礼真琴さんの写真グッズ
Aussie mumさんがコツコツと集めた礼真琴さんの写真の一部

会社員のAussie mumさん(43歳)の推しは、宝塚歌劇団星組の礼真琴さん。2人の娘を育てるシングルマザーで家族も宝塚好きというAussie mumさんは、スキマ時間を有効活用し、育児と仕事、推し活を両立しているそう。ふだん、どのように推し活を楽しんでいるのかを聞きました。

親子3代でヅカファンになって父親も夢中に

13歳と16歳の2人の娘がいるAussie mumさん。推しの礼真琴さんの公演には、ほとんど足を運びます。

 

「いまは子どもたちも成長したので、わりと自由にしています。ただ幼い頃は、母に子どもを預けて公演に行っていました。

 

母がもともと大の宝塚ファンなので理解がありました。私か母のどちらかが子どもの面倒を見るため、観劇日が被らないように日程の相談も。

 

ときには地方公演や、宝塚歌劇団の本拠地である兵庫県の宝塚大劇場まで遠征に行くこともあります」

 

母親はもちろん、最近では13歳になる次女も母の影響を受けて宝塚ファンに。昨年退団された月組の颯希有翔さん推しで、一緒に観劇することもあります。

 

「次女は、宝塚の演目に多いフランス革命期について、とてもくわしくなりました。

 

父も年に23回は観劇します。最近の演目では壬生義士伝今夜、ロマンス劇場でなどは、父みずから行きたいと言い出し、一緒に観劇しました」

 

一方で、長女は小さいころは一緒に観劇したものの、最近はまったく興味を示しません。

 

「私と母、次女で宝塚の話をしているとまた宝塚?と嫌がります。次女と同じ環境で育ったのに、関心を持つかはその子次第なんだろうなと思います」

公演中は通勤時間も昼休みもムダにはできない

1か月以上にわたる公演期間中は何度も観劇するので、ふだん以上に大忙し。スキマ時間も活用し、仕事に子育て、推し活の両立に奮闘します。

 

「推し活で大事なのが、推しへのお手紙を書くこと。タカラジェンヌの楽屋入りや帰宅を待つ入出待ちのときに、ファンレターを渡すんです。

 

インターネットが発達した今でも、公演で素敵だったところなどを手書きにすると、気持ちが伝わる気がします。そのため、お手紙を書く時間は昼休みに確保。

 

子どものこともおろそかにしないようにしています。連絡事項や行事を見落とさないために、通勤時間中に学校からの手紙に目を通します」

 

平日観劇するときは仕事が終わったら、大急ぎで劇場へ直行。18時半からの公演を観劇したあとは出待ちします。

 

23時過ぎに出待ちを終え、自宅に着くのは深夜0時前。それから洗濯などの家事をこなします。

ファンクラブうちわ
うちわがドレスコードだったときのファンミ―ティング用に作成したうちわ

「土日に観劇する際は、早朝に推しの入り待ちをしたらいったん帰宅。家事をこなして、ふたたび劇場に行きます。公演中は睡眠時間を削っています(笑)」

 

地方や宝塚大劇場に遠征する場合は、さらに目まぐるしいスケジュールに。

 

「遠征するのは基本的に週末です。土曜日の始発の飛行機で出発し、劇場に直行して入り待ちへ。土日とも観劇したあと、日曜日の夜に出待ちしてから東京に帰ります。

 

場合によっては、私設ファンクラブ主催の推しに直接会えるお茶会にも参加。お茶会は日曜日の夜に開催されることが多く、現地にもう一泊する場合も。

 

そうなると月曜日の朝に始発の新幹線で東京に戻り、そのまま職場に直行したときもありました」

 

熱心に推し活をしているAussie mumさん。育児と仕事の両立に慌ただしいですが、子どもたちの学校のPTA役員になった年はとくに大変だったそう。

 

「観劇日とPTA活動のやりくりで、スケジュール帳は予定で埋め尽くされて真っ黒でした。

 

昨年は、なんと長女の父母会の学年代表に!でも、コロナで父母会活動が中止になることが多く、正直なところ、ありがたかったです」

推しが退団する日まで応援し続けたい

タカラジェンヌの成長を見守れるのも、宝塚の醍醐味のひとつ。若手の頃からトップスターになるまで礼さんを応援してきたAussie mumさんは、公演ごとに推しの変化に気づきます。

 

「若手の頃から実力があって、なんでもできる方でした。経験を重ねるごとに顔も身体も引き締まり、男役らしくなっていくのがわかるんです。

 

ちょっとしたしぐさにも色気が増して、どんどん魅力的になる過程を見られるのはうれしいです」

 

宝塚はトップスターを頂点にしたピラミッド型の序列があり、タカラジェンヌたちも年次が上がるにつれ、立ち位置も変わってきます。

 

礼さんがトップスターのひとつ下の“2番手スターになったとき、Aussie mumさんは、ずっとこのままでいてほしいと思ったそうです。

 

「いずれトップに立つだろうと早い段階から言われていた礼さんですが、宝塚ではトップスターになると、25年後には退団することがほぼ決まっています。

 

2番手だと退団のことも考える必要もなく、楽しく応援できます。主役だけをはるトップスターと違って、2番手は悪役や友人役など、さまざまな役を演じるためいろんな表情も見られます。出番も多く、推しを満喫できるんです」

 

2019年にトップスターに就任した際は、ついにこのときが来たなと気持ちが引き締まる思いでした。喜びと同時に、さみしさや心配も

 

「実力は申し分ないので、素晴らしいトップスターになるのはわかっていました。でも、つい初々しかった時代を思い出してしまう。

 

もう立派な存在なのに、つい心配してしまう親心みたいな感覚でしょうか。

 

2、3番手の頃はファンとの距離が近かったのに遠い存在になった気がして、さみしさはあります。もちろん、礼さんが舞台の中心で主役を演じる姿を観るのは最高にうれしいし、楽しみです」

 

礼さんが退団することを考えると、悲しくて眠れなくなるとAussie mumさん。先のことは考えず、公演を楽しみにする毎日です。

 

2024年に宝塚は110周年を迎えます。それまではトップスターでいてくれるはずと信じています。礼さんが舞台で輝き続ける限り、ずっと応援したいですね」

文/齋田多恵 写真提供/Aussie mumさん
※上記は、Aussie mumさん個人の経験談・感想です。