2歳半の娘がいる会社員のまいかさん(33歳)は大のゲーム好き。現在、推しているのはアプリゲーム「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」の登場人物のひとり“丸山彩”です。キャラクターの成長を応援し、声優によるリアルライブにも参加。推し活のために、さまざまなことを頑張る自分が好きだと思えるそうです。
ゲームのキャラクターが成長する姿に共感
まいかさんが「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」を始めたのは、ゲーム好きの友人たちとの共通の話題を増やすためでした。
「バンドリ!」のあらすじは、個性的な複数のガールズバンドのメンバーたちが、ライブを開催するため努力するというもの。
「ゲームのストーリーがしっかりしていて、登場人物が成長する過程に共感しました。キャラクターもそれぞれ個性的で魅力的。
どのバンドもカラーが違い、音楽のクオリティも高いです。実際にライブを楽しんでいる感覚になれ、キラキラとした世界にひたれます。
私にとってゲーム内のキャラクターを推すのは、アイドルや芸能人を応援するのと同じ感覚です」
ストーリーが進むにつれ、キャラクターたちはライブ開催に向けて友情を深め、精神的にも成長し、魅力が増していきます。
「私が推している丸山彩ちゃんは、複数あるバンドのなかのひとつ、芸能事務所発のアイドルバンドのボーカルです。
あまり要領がいいタイプではないのですが、夢にむかってひたむきに前に進む姿がまぶしくて。気づいたら大好きになっていました」
推し友とは子ども服のお下がりをもらう仲に
推しの情報は、主にSNS、とくにTwitterで得ることが多いそう。産後、復職してからは忙しく、情報を追いきれなくなったため、友人や妹が気を利かせてLINEで教えてくれます。
Twitter上では同じ趣味の人とフォローし合い、情報交換するうちに親しくなることも。
「その人の投稿を見て、何度もやり取りをしていると、人柄はもちろん、推しに対する思いなどがわかってきます。
自分とタイプが似ているとか、仲良くなれそうというのも伝わるんです。だから、SNSをきっかけに気の合う友人も増えました」
推し活がきっかけで知り合った友人とは、プライベートな話もするそう。
妊娠したときは推し友の先輩ママからおさがりの洋服をもらうなど、地域や職場の友人とそれほど変わらない付き合い方をしています。
いつの間にか夫も推しのファンになっていた!
まいかさんの主な推し活は、アプリゲームを楽しむことです。他にも、公演数はそれほど多くないものの、ゲーム内のボイスを担当する声優が出演する「バンドリ!」のライブに足を運ぶときも。
「ライブの魅力は、ゲームの世界をリアルでも楽しめるところです。丸山彩ちゃんのボイスを担当している前島亜美さんは、元アイドル。ライブのときは丸山彩ちゃんの衣装を着てくれます。
それが本当に再現度が高くて可愛い。丸山彩ちゃんが実在していたらこんな感じだろうなと思えます。“前島さん、素敵な姿を見せてくれてありがとう”と拝みたくなるほどです」
自宅では娘とライブの映像を観ながら一緒に踊ることも。いつの間にか夫も一緒に観るようになり、前島亜美さんのTwitterをフォローしている様子。
夫はまいかさんが産後「バンドリ!」のライブに行く間は娘の面倒を見てくれるなど協力的です。
「娘も2歳になる前には“ママのオシ”という言葉をしゃべるように。ゲーム内のお気に入りのキャラクターを観て喜ぶなど、2歳にしてすでに推し活をしている気が…。
わが家は、生活のなかに推し活が溶けこんでいます。娘が大きくなったら、一緒にライブに行けたらいいなと思っています」
“推しの世界”を知ってわが子の大切さにも気づく
もともと何かに夢中になると、のめりこむタイプのまいかさん。好きなものがあると、嫌なことがあっても気にならなくなります。
「キラキラした推しの存在を思い浮かべると、たいていのことは許せて、人に寛容になれます。推しに恥ずかしくない自分になるために、おしゃれも手を抜きません。
推し活をするためにはお金も必要なので、仕事もやる気が出ますね。推しを原動力にして、いろいろ頑張っている自分がけっこう好きです」
推し活をする人のなかには、運営の方針が自分のイメージと異なると、クレームをつける人もいるようです。
でも、まいかさんは基本的に推しのすべてが好きになる全肯定タイプ。 “配信されて尊い” “生まれてくれて(存在してくれて)ありがとう”と、推しがこの世にいるだけで感謝したくなるそう。
この推し全肯定の精神は、育児にも生かされています。
「“私の最推し(いちばん大好きな、大本命の推しのこと)は娘”と思うと、育児も推し活の一環だと感じられ、大変なことも乗り越えられます。
最推しの行動はすべてが尊く思え、ずっと見ていられるというか…。イヤイヤ期でさえ、“こんなに成長した!”と、可愛く思えます。
むしろ、娘が何をしても許してしまいそうになり、“危ないことをしたら止めないと”、と思い、甘やかすだけでなく頑張って叱っています。
たまに疲れているとき、娘に直接“ほめて~”とか“ナデナデして~”とお願いします。優しくされると、“やったー!最推しから直接ファンサービスしてもらえた!”と、楽しく育児しています(笑)」
文/齋田多恵 写真提供/まいかさん
※上記は、まいかさん個人の経験談・感想です。