ろすようにすると、肌に触れる感触、温度、においなどが大きく変化しないので、赤ちゃんが不安になりにくいと言われています。

 

対策7 おしゃぶり

おしゃぶりを使うかどうかは、ママやパパによって意見が分かれるところ。歯並びや依存(やめられない)を心配して、できるだけ避けたいと考えているママもいると思いますが、どうしても赤ちゃんが一人で眠れず、抱っこしっぱなしでママももうフラフラ…という状況で、「思い切っておしゃぶりを使ったら、そのまま寝てくれることが劇的に増えて本当に助かった!」という声もありました。

 

ただ中にはおしゃぶりが嫌いな赤ちゃんや、上手に吸えずに口から飛び出してしまい泣き出すというケースもあるので、「うまくいったらラッキー」くらいに考えておくといいかもしれませんね。

 

対策8 添い乳

夜間の授乳を横になったままで行い、そのまま眠れるのが「添い乳」。

 

そもそも抱っこしないので、背中スイッチとは無縁といえます。

 

添い乳に関しては、「楽そうだけど、習慣になると後で困る」などが心配で実行していないママもいます。しかし、何をやっても眠れなくて困っている時に、添い乳をすることで赤ちゃんもママもよく眠れるのであれば、メリットとデメリットを考慮した上で取り入れてみても良いのではないでしょうか。

背中スイッチのまとめ


「赤ちゃんが寝ている時はママもお昼寝しましょう」とよく言われます。たしかにその通りなのですが、抱っこでないと寝てくれない、下ろすと泣く…ということが続くと、それも不可能。

 

さらに、赤ちゃんが起きている間は、取り込んだ洗濯物の山や書かなければいけない書類を横目で見ながら赤ちゃんの相手をしているため、寝ている間に家事も少しは片付けたいのに…と泣きたくなってしまいますよね。

 

まずは毎日本当にお疲れさまです。

2歳3歳と成長するにつれ、だんだんと「たたいてもゆすっても起きない」ような状態になってくる子がほとんどですが(笑)、それまでは、今回のテクニックもぜひ参考にしてみて下さいね。少しでも「背中スイッチ」の発動しない日が増えますように!

 

文/高谷みえこ