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赤ちゃんも生後2か月を過ぎる頃からは、お腹が空いたのか、おむつが気持ち悪いのか、暑さ寒さが不快なのか、泣き方でだんだん分かってきます。でも、生後1か月~2か月頃までの新生児は何が原因で泣いているのか分からないこともしばしば。おむつも替えて、授乳をして、部屋も適温に保っているはずなのに、少しウトウトしたと思ったらまた泣き出す。抱っこをしてもいつまでも泣き止まないことがあります。連日、夜泣きが続くと、ママだって泣きたくなってしまいますよね。この記事では、新生児の寝ぐずりの意外な原因と対処法を探っていきます。

目次

新生児の「寝ぐずり」3つの原因と対策

原因その1:お腹の中と周りの環境が違う


ママの子宮の中は常に37.7~38度の羊水で満たされ、うっすらと外の明るさや暗さが伝わり、一日のリズムも25時間周期です。

 

それがいったん生まれてきた途端に、一日は24時間周期で日夜の温度差や明暗の差も激しく、肌着などが皮膚に触れる刺激も直接的なものに変わります。

 

生まれた瞬間に、この環境の変化に対応できる赤ちゃんはもちろん一人もいません。少しずつ外の世界に慣れていくことこそ新生児の仕事であり成長そのものです。

 

そしてこの順応のスピードには、大人と同様に個人差がありますので、すべてにおいてスムーズな子もいれば、赤ちゃんによっては、例えば温度変化だけにはなかなか対応できなくて不快感を訴える…といったことも考えられるのです。

 

この場合、お腹の中と似た環境を作ってあげることで、赤ちゃんが少し安心して眠れるようになることもあるようです。

 

先輩ママから「効果があった」という声が多いのは、「ママの心音に近い、カシャカシャと音の鳴るビニール袋などの音を聞かせる」「ドライヤーの音」「ママのお腹の上に寝かせて子守唄を歌う」など音に関するものでした。

 

また、「おくるみで手足があまり動き回らないように優しくくるむ」などの方法も、お腹の中の体勢と近くなって寝ぐずりが改善したというママが多かったですよ。

 

原因その2:聴覚や皮膚の感覚が鋭い


赤ちゃんの眼の、モノの形を識別する細胞は、生後2か月ほどでやっと完成するため、新生児は周囲がぼんやりとしか見えていないと言われています。対して、聴覚はお腹の中で妊娠8か月頃から発達しており、新生児でもかなり周囲の音は聞こえています。

 

特に一人目育児では、赤ちゃんが眠った時にママが静かに家事をしようとして「コトリ」と音を立てた瞬間、その音に反応して泣き出しちゃった!という経験は、誰にでもあるのではないでしょうか?

 

小学校入学頃までのお子さんを持つママから、「うちの子、音に敏感なんです」という話を聞くことがときどきあります。他の子とくらべ、ドアがバタンと閉まる音にものすごく驚いたり、打ち上げ花火を見に行ったのにずっと手で耳をふさいで怖がっていたりなど。

 

これらは性格的なものもありますが、体質的に音に対して敏感であることも考えられます。乳幼児検診では「ちゃんと聞こえているか」はチェックしますが、「聞こえすぎる」「音に敏感」といった検査項目はありません。日常接しているママの感覚で推察することしかできませんが、こういうタイプのお子さんだと、新生児期にも、大人が気付かないような音に反応して寝入りが妨げられてしまい、度々泣くという可能性はあります。

 

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また、温度や湿度を感じる皮膚の感覚にも個人差があるので、とても敏感なタイプの赤ちゃんだと、わずかな暑さ寒さ・ジメジメ・空気の乾燥などで刺激や不快感を感じて眠りにくい可能性もあります。梅雨時期の低気圧や、台風接近時の急な気圧の変化も、大人と比べると敏感に感じ取っているのかもしれません。

 

ママは「育てにくい」と感じるかもしれませんが、敏感さが個性の範囲内であれば無理に変えることはできないでしょう。可能な限り環境を整えてあげる一方で、「こういう子なんだわ」と割り切って、自分を追い込まないようにつきあってあげてくださいね。

 

原因その3:眠るのが上手な子もそうでない子もいる


人は眠っている時、ただ疲れを回復するためだけにすべての機能を休ませているのではなく、摂取した栄養から新しい組織を作ったり、細胞が受けたダメージを修復したり、侵入した病原菌を退治したり、記憶を整理したり…と、たくさんの仕事を行っています。

 

高齢になってくると眠りが浅く、若い頃のように昼までぐっすり眠っていられないのを「眠るにも体力がいる」などと表現することがありますよね。

 

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また、起きている時は自律神経のうち「交感神経」が優位になっていて、食べる・動く・考えるなどの活動ができますが、眠っている時には「副交感神経」が優位に切り替わることで、上のような新陳代謝や体の修復などがさかんに行われます。

 

大人でも、ストレスやブルーライトの浴びすぎなどが原因で、この自律神経の切り替えがうまくできなくなることがあり、不眠の一因になっているとも言われています。

 

新生児も、自律神経の切り替えが完全に発達していないために、眠いはずなのに眠りに入れない…という状態で寝ぐずりが続いている可能性も。

「ひどい寝ぐずり」まとめ


実は、新生児の寝ぐずりに関しては、現在まだ解明されていない部分が多いと言われています。

 

新生児でも、たとえば、明らかにミルクがたりていないのであれば、口をパクパクさせたりママの腕などに吸いつく動きをして、ミルクを飲んだら眠る…などの様子から判断しやすいのですが、「寝ぐずり」に関してははっきりした原因を知る方法はないというのが現状。

 

激しく泣くなど、病気の可能性がある時は受診が必要ですが、ほとんどの場合、成長とともに赤ちゃんも眠りにつくのが上手になってきます。

 

一度きりのかわいい新生児期、「どうして?」と悩みすぎず成長のひとつの過程と思って、パパにも協力してもらいながら子育てを乗りきりたいですね。

 

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文/高谷みえこ