最近はこども医療費を無料にしている自治体が増えてきています。以前は、財政的に余裕のある自治体だけのことでした。現在ではほとんどの自治体が子育て支援として様々なサービスを行っています。サービスの内容を吟味して、引越しを考えたほうがよいレベルにまで自治体ごとの格差は広がってきているのかもしれません。
■自治体による医療費の差はなぜ生まれる?
実際に自治体によって医療費の差が大きく、地域によっては2倍ほども異なっているようです。 もともと財政に余裕のある人口の多い自治体のサービスだったのですが、現在では、過疎地域の人口の流出を防ぐ手段としても有効になっているようです。 特に若い夫婦をつなぎとめるためには子供の医療費の負担を減らすというのは有効な手段の一つといえるかもしれません。引っ越しを考えていても、治療費の負担が増えるのであれば、収入の増加が見込めなければ、引越しは躊躇してしまうのではないでしょうか。 もちろん、自治体にとっては単に子供の治療費の負担を減らすということだけでなく、住みよい地域づくりという意味合いもあります。 また、現在の少子化を考えると、子供を産むことによる経済的負担を緩和し、少子化の歯止めといったことも期待できるというのもあるのです。 もともと、子供にたいしての医療補助に関しては、現物給付と償還払いの2種類があり、現物給付であれば、窓口の支払いが少なくなり、償還払いであれば、後で申請して払い戻しを受けるといったものがあります。 国としては過剰受診を防ぐために現物給付のほうは、自治体への補助金を減額したのです。 ですが、それがなくなったため、現物給付がしやすくなり、現物給付のサービスが増加してきているのです。 そのため、自治体ごとに様々なサービスが可能となっているので、自治体の考え方次第で大きく子供の医療費に対しての支援の違いが出てきているのです。 もちろん、これは自治体が人口の減少を食い止めるためというのもありますから、人口減少の危機を感じていない自治体であれば、高額の医療費の助成は必要とならないため、地域ごとの格差が生まれてきているのかもしれません。
■他地域より高いかも?という自治体
治療費が高くついてしまうという自治体を考えた場合、どんな助成金の制度があり、どんな方法を使用しているかによっても異なってきます。 一時的とはいえ、負担が大きくなってしまうのは、助成のしかたが償還となっている場合ということになります。 すべての自治体を細かくチェックするというのは大変ですが、都道府県で見ると、北海道、岩手県、埼玉県、長野県、奈良県、鹿児島県、沖縄県といったあたりは、現物支給ではないため、利用者の窓口での支払いでは実際の治療費の支払いが必要になります。 また、これらの都道府県に関しては、通院に対しての対象年齢が就学前や4歳未満といった少し厳しめの制限が設けられています。 一部地域では18歳の年度までは対象となることを考えると、やはり高めの自治体ということになりそうです。 また、その中でも北海道、岩手県、埼玉県、奈良県、鹿児島県に関しては、所得による制限や一部負担金が必要である場合もあるのです。 特に所得による制限がある場合、高所得の家庭や、低所得の家庭であればよいのですが、所得制限の前後当たりの収入の家庭だと、対象になるとならないでは大きく違ってくることになります。 このように自治体ごとで大きく違う場合、自分の住んでいる自治体がそうであると、将来を考えた時に引越しとかを考えてしまうこともあるのかもしれません。 もちろん、治療費は固定費ではないですから、実際にはほとんど利用することがないかもしれませんが、もしものことを考えると、しっかりとした制度がある自治体の地域に住みたいというのは誰しもが考えるではないでしょうか。
■子どもの医療費が安い!ありがたい自治体
子どもの医療費が高い自治体があれば、その逆で子どもの医療費が安い自治体もあるわけです。 これは子供医療費の助成制度が自治体ごとに異なっているので仕方のないことになります。治療費自体ができれば必要としない生活が一番なのですが、いくら気を付けていても怪我や病気というのは完全に防ぐというのは難しいです。 特に子供は怪我をしながら学習するという部分もあるので、難しいところです。それを考えるのであれば、やはり同じ治療をうけるにしても、少しでも医療費が負担にならない地域に住んでいるということはメリットといえますよね。 都道府県で見れば、栃木県、群馬県、山梨県、岐阜県あたりが、現物支給であることと所得制限、負担金もないので、比較的子供の医療費が安いということになりそうです。 これは都道県全体での比較ですが、細かく自治体を見ていくと様々な助成金のしくみがあるのでいろいろと調べてみるのも良さそうです。 とはいえ、子どもの医療費だけで、引越しを決めるわけにはいきませんよね、いくらいい地域であっても職場の関係や、交通の便など様々な要素が組み合わさって初めて引越しができる場所かどうかが決まります。 子供の医療費が下がったからといっても、その分交通費がかかるようになったりその他の経費がかかるようになってしまうのでは逆に負担が増えてしまいますよね。