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夕方、毎日同じ頃になると火が付いたように泣き始める赤ちゃん。

 

おむつも替えて、ミルクも飲んで、暑さ寒さなどに問題ないはずなのに、ちっとも泣き止まない…噂には聞いていたけど、これが「黄昏泣き」?!いつまで続くの?どうしたら泣き止む?

 

ママも泣きたくなってしまう「黄昏泣き」は、何をやっても効果がないと「このまま泣かせておくしかないのかな…」と思えてきますよね。でも、放置して赤ちゃんの心に悪影響があったらどうしよう…。

 

そんな悩めるママのため、現在わかっていることや、先輩ママの体験談を集めてみました。

目次

「黄昏泣き」はどうして夕方に泣き続けるの?


「黄昏泣き」は、日本だけでなく海外でもよくある現象で、英語では「コリック」と呼ばれています。

 

早い子だと生後1~2か月で始まり、生後5~6か月になるとおさまることが多いと言われていますが、中には生後3週間ではじまった!という人も。 

 

すべての赤ちゃんが黄昏泣きをするわけではなく、きょうだいでも上の子は何もなかったのに、二人目は黄昏泣きで困ったというママもたくさんいます。

 

「黄昏」とはいうものの、必ずしも夕方だけではなく、他の時間帯にも起こるんだそう。ただ午後や夕方に多いのでそう呼ばれています。

 

原因については、決定的なものはいまだに分かっていませんが、次のようなものが考えられます。

1.精神的な発達の段階

生まれたばかりの時期を過ぎ、生後1か月も経つと赤ちゃんは徐々に周囲の状況を理解しはじめます。入ってくる情報が多いので、一時的に処理が大変になり、夕方になるとその負担から泣き始めるのではと言われています。

 

さらに成長すると、眠っている間に夢を見たりして、入ってきた情報を整理できるようになるのですが、まだまだ生まれたばかり。これも正常な感情の発達段階のひとつということなのでしょうか。

 

2.肉体的な疲れ

精神的なものに加え、肉体的にも、夕方になると疲れがたまってくることが考えられます。

 

新生児期は「こんなに眠るの?」というくらい、ミルクを飲んでは眠っていた赤ちゃんも、起きている時間が徐々に増えていきます。でも、完全にそのサイクルに対応するには少し時間がかかるので、過渡期には夕方に疲れから泣き出してしまうのでは?と言われています。

 

3.胃腸の不快感

消化不良や、お腹に空気やガスが溜まり、苦しくて泣いているという説もよく言われます。助産師さんから、「ケーキやチョコレート食べると夜泣きするわよ」といったアドバイスを受けたことはありませんか?乳製品や脂っこいもの、刺激物などは、乳腺炎や赤ちゃんがすぐ乳首を離して泣き出すといった原因になる可能性のほか、赤ちゃんの体質に合わないと消化不良を引き起こすのでは?とも言われています。

 

なぜ夕方だけなのかは説明がつきませんが、対策としては、湯たんぽなどでお腹を温める・ベビーマッサージを行うなどのほか、縦抱きにする・ママの身体やひざの上でうつぶせにする通称「コリック抱き」で体勢を変えてみると、腸内のガスが移動して楽になる可能性があるそうですよ。

 

4.気持ちの切り替えがまだできない

月齢の低い赤ちゃんの場合、ちょっとしたきっかけや疲れなどが原因で不快感を感じた場合、気持ちの切り替えができない(未発達)ことがあると考えられています。

 

これが原因であれば、何らかのきっかけで気持ちを切り替えることで泣き止む可能性はありますね。

 

外を歩いてみる、車で少しドライブする、はっきりした色の絵本やキラキラしたものを見せる、レジ袋などのカシャカシャした音を聞かせる、お風呂に入るなど、気分が切り替わるようなことをしてみるのも一つの方法です。

 

なお、病気・疾患が原因で黄昏泣きが続く可能性は低く、アメリカで、過去30年間のデータから、黄昏泣きの赤ちゃんで何らかの疾患が原因だったケースは5%程度だったという報告がされています。ただし、普段と様子が違うと感じたら受診をおすすめします。

「黄昏泣き」を放置するとどうなる?


「泣いている子を放置しておくと、ついには自分の感情を出せないサイレントベビーになってしまう」という話を聞いたことがあるママもいるかもしれません。

 

反対に、おばあちゃんなどから、「昔はきょうだいが多くて、泣いててもほっといたもんよ」「泣くのも運動だから大丈夫」と言われることもあるでしょう。

 

実際のところどうなのでしょうか?

 

「放っておいてもいい」というアドバイスに従ってみた場合、本当に二人目・三人目なら、やむを得ず泣かせていても、ママもそこまで気に病まないと思われますが、赤ちゃんと二人きりの場合、「こんなにも泣いているのに放ったらかしにしてしまった」「絶対にやらなければならない事もないのに」と、ママが罪悪感を抱いてしまうことが考えられます。

 

また、赤ちゃんの立場になってみると、

 

「1時間、声の限りに泣いていてもまったく声もかけてもらえずママの気配もなかった」

 

「1時間、抱っこしたり声をかけてもらったりしたけれど、泣き止むことができなかった」

 

では、結果的に同じ1時間泣き続けたのだとしても、受け止め方は違うと言えるでしょう。

 

これらのことから考えると、完全に放置するのはあまり現実的ではないし、赤ちゃんにも良いとは言えないのではないでしょうか。

 

泣き止ませるのを目的にするとママも辛いので、「できることはやった、赤ちゃんに危険もない、あとは泣くのに付き合うね」くらいがマインドセットとしてちょうどいいかもしれませんね。

先輩ママの「黄昏泣き」体験談。いつ終わった?


最後に、「黄昏泣き」の時期を抜けた先輩ママのひとこと体験談を紹介します。

 

「黄昏泣きの最中は、何してもダメで、自分も一緒に泣いていました」

 

「生後2か月頃から、毎日6時きっかりに泣き始めました。2か月くらいでけっこうピタリと止まりました」

 

「うちの子は外に出ても泣き止まなかったので、人目が気になり外には出られず…開き直って、テレビを見ながら抱っこしていました」

 

「月齢が低いあいだは、手足がバタバタしないようにくるんであげると、安心するのかちょっとマシでしたよ」

 

「午前中にいつもより多めにだっこしたら夕方の黄昏泣きがマシになると聞いてやってみました。気休めかもしれないけど、だんだん泣く日が減ってきた気がしました」

 

「泣き出す時間までに極力家事を終わらせておき、泣き出したら家事はあきらめて抱っこしてました。結局3ヶ月くらい続いたかな。だんだん泣く日が減ってきて、気付けば終わってました」

 

「首が座りかけてきたので、夕方はほぼほぼおんぶで家事していました。腰には来るけど、ギャン泣きよりは精神的に楽だったので…」

 

「あまりおしゃぶりを使いたくなかったのですが、使わざるを得なかったです」

 

「絶賛・黄昏泣き中に職場復帰。少しさみしいけど、正直そこはほっとしました…(笑)」

黄昏泣きのまとめ


黄昏泣きは、「いつ終わるかは分からない。でも、必ず終わる」というのが特徴。

 

何をしてもダメな時は、「黄昏泣きさせない方法」ではなく、「この時期を乗り切る方法」を見つけていけると良いですね。今回の記事も参考になれば幸いです。

 

文/高谷みえこ

参考:Colic and Crying Syndromes in Infants/Ronald G. Barr http://pediatrics.aappublications.org/content/102/Supplement_E1/1282.full