子供がいけないことをした時、親としてはやはり叱りますよね。
でも、いくら叱っても何度も同じことを繰り返す、ヘラヘラと笑っている…そんなわが子の姿に「うちの子、まったく響いていない…」と怒りがこみ上げたり、頭を抱えたりしている人もいるのではないでしょうか?
今回は、叱っても響かない(ように見える)子供の心理や、親の思いを伝えるための方法などを年齢別にいくつかの例をあげて紹介します。
3歳の息子、何回叱っても同じことを繰り返す
Nさんは3歳の男の子を育てているママです。
「園で戦いごっこが流行っているらしくて、家でも私にパンチやキックをしてくるんですよね。ママは痛いしイヤだからやめてね、と言ってもやめなくて、仕方なく叱るんですが、その時は泣いてごめんなさいと言うけど、また翌日は同じことの繰り返し……」
そのほかにも、おもちゃを片付けない・汚い言葉を使うなど、毎日の生活の中で何度叱っても言うことを聞かず困っているママ・パパは多いのではないでしょうか。
ただ、子供たちはみんな発達の途中であり、そもそも何度も同じことを繰り返すもの。
命に関わるようなことは別として、「心から真剣に叱れば二度としないはず」…というのは当てはまらないことも多いのです。
その場で結果を出そうとするとうまくいかず、怒りが募ってくるので、まずは何度でも「それはいけないことだよ」「それはやめてほしいな」と伝えるところまででミッションクリアと考えてみてはどうでしょうか。
小学生の娘、叱ってもヘラヘラ。なめられてるの?
Tさんは小学校3年生の女の子を育てています。
「本人がやりたいといった習い事なのに、友達と遊んでいて行き忘れたり、遅れたりします。叱っても分かってる~という感じでヘラヘラしています。真剣に伝えたくて手を握って目を見て話そうとしても、目をそらしたり変顔したり…なめられてるのでしょうか。怒り心頭です」
叱られたときに泣いたり反発したりせず、ヘラヘラしている子は一定数いますよね。
笑ってごまかそうとしている、話をそらして叱られるのから逃げようとしている…という心理もたしかにありますが、多くの場合、子供も内心では反省しています。
このタイプのお子さんには、プライドが高く、叱られて泣く姿を見せたくないという思いから平気なふりをする子も少なくありません。
それに対して「厳しさが足りない」「大人をなめている」ととらえて泣くまで叱り続けると、必要以上に傷つけてしまう可能性も。
こういうときは、ヘラヘラしている態度については触れず、いま何に対して叱っているのかはっきり伝わるように短く叱るのがおすすめです。
目を合わせようとしないときは、無理強いせず、後ろから軽く包むようにして静かに話したほうが素直に聞くこともあります。
中学生の息子、叱った直後に動画を見て笑ってる!?
Yさんのお子さんは中学2年生の男の子です。
「言葉遣いが悪い、家の手伝いを忘れる、弁当箱を出さない…ちょっとしたことで注意すると、自分の行いが良いか悪いかも考えず反射的に言い返してくるので、強く叱ると半ベソで部屋に閉じこもります。でも、洗濯物を取り込むときなどに庭から見えるので様子を見ると、けっこうな確率でスマホで動画を見て大笑いしてたりするんですよね。こたえてないのかとガックリします」
さっきまで叱られていたのに楽しそうに笑っている様子をみると、何も響いていないのか…と思ってしまいますよね。
しかし、大人でも仕事で嫌なお客さんに当たってしまって理不尽にののしられたり、ミスをして厳しく注意されたりした日は、帰りの電車でずっとそのことを考えて落ち込むよりも、好きな芸能人のSNSやクスッと笑える動画などで気分を切り替える方が心が安定するのではないでしょうか。
親としては少し腹立たしいですが、なんらかの方法で1人で気分を立て直せるのはある意味長所でもあります。しかも相手の目の前ではその姿を見せないのであれば、むしろほめてあげてもいいくらいかもしれません。
おわりに
上記の例では触れていませんが、子供に対して「叱っても響かない」と感じるときの理由として、叱る回数が褒める回数をはるかに上回っている…というものもあります。
もし、1日を振り返ってみて叱る回数のほうが圧倒的に多いと思ったら、新しくできるようになったことはもちろん、習慣になっていることを「毎日できてるね」と褒めてあげるのもおすすめです。
うれしい言葉で心が満たされた状態であれば、叱られたときにも、より受け入れやすくなるはず。ぜひ試してみて下さいね。
文/高谷みえこ