紫外線が強くなるシーズンに欠かせないUVケアやシミ対策。いろいろな噂がとびかうなかで、この方法、本当にあっている?と不安に思うこともあります。今さら聞けない紫外線ケアについての疑問を、美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋雅美先生に伺いました。

覚えておきたい日焼け・シミ対策11選

Q1.室内にいれば日焼けケアは必要ないですよね?

山屋先生:

室内でもカーテンや窓を通して紫外線がしっかりと入ってきます。室内にいるからと安心しないで、スキンケアの最後に日焼け止めをしっかり塗りましょう。日焼け止めを塗るところまでがスキンケア、という意識を持つと良いと思います。メイクはしないほうが肌には良いです。

Q2.日焼けは肌の老化と関係がありますか?

山屋先生:

紫外線を浴びると、肌表面だけではなく、肌の深いところもダメージを受けてしまい、シミだけでなくシワやたるみが引き起こされます。

 

紫外線が肌のコラーゲンを破壊し、最初の段階はシワになります。それが悪化すると肌を支えているコラーゲンが減って、たるみが起きます。肌の老化の原因は、8割が紫外線ダメージによるものなのです。

Q3.スマホのブルーライトでも日焼けはしますか?

山屋先生:

ブルーライトで、肌が日焼けするかは医学的にはっきりとわかっていません。しかし、光による肌ストレスがあるのではと言われています。肌ストレスを受けると荒れや老化に結びつきます。スマートフォンの画面にブルーライトカット効果のあるシートを貼るなど、肌のためには、ブルーライトも極力防ぐのがいいでしょう。

Q4.目からも日焼けするって本当ですか?

山屋先生:

目に紫外線が入ると、脳が紫外線から肌を守ろうとして、メラニンが活性化します。メラニンが過剰に生成されて蓄積されたものがシミです。夏場に長時間外で過ごすときには、UVカット効果のあるサングラスをするのがおすすめです。目からの紫外線ダメージを受けないように気をつけましょう。

Q5.日焼け止めは唇に塗らなくてもいいのですか?

山屋先生:

唇が特にくすみやすい人は、UV効果のあるリップクリームを使ったほうがいいですね。

 

唇は医学上は粘膜なので、ターンオーバーが早く、メラニンが残りにくい部分です。ただ、、ターンオーバーが遅くなっている人や炎症を起こしやすい人はメラニンが残りやすいので、しっかり紫外線を予防をしましょう。

 

こまめに塗り直し過ぎると逆に唇を乾燥させたり刺激になるので、2時間おきに塗り直すので十分です。

Q6.日焼け止めは常にSPFが高いものを使うべきですか

山屋先生:

紫外線の防止効果を示すSPF 値が高い日焼け止めは、肌負担になることあります。

 

春夏〜10月くらいまではSPFが高い日焼け止めを使いましょう。秋から冬はSPFが低い日焼け止めでも大丈夫ですSPFの数値はUVカット効果がどれくらい長く続くかという数値なので、SPF値が弱いものはこまめに塗り直すことが大切です。肌に深く入ってくる紫外線を防ぐ値を示したPA値も春夏は高いものをおすすめします。

Q7.日焼け止めはたっぷり使うべきですか?

山屋先生:

日焼け止めは、顔全体に隙間なく塗ることが大事です。少量を肌にのせて伸ばしていくことを23回繰り返すと、ムラなく塗ることができます。

 

塗り忘れやすい目のキワ、生え際、顎の裏もしっかり塗りましょう。顎の裏は地面の照り返しで意外と日焼けするので要注意です。さらに、首も日焼けしやすいので、日焼け止めは、顔のついでに首まで伸ばしましょう。

Q8.日焼け止めだけならクレンジングはしなくてもいいですか?

山屋先生:

日焼け止めは、落ちにくいようにできているので、1日の終わりにはきちんとクレンジングをしたほうがよいです。日焼け止めを落とさずにいると、毛穴の汚れの原因になります。

 

また、肌表面に汚れがついていることによって、酸化して、くすみやニキビ、肌荒れの原因にもなります。

Q9.昔の日焼けがシミになって出てくるって本当ですか?

山屋先生:

年齢とともに出てくるシミは、若いときの日焼けが原因です。肌の代謝能力が高い方は、代謝でメラニンが肌の外に出ていくのでシミになりにくいのですが、代謝が悪くなりメラニンが蓄積されていくと、シミとして肌表面に出てきます。メラニンは肌に溜めずに代謝させていくことが大切です。

 

すでに日焼けしてしまった過去は消すことはできませんので、できてしまったシミやたるみはクリニックで相談するしかありませんが、今後さらに悪化させたくなければ、今からしっかりUVケア、スキンケアを見直して頑張れば、必ず肌は応えてくれます。

Q10.日焼けをしてしまったらすぐにトーンアップ効果のある化粧品で対策すべきですか?

山屋先生:

肌が炎症しているときにトーンアップ効果のある化粧品を使うと、逆に刺激になることがあります。日焼けして赤くヒリヒリしているのは、火傷した状態。まずはしっかり冷やし保湿をして、炎症を抑えることが大切です。

 

冷たいタオルや、タオルに包んだ保冷剤を肌に当て、気持ちがいい程度に冷やしましょう。トーンアップ効果のある化粧品で対策を取るのは炎症が落ち着いてからです。

Q11.コーヒーは美肌に効果的だから、たくさん飲んだほうがいい?

山屋先生:

コーヒーに含まれるポリフェノールやクロロゲン酸は、シミをできにくくする成分です。適度な量を飲むのはよいでしょう。ただ、カフェインを摂り過ぎるのはよくないので、飲み過ぎには注意しましょう。

 

PROFILE 山屋雅美先生

山屋先生
美容皮膚科タカミクリニック 副院長。美容皮膚科医。1日100名前後の患者様が来院する「美容皮膚科タカミクリニック」にて、女性の悩みシミ、しわ、たるみなどのアンチエイジング治療から、ニキビなどの皮膚疾患、肌質改善治療まで一貫して行っている。

取材・文/伊藤恵美