大人でも仕事やPTAなど人前で堂々と話ができる人もいれば、緊張してしまって頭が真っ白になるから苦手.....!という人もいますよね。

 

子供にも同じように、発表会や人前に出ると緊張してしまう子やあがり症の子がいます。

 

生まれ持った気質の違いとはいえ、他の子が元気に発表しているのにわが子だけモジモジしたり、泣き出してしまったりすると、親としては心配になってしまいますよね。

 

今回は、「あがり症」や緊張しやすい子の特徴や心理を解説、小学生・中学生と成長する中であがり症を克服できるのか、家庭でできる対策は?などについて考えてみました。

あがり症の子、緊張しやすい子の心理と特徴

ふだんは大声でおしゃべりできるのに、大勢の前に立つと緊張して声が出なくなったり、動けなくなったりしてしまう…そんなあがり症の子には共通の心理があるといいます。

 

もちろん、その子によって少しずつ個人差はありますが、以下のうちいくつかは当てはまっているのではないでしょうか。

雰囲気の変化に敏感

園の発表会や小学校の参観日など、保護者や大人のギャラリーが多いと、いつもと違った雰囲気に影響されて、日頃の自分らしさが出せなくなってしまう子がいます。

 

いわゆる「ものおじしない子」は、そんな緊張しやすい子の親から見るとうらやましいかもしれません。

 

しかしこんなママの声も。

 

「うちは上の子が参観日などには緊張して固まってしまうのですが、下の子はまったく気にせず正反対のタイプ。だけど、上の子は私がちょっと体調が悪いと気づいていたわってくれるし、『優しい性格だから』と毎年バレンタインにチョコレートを何個ももらってくるんです」

完璧にこなしたい気持ちが強い

まじめな性格の子は、物事をきっちり完璧にやりとげたい気持ちが強く、そのために時に失敗をとても恐れることがあります。

 

「失敗したらどうしよう」という不安やプレッシャーが緊張をさらに高めてしまうのですね。

 

生まれつきの気質や性格もありますが、親をはじめとした周囲の接し方の影響でさらに拍車がかかっている場合もあります。

過去にネガティブな経験をした

大勢の大人が見ている前で失敗した、うまくできずに笑われた、叱られた…という経験のある子の中には、それが忘れられずに、また同じことが起きたらどうしようと緊張してしまうこともあります。

「あがり症」は克服できる?中学生以上のママに聞いてみた

幼稚園や保育園の頃には、人前で緊張してしまっていつものように歌ったり発言したりできない子は意外と多いもの。

 

多くの場合は、少しずつ慣れていくと考えられますが、親としては「このままずっとこんな感じだったらどうしよう」「受験や面接で力を発揮できないのでは」と少し心配になることがあるかもしれません。

 

そこで現在、中学生以上のお子さんが小さい頃は緊張しやすかったというママたちに、小学校や中学校での様子を聞いてみました。

 

「小学校低学年頃までは、参観日もすごく緊張していて表情が硬く、作文の読み上げも声がうわずっていて。そんなに緊張しなくても大丈夫なのに…と思っていましたが、3~4年生頃から友達の影響もあってか、参観日の休み時間に大人がたくさんいてもゲラゲラ笑ったり、発表も堂々とできるようになってきました」(Sさん・中学2年生の男の子のママ)

 

「残念ながら、娘は人前が苦手でガチガチに緊張するのは中学生になっても相変わらずです。でも、中学で吹奏楽部に入り、演奏会などを経験して、緊張しながらも自分のパートはちゃんと吹いている姿を見ているので、あがり症でもいいじゃないと思っています」(Kさん・中学3年生の女の子のママ)

 

その子によって成長後の姿は色々ですが、緊張しやすい子も、逃げ出すことなく自分のやるべきことに取り組んでいるようすがうかがえますね。

緊張しやすい子に、家庭でできる対策はある?

人前に出ると緊張する、本番であがってしまう…。

 

そんなわが子を見ると歯がゆい思いをするかもしれませんが、生まれついての気質は変えようと思って変えられるものではないですよね。

 

あがり症もこの子の個性と受け入れつつ、子供自身の負担感が少し軽くなるような工夫をしていってはいかがでしょうか。

まず、実際に緊張してしまっているときに「緊張しないで!」「リラックスして」という声がけはあまり効果がないといわれます。

 

緊張したくないというのは本人が一番思っていて、それでもできないから困っているわけで、逆に意識すればするほど緊張する可能性もあります。

 

子供の気持ちを否定せず、まずは「緊張するよね~」「いまドキドキしてるよね」と共感するところからはじめましょう。

 

子供が「ああ、自分は緊張しているんだな」と客観視できてからの方が、「でもね、きっと大丈夫だよ」「他のみんなも緊張していないように見えるけど、実はドキドキだと思うよ」などの言葉が耳に入りやすくなります。

 

有名な「手のひらに、人・人・人と3回書いて飲み込む」などのおまじないを教えてあげて、一緒にやるのも良いですね。

 

また、緊張しつつも無事に発表などを終えたら、できばえなどを褒めるのも良いですが、「緊張したのにがんばって取り組んだこと」自体もしっかり褒めてあげたいですね。

 

たとえ失敗したとしても、緊張しながらも取り組んだ事実は変わらないので、褒められると次回に向けてよりポジティブな印象が残るのではないでしょうか。

おわりに

ママやパパ自身が人前に出ると緊張してしまうタイプの人であれば、お子さんの気持ちを分かってあげられると思いますが、会社のプレゼンやスピーチなども堂々とこなせるママ・パパにはいまひとつ実感できないかもしれません。

 

それでも、子供自身の感じ方を尊重しつつ小さな成長を喜んでいければ、きっと緊張しつつも少しずつできることが増えていくはずです。

文/高谷みえこ