今年も新学期がやってきました。入学・進級のこの時期、親にとってのひと仕事といえるのが「家庭調査票」「個人調査票」などと名づけられた書類の記入ではないでしょうか。
なかでも、家族構成などを伝えるために名前や年齢を書く欄でよく「どう書けばいいの?」と迷ってしまうのが「続柄」。
今回は、園や学校提出書類での続柄の正しい書き方を解説、よくある疑問にもお答えします。
知ってた?「続柄」の読み方は「ぞくがら」でいいのか
ところで皆さんは「続柄」をどう読んでいますか?
正しくは「つづきがら」と読みますが、「ぞくがら」と読んでいる人も多いのではないでしょうか?
それもそのはず、一説によると今では9割の人が「ぞくがら」のほうで読んでいるとか。
こういった、本来は間違っているもののあまりにも多くの人がその読み方や使い方をするような読み方は、時とともに「慣用読み」(俗な読み方)として認められることがあります。
- 出生…本来は「しゅっしょう」、慣用読みは「しゅっせい」
- 早急…本来は「そうきゅう」、慣用読みは「さっきゅう」
- 固執…本来は「こしゅう」、慣用読みは「こしつ」
- 重複…本来は「ちょうふく」、慣用読みは「じゅうふく」 など
つまり、最近では「つづきがら」「ぞくがら」どちらでも一応間違いではない、ということになります。
「個人調査票」などの書類、続柄はどう書けばいい?
「続柄」とは「本人と家族親族がどのような関係性なのか」を表すものです。
勤務先や役所関係の手続き書類でもよく目にしますよね。
続柄は基本的にその書類の当事者・本人から見た関係を書くので、夫婦+子供の世帯でパパが世帯主の場合、住民票の交付のときにはパパの続柄を「世帯主(本人)」、ママを「妻」、子供を「子」と書きます。
ママが世帯主であればパパの続柄が「夫」で、子供は同じく「子」です。
そして、園や学校に出す書類は子供が主体になるため、家族の氏名横の「続柄」欄には、「父」「母」「姉」「弟」「祖母」のように、子供本人からみた関係を記入します。
子供自身の名前の横にも続柄がある場合は「本人」と書きます。
園や学校側で「記入例」を用意してくれていることも多いので、それを見ればほぼ間違うことはないかと思いますし、または記入欄のすみに小さい字で「児童との関係」「子供からみて」などと入っていることも。
そういう場合はわかりやすいのですが、何も書かれてないときも、基本的には子供から見た関係を書くようにして下さいね。
書き方がややこしい!こんなときどうする
園や学校に提出する書類は、独自のフォーマット(書式)で長年使われているものもあり、「ん?どう書けばいいの?」とスマホなどで調べてもよく分からないことも多いようです。
Rさん(2年生と2歳児のママ)は、小学校入学時の調査票を書いていてこんなことで困ったそう。
「学校でケガしたときなどの緊急連絡先として1番目・2番目・3番目の氏名と電話番号を書きました。1番目が私で2番目が夫、3番目が隣町に住む私の実家の母なのですが、その横に“保護者との続柄”とあるんですよ。保護者と連絡対象の続柄であれば、私と夫が”本人”で、実家の母は”母”なのですが、そうじゃない気がして…ということは、”連絡対象者と児童の関係”ってことかな?と。それなら夫と私からは”子”または”長男”ですよね。母からは”孫”になるのか…でもおばあちゃんは保護者に当たるのか?知人とかの可能性もあるよね?などかなり迷いました」
仲の良いママ友もたまたま第一子だったため相談してもはっきり分からず、迷ったものの、後者(長男/孫)で書いて出したそうですが、特に訂正はされなかったとのこと。
「後日の参観のときにでも聞けば良かったですが、喉元過ぎると忘れてしまって(笑)。数年後には下の子が入学するのですが、その時もまたどう書くの?って迷っていそうです」
インターネット上で提出書類と記入例を公開している自治体や学校があるので筆者が何件か確認してみたところ、上記のような場合はおおむね「緊急連絡対象の人と、児童との関係」を書くもののようです。
つまりRさんの書いた「父・母・祖母」で正しいということになりますね。
ただ学校独自の書式の場合は必ずしも上記だけが正しいとは限りません。
学校に電話で問い合わせれば確実ですが、年度始めの忙しい時期に電話するのも気が引ける…という場合は、上のお子さんがいるママ友に聞いてみる、ひとまず鉛筆などで書いて訂正可能な状態で提出するなどの方法をとっている人もいましたので、参考にしてみて下さいね。
続柄の正しい書き方 まとめ
今回は、この時期よく目にする「続柄」について、正しい書き方や使い方を解説しました。
保育園・幼稚園・小学校などに提出する書類の「続柄」はもちろん正しいにこしたことはありませんが、仮に間違ってしまっても大きなトラブルにつながることは少ないと思われます。
ただし、緊急連絡先の電話番号などについては間違いがないよう、提出前には十分確認するようにしたいですね。
文/高谷みえこ