最近のスマホのカメラはシャッターを押すだけでクオリティの高い写真が撮影できます。スマホは常に持ち歩いてるので、撮り逃しがない点や、すぐにSNSに投稿できる点が便利ですよね。アプリで手軽に加工できることも大きな利点です。ただし加工のしすぎには要注意。写真加工のマナーや、トレンドについて紹介します。

加工がフェイクニュースになるリスク

加工アプリは、自分なりの表現を加えられる便利なツール。撮影したスイーツに合わせて全体をピンクがかった色にしたり、反対に色味を抑えてクールにしたりなど、アプリを使えばエフェクトを選ぶだけですぐに加工できますね。

 

でも、加工のしすぎが問題になるケースもあります。昨年、ある企業アカウントが北海道の紅葉を撮影した画像をSNSに投稿しました。画像には真っ赤に紅葉した木々たちが写っていたのですが、これは加工によるものと判明。その後、企業は謝罪に追い込まれました。このように、気軽な加工がフェイクニュースになってしまう事例もあるのです。

 

個人アカウントでも、加工しすぎた風景や料理の写真を発信すると、それを信じた人にとってはフェイクニュースと同様です。SNSに映える写真を投稿したい気持ちはわかりますが、偽の情報にはならないように気をつけたいですね。

「加工しすぎ」と指摘してくれる人は少ない

自撮り写真に加工を施す人も多いでしょう。最近の自撮りアプリは、パーツごとに大きさを変えたり、位置を変えるのも簡単。豊富なメニューから自分好みの加工を選んだら、設定を保存することもできるため、「いつもの加工」がスピーディーに行えます。

 

その結果、SNSに投稿している顔はいつも同じなのに、現実の顔とは違っているという事態を招くことも。

 

容姿端麗な芸能人でも、ウエストを細く加工した写真があまりにも不自然で話題になったことがあります。自分の知り合いにも、「この人、こんなに目が大きかったっけ?」「きれいな肌だと思っていたのに実際に会ったらびっくりした」という人、いないでしょうか。

 

こういうとき、面と向かって本人に「加工しすぎ」と指摘する人は少ないもの。本人だけが加工後の写真にうっとりしているという事態になりかねません。子どもであれば「流行」や「若さ」で済むかもしれませんが、いい大人だと「痛い」と思われてしまうかも。加工する際は、周囲にどう思われているかを冷静に意識できるといいですね。

「ナチュ盛り」か「非現実的」なら痛くない

自撮りの達人といえば、やはり女子高生でしょう。女子高生は、常にスマホのカメラで写真を撮っていて加工も当たり前。しかし、最近では「盛り過ぎ」にならないように、「ナチュ盛り(ナチュラルな盛り)」ができる加工が人気になっています。女子高生に聞いてみたところ、「現実と違いすぎると恥ずかしい」というのが、その理由だそうです。

 

でも加工といえば、プリントシール機の加工もありますね。プリントシール機の加工は、現実には絶対にいない人物に加工されます。それは恥ずかしくないのかと尋ねたところ、「プリはプリとわかってるから大丈夫」とのこと。

 

「この写真は、あのプリントシール機だな」とわかるほど、プリントシール機の加工に精通していることもあり、抵抗なく受け入れられるようです。大人世代がプリントシールを撮影する機会はあまりないと思いますが、もしプリントシール機で撮った写真をSNSに投稿したら、いかにも「プリな写真」にウケてくれるかもしれません。

 

つまり、加工するならナチュラルな程度に留めておくか、いっそ「これは加工です」と開き直れる加工なら、周囲が自然に受け止めてくれる自撮りになりそうです。

最新自撮り「顔隠し」は大人も使いやすい

さらに女子高生の自撮りには、新たな流行が起きています。それは「顔隠し」です。

 

「顔隠し」とはうつむき加減や横顔、後ろ姿などを撮影した写真や、モノで顔が隠れた写真を撮影すること。自撮りに施す加工も、顔をうずまき加工やガラスのようなモザイク、かわいいスタンプなどで隠すことが流行っているのです。

 

顔を隠す理由は、写真の世界観をつくりたいため表情を見せたくない、自撮りで自分好きと思われたくないなど理由は様々なようですが、大人でも使えるテクニックですよね。子どもの入学式など、顔を出したくないけれど人物を入れた写真を投稿したい場合にも使えます。

 

加工アプリによっては「顔隠し」などのエフェクトが用意されているので、一度試してみてはいかがでしょうか。

文/鈴木朋子