初乗り切符で一日中、列車に乗れる?

「鉄道旅行」と聞くと思わずコストを考えてしまうもの。しかし、大都市近郊区間(東京、新潟、仙台、大阪、福岡)に限り、初乗り料金で鉄道旅行「初乗りJR大回り」が楽しめます。いったい、どのような「裏ワザ」でしょうか。この記事では、「初乗りJR大回り」のルールはもちろん、東京近郊区間、大阪近郊区間での「JR大回り」の楽しみ方を紹介します。

初乗り料金で楽しめる「初乗りJR大回り」のルール

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まず、今回紹介する「初乗りJR大回り」の旅は全国どこでもできる、というわけではありません。つまり、「初乗りJR大回り」はJR各社が定める大都市近郊区間で楽しめます。大都市近郊区間は以下のとおりです。なお、詳しくは時刻表をご覧ください。時刻表には地図入りで解説されています。

 

次に「初乗りJR大回り」の基本ルールを見ていきます。初乗りJR大回りの基本ルールは以下のようになっています。

 

どれも大切なルールですが、特に注意したいのが2つのルール(途中下車不可と一筆書き)です。「初乗りJR大回り」では途中下車ができないので、観光地をめぐることはできません。また「初乗りJR大回り」では一筆書きが求められます。たとえば、山手線「東京駅→有楽町駅」ですと、東京駅からうまく路線、駅が重複しないように有楽町駅に行かなくてはなりません。池袋駅を2度通り過ぎた! はNGですから、ご注意を。また「初乗りJR大回り」では定期券は使えませんが、ICカードはOKです。ルールを守って、「初乗りJR大回り」を楽しみましょう。

東京近郊区間で「初乗りJR大回り」にチャレンジしてみよう

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それでは、東京近郊区間で「初乗りJR大回り」のコースを考えてみましょう。ここでは「東京→有楽町」を例に取り上げます。

 

東京を朝の9時前に出発し、有楽町に19時前に到着するコースです。このコースのポイントは房総半島の鉄道旅行が楽しめること。きっと、太平洋の迫力ある景色が楽しめることでしょう。注意すべきポイントは大網駅で東金線に乗り換えること。通り過ぎると、蘇我駅まで行くことになり、一筆書きになりません。また、最後の日暮里→有楽町は池袋方面の電車に乗ることを忘れずに。

大阪近郊区間で「初乗りJR大回り」にチェレンジしてみよう

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次に大阪近郊区間での「初乗りJR大回り」を考えます。ここでは「新大阪→大阪」を例に取り上げます。

 

新大阪駅を朝の8時に出発し、大阪駅に19時30分に戻るコースです。このコースのポイントは関西全県を一日で周ること。そして、最高時速130キロを誇る新快速をフルに活かしています。注意点は京橋からJR東西線に乗ること。尼崎駅を利用することで、ギリギリ兵庫県に入ることができます。

「初乗りJR大回り」をする上でのワンポイントアドバイス

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このように「初乗りJR大回り」をするとローコストで鉄道旅行を楽しめます。ここで、より楽しい鉄道旅行にするためにワンポイントアドバイスを伝授しましょう。

 

始発駅は多くの路線が乗り入れるターミナル駅をおすすめします。そして、列車に乗る前にターミナル駅でお気に入りの駅弁を購入しましょう。「初乗りJR大回り」は途中下車が禁じられているため、改札を出て駅弁を購入することはできません。近年、駅ホーム内にある売店が減っているので、最悪の場合は駅弁が買えないことも!そうならないために、列車に乗る前にきちんと準備することが大切です。

 

この夏は親子で、初乗り区間の切符を持って「初乗りJR大回り」にチャレンジしてみませんか?

 

取材・文・撮影/新田浩之