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「這えば立て、立てば歩めの親心」という言葉もあるように、赤ちゃんがなかなか歩き始めないのも心配な一方、歩き出すのが早ければ早いで、色々と悩みはあるもの。今回は、7か月の終わりごろからお子さんが歩き始めたというママに、「色々な人からの意見が分かれて困っている」というお話を聞いてきました。

 

歩き始めが早い子に対する心配・噂は迷信?本当?


現在生後8か月の女の子がいるEさん。 お子さんは5か月頃からずりばいを始め、6か月でつかまり立ちと伝い歩き、7か月の終わりごろには少し歩けるようになっていました。 地元の支援センターなどに行くと、同月齢ではまだハイハイしている赤ちゃんが大半で、「早すぎる…?」と不安になっていたところ、追い打ちをかけるように、周囲の人から色々なことを言われ、どんどん心配になってきてしまったそうです。

 

よく言われたのは次のような内容でした。 「あまり歩き始めるのが早すぎると、足が曲がる」 「O脚になる」 「背が伸びない」 「短足になる」

 

といった、足の形や体型に関するものから、

 

「知能の発達が遅れる」 「言葉を話し始めるのが遅くなる」

 

といった精神面の発達の遅れを心配するもの、また

 

「ハイハイしないと上半身が鍛えらず、腕力や握力の弱い子になる」 「背筋や腹筋が弱くなり、免疫力が落ちて風邪を引きやすくなる」

 

といった、ハイハイしないことによる悪影響に関するもの、 果ては、

 

「せっかちな性格になる」

 

と、迷信?!と思えるものまでありますが、中には思わずドキッとするような内容もあり、どこまでが本当なんだろうと迷ってしまいますね。

 

とはいえ、歩き始めた赤ちゃんを止めるのにも限界があり、不安を抱えながら毎日を過ごしているそうです。

 

早い遅いは生まれつきの部分が大きい


歩き始めの早い・遅いと、その後の発達への影響に関して、医学的データに基づいた研究結果はまだ一般的には出回っていませんが、「うちの子は早く歩いた」という先輩ママはたくさんいます。当時の状況と、現在のお子さんの様子を教えてもらいました。

 

「8か月で歩き始めました。歩行器などを使わないのはもちろん、歩くように仕向けたことも全然ないのですが、10か月過ぎにはもう走り回っていました。今は2歳になりましたが、同じ月齢の子より身長も大きめで、全体的に発育はいい方ですよ。」

 

「9か月で歩き始めました。1歳半になって、言葉があまり出ないので心配しましたが、小児科の先生と話したところ、お母さんに言葉で頼まなくても自分の足で行きたいところに行けるから、やや言葉の必要性が少ないのかもしれませんね、でも多少時期が前後するだけだから心配いりませんと言われました。3歳の今は、うるさいくらい毎日しゃべっています(笑)。」

 

「生後1か月検診で、すでに、骨格がしっかりしているから、全てにおいて発達が早いでしょうと言われ、予想どおり歩き始めは8か月後半でした。その時に、早い遅いは統計の結果なので、当てはまらない子もいるけれど、それが一概に異常というわけではないとも聞きました。ちなみに話し始めるのも早かったです。」

 

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O脚に関しては、こんな体験談も。

 

「歩き始めは1歳2か月と、特に早くはなかったのですが、見ていると歩きにくそうなのと、O脚が強いように思えて受診しました。すると、股関節の発達が一部阻害されていることがわかり、装具による治療をすることになりました。小学校に入学した今では特に問題なく、運動も得意な方です。」

 

実は、生まれたばかりの赤ちゃんはみんなO脚なのだそう。歩行を始めてしばらくすると、筋肉や骨の使い方が変わることで徐々に脚の形も変わり、3歳頃までにまっすぐに近い形になると言われています。

 

ハイハイをしている間はパッと見て脚の形が分かりにくいのに対し、早い時期に歩き始めた赤ちゃんはもともとO脚気味の脚の形がより目につきやすい、ということもあるかもしれませんね。

 

歩き始め時期の早い遅いがどうしても気になるなら…!


海外では、遺伝子の突然変異により、筋肉の発達を抑制する機能が働かなくなった結果、生後5か月目で歩きはじめた赤ちゃんの例が報告されています。

 

こういった特殊なケースを除いては、歩き出すのが早いかどうかは、色々な成長のうちの1つの要素に過ぎないと考えても良いのではないでしょうか。

 

身長・足の形・運動能力・言葉の発達など、早く歩き始めたお子さんのママに話を聞いた結果、どれも「歩くのが早かったから」というより、遺伝や個人差の面が大きいように感じられました。

 

ただ、しっかりハイハイすることが、腕や体幹など上半身の発達に効果的なのは確かなようです。

 

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もし、室内に家具が多くて、少しハイハイするとすぐモノにつかまって立ちあがってしまうようなら、可能な限り家具を片付けてスペースを作ってみるのもおすすめです。

 

自宅では難しければ、児童館や育児支援センターなど、好きなだけハイハイできるような広い場所へ連れて行ってあげるのもいいですね。

 

すでに歩き出していて、広い場所でもハイハイをしないという場合、ママも一緒に歌いながらハイハイして遊んだり、段ボールでトンネルを作ってハイハイでくぐりぬけるような遊びを取り入れるのもおすすめの方法です。

 

保育園に通っている場合、上記のようなことを園に伝えておくと、ハイハイで楽しめるような遊びを多めに取り入れてもらえることもありますよ。

 

まとめ


今回、話を聞いてみた結果からは「歩き始めるのが早すぎる?」という悩みは、周りの何気ないひとことがママを苦しめているケースも多く、ママにとってはかなり辛いものだということを感じました。 歩き始めの時期に関わらず、歩き方や足の形がおかしいと感じたら受診した方がいいのはもちろんですが、それで異常がない場合は、今回の記事も参考にあまりストレスを感じ過ぎず、ヨチヨチ歩きの可愛い時期を楽しめるといいですね!

 

文/高谷みえこ