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ママの皆さんは「赤ちゃんや子どもの心の発達のため、絵本を読み聞かせてあげましょう」と、あちこちで耳にしていることと思います。

 

でも実際に読み聞かせを始めると、おとなしく聞いてくれなかったり、ママの選んだ絵本には見向きもせず、ひたすらヒーロー戦隊モノの絵本だけを繰り返し読まされたり…本当にこんなので効果あるの?と疑問に思っているママも多いのではないでしょうか。

 

今回は、ライターであると同時に、幼稚園・小学校・中学校などで長年子どもと本に関わってきた私の経験もまじえて、子どもへの絵本の読み聞かせのコツを解説。ママからの疑問にお答えします。

 

毎日毎日同じ絵本…意味あるの?


私は、地域の幼稚園で、来年入園するプレのクラスのお母さんたち向けに、子どもに読んであげたい絵本を紹介するイベント「ブックトーク」で講師をつとめています。

 

イベントの中でママたちに、「読み聞かせで疑問に思っていることはありますか?」とたずねると、毎回必ず「子どもがいつも同じ本ばかり読んでって言うんです」「色々な本を読んであげたほうがいいんですよね?」という声があがります。

 

これに対しての回答は…実は、「何度でも読んであげて下さい!」なんです。 同じ本ばかりだと語彙力が増えないと思われるかもしれませんが、実は、イギリスでの研究でも、1冊の本を何度も読み聞かせた子どもたちのグループと、複数の絵本を読み聞かせたグループを比較した場合、前者の方が2倍も多く言葉を覚えたという結果が報告されています。

 

お気に入りの絵本を何度も読んでもらっているうち、子どもも一字一句覚えてしまうことがよくありますよね。日本語は、「て・に・を・は」や敬語の使い方など複雑な文法を持っていますが、これらが自然に身につくのも大きなメリットです。

 

ただ、いくら同じ本でもOKと言っても、絵本は買ってあげたいけどなかなか本屋に行く時間がないとか、家に絵本そのものがあまりないといった場合は、やはり時々は新しい本に出合う機会を作ってあげたいですね。

 

絵本は1冊1000円~3000円くらいするものもあり、気に入るかどうかわからないのに買う踏ん切りがつかないこともありますよね。そんな時は、図書館が強い味方です。ロングセラーの絵本をはじめとした豊富な絵本が揃っていますので、ぜひお子さんと一緒に図書館にお出かけして、好きな絵本を選ばせてあげて下さい。

 

途中で飽きちゃう、どんどんページをめくっちゃう、質問ばかり…


活発な子のママが「困ってます」とよく言うのが、本を読んであげている途中で読むのをやめて他のことで遊び始めてしまうというもの。

 

せっかく読んであげたのに、お話の途中なのに…ママからするとそう思えますが、実はこれは珍しいことではないんです。

 

赤ちゃんから幼児期は、新しいことやモノを覚える必要があるため、多くの子どもは次々と興味関心や、好奇心の対象が移り変わっていきます。子どもが1つのことを続けられる集中力は年齢+1分などとよく言われ、正確なデータはないものの、保育士さんなどとお話していると、それに近い子が多いよう。

 

ママは「最後まで聞かなきゃダメだよ」などと注意せず、「また今度読もうね」と明るく本を閉じればOKです。

 

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同じように、そのページに書かれているお話を読んでいないのに、どんどんページをめくっていってしまう子もいます。ママはかなりイライラしますが、1歳代のお子さんであれば、ページをめくること自体が楽しいので、神経質にならずにしばらくやらせてあげましょう。

 

もう少し大きい子の場合は、「このあと好きなシーンがあるので早く見たい」などの理由があれば、とばして読んであげても構いません。もし、まったく本の世界に入れずにいるようなら、「あ、だれかが森のなかに隠れてるよ!誰だろう?」など、子どもが思わず引き込まれるような言葉をかけてあげることで、本のストーリー自体に興味を持ち始めることもあります。

 

お話と関係のないことを次々と質問してきて困る…という声もよく聞きます。特に、ストーリー性のあるお話の途中で、「ツノが1本の鬼さんと2本の鬼さんがいるよ!ねえどうして?どっちが強いの?」などと繰り返されるとママも読み進められませんよね。

 

こういう時は、そんな時期だと割り切って、絵を隅々まで眺めて楽しむように切り替えるのも一つの方法です。

 

また、「ウォーリーをさがせ」や「ミッケ!」など、もともと細かい絵そのものを楽しむ絵本もたくさんありますので、それらを選ぶのも良いですね。

 

登場人物ごとに演じ分けた方がいい?


こちらもよく質問されるのですが、「登場人物の声やしゃべり方などは変えて読んだ方がいいのでしょうか?」というもの。

 

結論からいうと、ママの読みやすい方でOKだと思います。

 

オオカミは怖そうな声で、おばあちゃんはお年寄りらしい声で、赤ずきんちゃんは可愛い声で、地の文はナレーターのように…と読もうと思ったとしても、人により得意・不得意がありますよね。

 

楽しんでキャラクターを演じ分けられるママなら、ぜひそうやって読んであげればお子さんもワクワクすること間違いないですし、どうもそういうのは苦手で…というママは無理に演じ分けずに、いつものやさしい声で読んであげればじゅうぶんです。

 

また、同じ本を、パパやおじいちゃんおばあちゃん・保育士さんなど色々な人に読んでもらうこともあるかと思いますが、子どもはそれを聞いて誰が上手で下手だと思っているわけではありません。

 

「こう読まなければ」と思うと、読み聞かせ自体が楽しくなくなってしまいますので、ぜひ、ストレスのない読み方で読んであげて下さいね。

 

まとめ


今回は、私の絵本に関する活動のなかで特にママたちが疑問に思っている点についてアドバイスさせていただきました。参考になれば幸いです。

 

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文/高谷みえこ