ママ友同士の会話で、時々「私なんて~だから」と自虐ネタが飛び出すことがありますよね。

 

それに対して楽しく笑える時もありますが、なかには返答に困ってしまうような自虐を口にする人もいて、なんだか微妙な空気になってしまう時もあるのでは。

 

どうやら、世の中には「良い自虐」と「悪い自虐」があるように思えます。

 

今回は、すぐに自虐ネタを口にしてしまう人の心理について解説。

 

また笑って済ませられる「良い自虐」と、できるだけ自分も言わないようにしたい「悪い自虐」の違いや特徴、困った自虐ネタに遭遇してしまったときのじょうずな返し方などを解説します。

こんな自虐ネタなら笑えそう?

そもそも、自虐ネタというのは「ネタ」というだけあって非常に難易度の高いものです。

 

よく「関西人は自虐ネタが多い」(もちろん全員ではありません)とも言われますが、日常会話で自虐ネタをはさんで相手を笑わせる、場を盛り上げる……という行為は、もしかして笑いに長けた関西人くらいしか使いこなせない高度なテクニックなのかもしれません。

 

ママ友同士の会話でも、比較的楽しく笑えそうな自虐ネタは次のようなものではないでしょうか。

 

  • 相手を困らせない
  • 同じ立場の人を傷つけない
  • 相手を楽しませたい、場を盛り上げたいという願いから出ている
  • 容姿など自分でどうしようもない事柄ではなく、失敗談など一時的な内容

 

例えば、幼稚園のお迎え時に園庭で遊んでいる子供たちとママ数人がいたとして、Aさんがわが子に「また靴下裏返しじゃん!もう!」と小言を言い始めた…。

 

そんなときにBさんが「大丈夫!私もこの前、ジャンパー裏返しで買い物行っちゃったんだから」と笑いを取るような話であれば、誰も傷つかず楽しく笑えそうですよね。

みんなが困る…こんな自虐ネタはNG?

一方、次のような自虐ネタは、言われたほうも返答に困ってしまうのではないでしょうか。

 

上記の「良い自虐」と正反対になりますが、以下挙げてみます。

容姿や年齢で自虐する

例えば、カラフルな洋服を着ている人に向かって「あなたは細いから似合うよねー!私みたいなデブが着たらピエロと間違えられちゃう」のような自虐は、イエスともノーとも答えづらく、相手を困らせてしまいます。

「そんなことないよ~」を待っている

もし、年上のママ友に「私なんてもうオバサンだから…」と言われたら、内心どう思っていても「そんなことないですよ!」「えー?若い若い」等と返す人が大半なのではないでしょうか。

 

それを分かっていて何度も言ってくるのだとしたら、とても迷惑な話ですよね。

同じ状況の人が聞いたら傷つくような自虐

たとえば、数人で会話しているときなどに「Aちゃんママ、Z大学卒なんですってね!すごいわー。私なんて高卒だから恥ずかしくて。遺伝でうちの子もほんとにバカでさ~」と言ったらどうなるでしょうか。

 

もちろん学歴と人としての賢さは関係ありませんし、必ずしもお子さんの成績とも直結しませんが、同じく高卒の人や高校中退の人が輪の中にいたら、冗談のつもりでも気持ちのいい発言ではないでしょう。

 

また、自分の体型や年齢などを「ダメなもの」として笑いをとる手法は、同時に同じ立場の人をも貶めてしまうことになり、すでにプロのお笑い界でもやめようという流れができつつあります。

子供をネタにして笑いを取る

上の例にも出てきますが、会話の中でお子さんの苦手なことや短所を「うちの子はダメダメで~」とネタにする人もいます。

 

しかし、子供は親の所有物ではなく、ネタにする権利はそもそもないはず。

 

また子供本人が聞いていたら、親は冗談で言ったつもりでも、本気だと信じて自己肯定感が下がってしまったり、深く傷ついてしまう可能性もあります。

すぐに自虐ネタを出してしまう人の心理

周囲を困らせたり、嫌な気持ちにさせたりしてしまいがちな自虐ネタ、すぐ口にする人はなぜそうしてしまうのでしょうか?

 

理由はいくつもあり、複数重なっているケースもあります。

強いコンプレックスがある

顔や体型・学歴などの話題になると、必要以上に「私なんて~だから」と自虐する人は、実はそこに強いコンプレックス(劣等感)を抱いている可能性があります。

 

気にしているからこそ、実際は誰も指摘したりバカにしたりしないはずなのに「もし笑われたらどうしよう」という意識が強く、そのくらいならいっそ…と自分から話題にしてしまう人も。

自虐しつつ否定してもらいたい

NGな自虐の例でも出てきましたが、「私なんて~」と自虐しつつ、相手に「そんなことないよ」と言ってもらうのを待っている人も。

 

この場合は「たしかにそうだよね」などと同意すると怒ったり、すねたりするのですぐ分かります。

サービス精神が過剰

会話が途切れると、場を盛り上げなくては!と焦ってしまい、言わなくてもいい自虐ネタを出してしまう人もいます。

 

根は意地悪ではないので他人の悪口は言いたくないし、さりとてネタが思いつかずに自分やわが子を犠牲にしてしまうのかもしれません。

 

気配りそのものは素敵なことですが、周囲の人ばかりでなく、子供や自分自身も同じく大切にするべきですよね。

ほめられる&ほめるのが苦手

子供時代、あまり親や周囲にほめられた経験がないと、大人になって急にほめられたときにドギマギしてしまい「いやいや私なんて…!!」と必死で否定してしまう人もいます。

 

また日本では「謙遜」が美徳とされる文化が強いため、自分や家族を堂々とほめると「自慢」と取られることもあり、自虐しているくらいの方が無難だと考える人も少なくないのではないでしょうか。

子供時代のいじめの弊害

子供時代にいじめに遭っていた、いわゆる「いじられキャラ」(言葉を変えたいじめです)だった…という人は、あえて自虐的なニックネームを名乗ったりすることがあります。

 

正面からぶつかって親に心配をかけたくないと考えたり、これはいじめではなく遊びなんだと自分に言い聞かせることで心の平穏を保とうとしたりした結果の処世術なのですが、大人になっても習慣になってしまっているとしたら本当に辛いことです。

答えに詰まる、ママ友の自虐ネタのかわし方

何人かで話しているときに自虐ネタを出す人がいても、話し上手な人が「またまたそんなこと言って~」「ないない!そんなら私なんてもっと…」のように話を進めてくれることもあるでしょう。

 

でも、1対1で返答に困るような自虐ネタを言われたらどうすればいいでしょうか。

 

幼稚園ママ3人に、よくやるかわし方を教えてもらいました。

 

「ホント困りますよね!私はもうひたすら軽く笑顔で、いやいや~、そんなこと~、って薄ーく返事してやり過ごしてます」(Yさん・小学5年生と3年生のママ)

 

「自虐ネタに対して、そんなことないよとあからさまに嘘をつくのも気が進まないし、かといって正直に言うと機嫌を損ねそうなので、少しずらして答えるようにします。もうトシだから最近の服が似合わないわ~みたいに言われても、似合うかどうかじゃなくて、たとえばですが、ああ、最近この素材の服とか多いですよね…で返したり」(Aさん・4歳児と1歳児のママ)

 

「自虐されて困ってしまったら、できるだけ他のところをほめるようにしてます。私って目が細いでしょ?と言われたら、えっ、でもまつげがすごく長いからむしろいい感じだよ!みたいに。ありもしないことを言ったら逆効果なので、瞬時にほめポイントを見つけるのがけっこう難しいですけどね」(Wさん・6歳児と5歳児のママ)

 

上から下へとだんだん難易度が高くなりますが、基本的には1人目のYさんのように、笑顔でいやいや~と首を振るだけでも多くの「困った自虐」はかわせるのではないでしょうか。

 

あなたのまわりにもいる、自虐ネタを頻繁に出してくるママ友対策に、また自分がうっかり「迷惑な自虐」をやってしまわないように、ぜひ参考にしてみて下さいね。

文/高谷みえこ