毎年5月の第2日曜は母の日。

 

お子さんのいる人は、保育園などで手作りしたカードや工作のカーネーションをプレゼントしてもらっているかもしれませんね。

 

また自身やパートナーのお母さんに母の日のお花やプレゼントを贈っている人も多いかと思います。

 

そして中には、そのやりとりを負担・苦痛に感じている人や、やめたいと思いながらも続けている人、思いきってやめた人もいるのではないでしょうか?

 

そこで今回は、母の日のプレゼントについてアンケートを実施。体験談を聞かせてもらいました。

実母や義理母へ、母の日のプレゼント贈ってる?

今回は、インターネット上で、夫婦いずれか、または両方の母親が健在という男女100人にアンケートを実施。

 

まずは実家の母親やパートナーの配偶者に母の日のプレゼントを贈っているかどうかを聞いてみました。

 

Q:実家や義理の実家へ、母の日のプレゼントなどを贈っていますか?

 

  • 贈っている…68%
  • 贈っていない…30%
  • その他(年によって異なる)…2%

 

その結果、3人に1人が母の日に特に何もしてないということが分かりました。

贈っている人の中にもやめたい人がいる

次に、毎年何らかのプレゼントをしている人たちに本音を聞かせてもらいました。

 

Q:母の日のプレゼントの心境はどれに近いですか?

 

  • 心から日頃の感謝を込めて贈っている…79%
  • それなりに感謝して贈っている…13%
  • あまり気は進まないがやめるきっかけがないので贈っている…5%
  • 苦痛や負担を感じながら仕方なく贈っている…3%

 

ほとんどの人は日頃の感謝の気持ちの表れとしてプレゼントを贈っているようですが、本当はやめたいのに仕方なく…という人も一定数いることが分かりました。

その人たちに事情を聞かせてもらったところ、理由は次のようなものでした。

 

「義理の母に最初の頃は帽子やバッグなど色々選んでいたんですが、ある年に引っ越しの手伝いをすることになり、片付けていたら押し入れに私の選んだプレゼントが全部タグも取らずに押し込まれていたのを見つけてしまい…その後はお金を渡すことにしています。離れて住んでいるので一応挨拶代わりに贈りますが、感謝の心があるかというと…できればやめたいですね」(Nさん・団体職員)

 

「実家の母には、私の体調が悪く夫が仕事を休めないとき子供の面倒と家事をしに3時間かけて来てもらったりと世話になっています。母の日はぜひとも感謝の気持ちを贈りたいんですよ。でも夫の母は助けてくれるどころか、義理の妹が家を新築して物入りだからと同い年の孫なのにお年玉に何倍も差をつけたり、うちの子の欠点は私の育て方のせいだとか、感謝したいような言動が少なく…けど、うちの母だけに贈るのはやはり気が引けるので、母の日は仕方なく両方に贈っている状況です」(Yさん・育休中)

 

「夫は自営業なのですがコロナの影響で仕事が減り、私も2人目妊娠中で働けないので正直すごく生活が苦しいんです。でも義母の中では以前夫がもっと稼いでいた頃のままで、外食もこちらが全額、ちょっとした家具や家電を買うのに付き合えば当然買ってもらえるものと思っていて。食事などはまだしも、いまの家計でお花やバッグなどのある意味贅沢品は勘弁してほしいというのが本音です」(Uさん・専業主婦)

 

普段から温かい交流がなかったり、金銭的に頼られてばかりだったりすると「母の愛に感謝の気持ちを伝える」という母の日の意義が見いだせないのかもしれませんね。

母の日やめた人に、理由とやめ方を聞いてみた

一方、実母や義理の母親が健在にもかかわらず母の日は何もしていない……という30%の人に、いきさつやどうやってやめたのかを聞いてみました。

 

「義母とは趣味も世代も違うし、喜ばれるものなんてそうそう選べないですよね。食べ物もけっこう好みがうるさいし、血圧とか糖とかよく言うし、お花も世話が面倒らしいので、文句を言われてまで贈り続けるのも違うなぁと思い、夫から、ややこしいから今年で最後にしようと言ってもらいました」(Aさん・飲食店パート)

 

「義父は父の日や敬老の日などプレゼントをいつもうれしそうに受け取ってくれていたのですが、義母はふん、みたいな返事ばかりでお礼もなく。義父が亡くなり数年経った頃、なんだか急に馬鹿馬鹿しくなって、何も言わずに母の日をやめました。向こうはどう思っているのか分かりませんが…」(Jさん・工場勤務)

 

義母への母の日のプレゼントをやめた人の理由でもっとも多かったのは「喜ばれないから」でした。

 

やめ方としては、「夫から伝えてもらう」と並んで、義母・実母ともに「何も言わずにある年から急にやめた」という人が半数近くいたのが印象的でした。

 

「結婚したときから、母の日は夫婦それぞれ自分の母親に自分の責任で贈ることにしていました。私は今でも母の好きな紅茶とお菓子を贈っていますが、夫は何年目かで忘れたのを境にやめてしまったみたい。でも余計な口は出さないようにしています」(Hさん・教育関係)

 

また、はじめから母の日は何もしなかったという人も。

 

「実は結婚式がゴールデンウイーク中で、引っ越しのバタバタなどで母の日がいつの間にか過ぎてしまい…結婚後はそのまま一度もやらずに現在に至ります」(Rさん・介護施設勤務)

 

「実母はいわゆる毒親でした。きげんが悪いと突然机の上の食事や宿題が飛んでいくのはしょっちゅう。それでも小学校の時に、テレビみたいな母の日をしたくてお年玉を残しておいてカーネーションを買ったのですが、テレビのお母さんみたいに笑顔で喜んではもらえず……翌日、台所のテーブルの下に落ちてつぶれている花を見て悲しくなったのが思い出です。結婚後、自分からは連絡していなかったのですが、孫が生まれたことだけは知らせたら、時々連絡がくるようになりました。今は比較的落ち着いて会話できていますが、母の日にお花やプレゼントはこれからも贈りたくありません」(Rさん・保育士)

おわりに

今回は、アンケート対象100人のうち、約3人に1人が母の日には何もしていないという結果になりました。

 

これを多いとみるか少ないとみるかは人それぞれですが、もし今、「他の人はみんなちゃんとやってるのに…」と、母の日をやめたいという思いや、やめたことに対し罪悪感を抱いている人がいたとしたら、少しだけ肩の荷が下りたかもしれません。

 

母の日は感謝の言葉を伝えるのに良い機会ではありますが、事情や思いは人それぞれ。

 

義務感や形式でなく、素直に感謝を伝えたいと思った時に伝えられればそれで良いのではないでしょうか。

文/高谷みえこ
アンケート時期/2022年4月 アンケート方法/インターネット アンケート対象/20代~50代の男女100名