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「遊んだらお片付けしようね」と声をかけても、「ハーイ」と言ったきり、気付けば別のおもちゃで遊び始めてるわが子。「今片付けなきゃダメだよ!」と強く言うと「ママやって~!」とグズグズ…しびれを切らして、結局今日もママが片付ける羽目に。いつになったら自分でお片付けできるようになるの?まさか大人になってもこの調子?!今回は、お片付けが苦手・できない・嫌いな子への接し方を、先輩ママの体験談も参考に考えてみます。

子供が片付けないの2つの理由


子どもがお片付けできないのには、いくつかの理由があります。とくに次の二つが大きな理由で、ここを見直すことでぐっとやりやすくなる場合がありますよ。

 

理由1:子どもは時間の見通しが苦手

例えば今が夜7時だとして、大人は、この子の就寝まであと2時間しかなく、その間にお風呂に入る時間も必要だということが分かっています。

 

しかし、こういった時間の見通しが立てられるようになる能力は5歳前後から徐々にでき始め、時間をかけて習得していくと言われています。

 

そのため、小さい子は、片付けそのものより、「遊びを終わらせる」必然性が感じられていないことがあります。

 

この場合、片付けを始めたい時間の少し前から声をかけ始め、もうすぐ遊びが終わることを知らせてあげると良いですよ。

 

「おもちゃのロボくん、もうすぐお家に帰る時間だよ~って言ってるよ。そろそろバイバイしようね」などの声がけや、「○○の歌が聞こえたらお片付け始めようね」と決めるのも、幼稚園や保育園でよく行われているやり方です。スマホなどで音楽が流れるようタイマーをセットしておくのもいいですね。

 

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理由2:片付けやすい仕組みができていない

職場のことを思い出してみて下さい。仕事に使う書類や道具類は、決まった場所に保管され、書類のファイルには分かりやすくタイトルがつけれられていると思います。

 

何も書いていなくても長年の経験でモノのありかはパッと分かる…という職人の工房のような会社もあるかもしれませんが(笑)

 

そして、子どもを新規採用のアルバイトだと考えてみると、モノの定位置がなかったり、定位置はあるものの、棚にも引き出しにも何も書いていなかったりという状態で「さあ片付けなさい」と言われるのは、非常にハードルが高い要求だということが分かるのではないでしょうか?

 

こちらも保育園や幼稚園で必ずといっていいほど行われている方法ですが、それぞれのおもちゃの収納場所を決め、字が読めない子でも分かるよう、写真や絵を貼っておきます。

 

こうしておくと、ここに入り切らないほどおもちゃが増えたら、もう使わないものを整理する必要があるとママにも分かって一石二鳥ですね。

 

片付けない子供へのNG対応はこれ!


続いては、お片付けでママがやってしまいがちな「NG対応」を2つ挙げてみます。 


 

ママがきれい好き・片付け上手だったら、子どもも自然に片付け方を身につけられそうですよね。


たしかにその通りではあるのですが、ここにも落とし穴があります。

 

NG対応1:子どもの片付けにじっくり付き合えない

きれい好きでせっかちなママだと、子どもが片付けるのを待っていられず、ちょっとおもちゃが散らばってきたらササッと片付けてしまうことがあります。特に、平日は限られた時間の中でごはん・お風呂・後片付けを済ませなくてはならないので、じっくり子どもが片付けるのに付き合っていられないのも事実。

 

でも、常にママがさっさと片付けてしまうのはやり過ぎです。そこから子どもが学ぶのは、「遊んでいるとママがいつの間にか片付けてくれる」ということだけですよね。

 

忙しい時はせめて、最初のいくつかだけでも子どもと一緒に片付けましょう。またその後ママが仕上げに片付ける時も、できるだけ「この折り紙は箱に入れるね」等と、手順を実況するつもりで話しかけながら片付けていくと良いですよ。

 

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NG対応2:罰を示してやらせようとする

次に、何度言ってもおもちゃを片付けないと、「捨てちゃうよ!」と脅したり、本当にゴミ袋を持ってきて捨てる…というショック療法を実行しているママもいるかと思います。

 

これについては、一時的に効果はあるかもしれません。でも、ほとんどの子は、ママにすごく怒られ、おもちゃを捨てられて悲しかった…という記憶だけが残り、肝心の片付け習慣は身に付かないのではないでしょうか?

 

「ちびまる子ちゃん」の作者、さくらももこさんも、著書の中で子ども時代を振り返り「何度言われても部屋を片付けずにいたら、母が腹に据えかねてマンガを全部捨ててしまい大泣きしたが、その後も片付けられるようにはならなかった」と書いています。

先輩ママに聞いた、おすすめの方法は?


先輩ママたちは、他にも、こんな方法でお片付け問題に対処していたそうです。


 

「定番ですが、『このブロック、どっちが早く箱に戻せるかママと競争しよう!よーいドン!』と言って、もちろん勝たせてあげました」

 

「ひとつでも片付けられた時に注目して、『わあ!ボールがちゃんとカゴに片付けてある!誰がやってくれたのかな~?!』と喜んでみせると、他のおもちゃも大張り切りで片付けていました!」

 

「姉妹で共有のおもちゃもありますが、それぞれ個人のおもちゃは、テーマカラーを決めて、上の子は水色の箱、下の子はピンクの箱を用意しておきました。遊び始める時もその箱を取ってくるだけなのでスムーズです」

 

これらは今日からでもできそうなことばかりなので、ぜひ試してみたいですね。

 

根気よく声をかけることが大切


ママの毎日のストレス軽減はもちろんですが、何より子ども自身の将来のため、生活習慣は身に付けさせてあげたいもの。とはいうものの、なかなか身に付かないわ…と嘆きたくなります。


 

これは私の個人的な体験ですが、以前、娘の園長先生がこんなことを言っていました。

 

「ちょっと言っただけですぐできる子は、またすぐさぼってしまうこともあります。でも、時間をかけて、何回も言い聞かせてやっと身に付いた子は、その後、何があっても忘れずやりますよ」


私も、高校生の娘が小さい頃は(今でも?!)「なかなか身に付かない子」だったので、この言葉にずいぶん助けられました。

 

時間と手間はかかりますが、いつかできるようになることを信じて、根気強くお片付けを教え続けていきたいですね。

 

文/高谷みえこ