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みなさん「おんぶ」って、していますか!?

赤ちゃんと一緒にお出かけしていると、声をかけられることが多くなりますよね。「小さいわね〜! 今、何か月なの〜?」と声をかけていただき、いろんなところで立ち話。

 

「私は昔、よくおんぶして家事をしたわ〜」とデパートのエレベーターで声をかけてくださった先輩ママには、「え、おんぶですか!?  確かにおんぶなら家事がスムーズにできますよね。おんぶ紐で???」と、ぐいぐい迫って…後ずさりされるなんてことも。

 

街中で見かけるのは抱っこの赤ちゃんがほとんど。でも、自宅ではみなさんおんぶしているものなのかしら。家事がしやすいと聞いて、「おんぶ」が気になって仕方ありません!

 

そこで、5人のお子さんをおんぶで育て、おんぶ育児に詳しい松園さんに伺いました。

目次

さらしさえあれば、おんぶは誰でも手軽にできる!

もし、お持ちの抱っこ紐がおんぶに対応できなくても、さらしが1本あれば、簡単におんぶができますよ、と松園さん。むしろ、夏は汗をかくのですぐに洗えて、持ち運びにもかさばらないなど、さらしでのおんぶがオススメなのだとか。

 

“さらしおんぶ”はママにメリットがたくさん!

  • 洗いやすいから、いつも清潔
  • さらしは通気性に優れているので、赤ちゃんが快適
  • フリーサイズでママ、パパ、兄弟がみんなで使える
  • さらしは安価で手に入りやすい(10mで1000円前後)
  • かさばらないから持ち運びもラクラク
  • さらしは耐久性に優れている
  • 染料で染めて、オリジナルのおんぶ紐にできる
  • 防災バッグなどにも予備を入れておける

 旅行にだって、便利なトラベルグッズの一つになるかもしれません。

 

 

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▲「湘南おむつなし育児の会&さらしおんぶの会」代表を務める松園さん。真っ白なさらしを染料で染めれば、オリジナルおんぶ紐の完成。わが家のクローゼットに眠っていた「戌の日」の安産祈願で使ったさらし、この機会におんぶ用におろそうと思います。

 

最大のポイントは“育脳”につながること

抱っこ紐などのおんぶスタイルとは違い、高い位置でおんぶができるから、“パパ・ママと同じ世界”が見えて良い刺激になると松園さん。特別なおもちゃや習いごとに通わなくても、料理を作る様子、掃除する工程を見るのは、赤ちゃんには新鮮な景色。

 

大人の真似をするのが大好きな赤ちゃんが、0歳からママの背中で家事の見取り稽古をしていれば、成長したら同じことをできるのが何より嬉しいもの。

 

そうです!気づけばママのお手伝いがしたくてしょうがない子になっているんです、と松園さん。

 

安くて、丈夫で、洗えて、楽しくて、お手伝いが大好きな子に育つかも! さらしおんぶの可能性をぜひ試してみませんか。 

実践!さらしおんぶのやり方

松園さんにさらしおんぶの方法を教えていただきました。

 

まずは、4mのさらしを1本用意しましょう。また、おんぶをする時は、あかちゃんの安全を一番に考慮した上で実践してください。

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1 さらしの真ん中を赤ちゃんの背中に当てる

ねんねの赤ちゃんは広げたさらしの真ん中に寝かせる。おすわりのできる赤ちゃんは座った状態、立つことのできるお子さんは立った状態で背中にさらしを当てます。 

2 お尻に手を添えて、ママの目線より少し上の位置まで持ち上げる

この時、さらしは余裕を持たせず、胸ぐらをつかむようにしっかりと持つ。

3 赤ちゃんを背中に背負う

赤ちゃんの腕がママの肩に乗る高さが目安です。(要注意!:ここで理想の高さにならないと、あとで高さを調整することは難しくなります)

4 片側の肩にひとまとめにしていた2本のうち、1本のさらしを頭の上で通過させる

5 さらしをそれぞれの肩にかける

写真⑤くらいの前傾姿勢で、さらしを下方向に引っ張っておけば、赤ちゃんは落ちません。(要注意!:前かがみになりすぎると赤ちゃんの落下につながるため気をつけましょう)

6 左肩にかかっているさらしをあごで押さえる

もしくは、さらしを噛んでしっかり押さえ、右肩にかかっているさらしを両手で広げて背中側へ回す。

 

7 さらしを受けるほうの手で素早く後ろで赤ちゃんのお尻、足の位置を確認しながらさらしをもらいにいく

赤ちゃんの足の付け根を中心に包み、左わきの下へ持ってくる

8 あご(もしくは噛む)でしっかり押さえていた左肩にかかっているさらしと、右肩から左わきの下に渡されたさらしを交換する

9 左肩にかかっているさらしをあご(もしくは噛む)で押さえ、右肩にかかっているさらしを両手を広げて背中側へ回す

 

10  後ろで交換しあったさらしは、写真のように布が渡り合いながら、赤ちゃんの足の付け根を中心に包み込まれている状態に

11  両わきにきたさらしをそろぞれに広げ、布に生じた遊びを最後に斜め前方向(八の字)にキューッと引っ張る

12  胸の上で結ぶ

肩と胸が圧迫されないようさらしをしっかり広げてフィットさせ、完成!

 

さらしおんぶのおろし方

うまくおんぶできたら、背負う時と同じように丁寧におろしてあげましょう。

1 胸の前の結び目をほどく

※要注意:さらしは先のほうまできちんとほどいておきましょう

2 ほどいたさらしを胸の前でまとめて持つ

一方の肩にかかっているさらしの外側から親指を滑り込ませてつかむ。もう一方の肩にかかっているさらしにも、外側から親指を滑り込ませてつかむ。胸の前方でまとめて持っていたさらしは手放す。

3 両肩にかかっているさらしを写真のように手の甲が前にくるよう、外側から内側へ向かってつかむ

※要注意:さらしをつかむときの手の甲が前方をむく形でつかむこと。逆につかんでしまうと、赤ちゃんをおろすときに困ります。

 

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4 首の近くでさらしを1本にまとめる

自由にできる片方の手で後ろに回っているさらしを前に持ってくる。

※要注意:まとめたさらしが首から離れるほど、赤ちゃんの落下の危険があるため、気をつけましょう

5 両肩にかかっているさらしをどちらか一方の肩にまとめる

この動作で片方の腕が自由になるので、6で赤ちゃんをしっかり片手でサポートできます。

6 さらしをまとめた肩とは反対側の手でさらしを持ち、もう一方の手で赤ちゃんのお尻を迎えに行く

 

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7 かがんで、さらしを少しずつゆるめながら、前に赤ちゃんを移動させる

8 最後は胸の前に抱っこして、赤ちゃんを降ろす

安全なだけでなく、さらしが絡まずにスムーズにおろせる方法です。

 

多少時間がかかっても、赤ちゃんは初めての体験にワクワク。きっと、一緒に楽しんでくれます。ぜひ一度、さらしおんぶにチャレンジしてみてくださいね!

 

 

-Profile-

松園亜矢(まつぞのあや)さん

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新潟県出身。京都外国語大学卒業。5児の母。長男を妊娠中に乳児と楽しいコミュニケーションが取れるおむつなし育児と紐一本でおんぶ、抱っこができることを知り実践。以降、5人のこどもたちをおんぶとおむつなし育児で育てる。おんぶ仲間を増やしたい思いからおんぶ講習会や周囲の要望を受け「おむつなし育児のお話会」などを実施。

 

-掲載書籍-

『おんぶで整うこころとからだ』

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5人の子どもたちを“さらしおんぶ”と“おむつなし育児”で育て上げた著者が、自身の経験に基づいてそのメリットを紹介。さらしを使ってのおんぶの仕方、おろし方を写真で詳しく解説。書籍の印税は全額未来を担うこどもたちを支援する団体各所に寄付されている。1300円+税/駒草出版

取材・文/さくまえり