「洗濯ものがなかなか乾かない」「衣類から生乾き臭がする」── 梅雨時の洗濯を憂うつにする“部屋干し”の悩み。しかも、一度ニオイが発生すると再び洗濯しない限り消えないというから、なかなか厄介です。
そんな梅雨時の洗濯の悩みを解決すべく、ランドリーメーカー「フレディ レック」の鈴木新さんが、部屋干しを成功させるコツをアドバイス。今回は「干し方のコツ」について教えてもらいました。
干す前に「振りさばく」ことで洗濯ものが乾きやすく
── 部屋干しの失敗を防ぐには、「温度」「湿度」「風」の3つの環境を整えることが大事だと伺いました。では、洗濯ものの「干し方」で大事なコツはなんでしょうか。
鈴木さん:
まず、干す前の段階で、洗濯ものをしっかりと“振りさばく”ことです。この動作によって、衣服の生地の繊維が立って空気が通りやすくなり、乾きやすくなるんですよ。
── そうなのですね。干す前に洗濯ものをパンパンと振るのは、てっきりシワになるのを防ぐためだと思っていました。
鈴木さん:
もちろん服のシワを防ぐ効果もありますし、例えばタオルならパイル地を振りさばいて立ち起こしておくことで、乾いたときにふんわりと仕上がりますよ。
また、空気の通りを良くするには、“洗濯もの同士の間隔”にも気を配りましょう。目安は「こぶし1個分」。ピンチハンガーでとめる場合も、びっしりとすきまなく干すのは避けてください。衣類同士の間隔が広いほど乾きやすくなるので、干す場所や洗濯ものの量によって調整します。
洗濯ものを干すときの“並べ方”にもコツがあります。ハンガーラックやピンチハンガーを使う場合は、「アーチ型」を意識しましょう。
外側にパンツやワンピースなどの長さのあるもの、真ん中に行くにしたがって、ハンドタオルや靴下など短めのものを並べることで、空気の通りがよくなります。外側のほうが風通しが良いので、厚みのある衣服は端っこに干すといいですよ。
「洗濯ものを裏返して洗ったほうがいい」意外な理由
── 「振りさばいてから、アーチ型に干す」がポイントですね。ほかに、気をつけることはありますか?
鈴木さん:
基本的に、洋服は裏返してから洗って、そのままの状態で干すのがベストです。例えば、下着や靴下などは、たいていの場合は、体に触れている内側のほうが皮脂汚れや汗染みなどで汚れています。特に足の裏は、体のなかでいちばん汗をかく部分です。
汚れが落ちきっていないと、モラクセラ菌が大量に繁殖してニオイが発生する原因になるので、できる限り裏返した状態で洗濯することをおすすめします。
── 洗うときに靴下や下着を裏返すのはわかるのですが、他の衣類もそうしたほうがいいのはなぜでしょう?
鈴木さん:
基本的に、肌に触れるものはすべて裏返して洗って、そのまま干すほうがいいですね。汚れ落ちの点だけでなく、衣服をダメージから守る役割もあるんです。例えば、衣類にプリントや刺しゅうなどがある場合、洗濯時の摩擦ではがれやすくなるのを防げますし、外干しにする場合も、衣類を色あせから守れます。
── ほんのひと手間かけることで、その後の面倒くささが解消されるのですね。家族にも「洗濯ものは裏返して出してね」と伝えておくといいですね。また、部屋干しでよくある悩みが、ポケットや袖、フードの部分だけが生乾き状態になってしまうこと。どんな対策をすればいいでしょうか?
鈴木さん:
ポケットは、引っ張り出して干すのが基本です。フードや袖など、厚みがあって乾きづらい箇所は、ハンガーを「W使い」するのがおすすめです。片方のハンガーに洋服を干し、もうひとつのハンガーにフードと袖の部分をひっかけて、連携させる形で使いましょう。
どうしても洗濯ものの水分が下側に溜まってしまうので、袖やフードなど厚みのある部分は上に向けておく。重みで洋服が伸びることも防げます。
── 今日着たい服が乾いていない!というときに、応急処置としてドライヤーやアイロンを使って乾かすのは“アリ”ですか?
鈴木さん:
衣類がぬれている状態で高温のアイロンを当てると、素材によっては、縮んだり、変色するなどダメージを受ける場合もありますので、注意が必要です。基本的に、綿素材であればそこまで神経質になる必要はありませんが、あまりおすすめはしません。
ドライヤーは靴や長靴などを1〜2足乾かすにはいいと思いますが、たくさんの洋服には少々パワー不足。それよりも、エアコンの暖房や電気ストーブを使うほうが効率がいいと思います。
PROFILE 鈴木 新さん
取材・文/西尾英子 撮影/北原千恵美