入学、入社などスタートの季節である春は、新しいことを始めるのにもぴったり!そこで習い事や学びの際に知っておきたいお得な制度を、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに教えてもらいました。
オンラインレッスンなら習い事がワンコイン!?
「新しいことを始めたい!」と、春に習い事などを始める人もいるのではないでしょうか?習い事のカリキュラムは春からスタートするところが多く、入会や体験などお得なキャンペーンもこの時期に行われやすいため、タイミングとしてはおすすめです。
新型コロナウイルスの影響で、最近はオンラインレッスンも人気です。単発の受講も、継続利用もできるカフェトークなどのオンラインレッスン(や学習コース)を集約したサイトも増えました。
オンラインレッスンの良い点は、教室までの移動がないため、隙間時間に自宅で受講できるところ。通常のレッスンに比べて料金が安い場合が多く、ワンコインで受けられるものもあるようです。英会話のレッスンでは、講師が住む国の人件費によって、他よりもリーズナブルに受講できる場合もあります。
このように入会金、月謝やコースの料金を払っていた頃に比べると、習い事の選択肢の幅は広がりました。しかし通学スタイルにも、もちろんメリットはあります。
効率的に組まれたカリキュラムのもとで質の高い学びが期待でき、仲間ができれば楽しく通うこともできます。習い事の種類、目的、生活スタイルなどを考慮し、自分に合った学び方を見つけるといいでしょう。
資格取得の一部費用が支給される給付金制度
習い事のなかでも、資格取得やスキルアップにつながる場合は、実は給付金を受けられることがあります。それが教育訓練給付です。
ただすべて習い事でも対象になるわけではありません。厚生労働大臣が指定する講座を受けた場合が対象なので、習い事を検討する際には一度検索してみるといいですね。
教育訓練給付は次の3種類に分かれています。
- 一般教育訓練給付金(受講料の20%、上限を年間10万円として支給)
- 特定一般教育訓練給付金(受講料の40%、上限を年間20万円として支給)
- 専門実践教育訓練給付金(受講料の50%、上限を40万円として支給)
※専門実践教育訓練給付は就職などの要件を満たすと最大70%、最大224万円に
会社員などの雇用保険に加入している人が利用できる制度です。通常は加入してから3年以上でなければ制度を利用できませんが、初めて利用の場合は1年以上(専門実践教育訓練給付金の場合は2年以上)で使うことができます。そのため社会人2年目など、まだ働き始めて年数が短い人でも、仕事を続けながら学習することもできるのです。
この一般教育訓練給付が受けられる資格や講座 には、TOEIC、インテリアコーディネーター、簿記、情報処理関係などもあります。また専門実践教育訓練給付では看護師、保育士、歯科衛生士など、専門分野の資格を取る講座も対象になっています。受講を考えている人は、講座や学校に申し込みをする前に調べてみるといいでしょう。
子どもの塾費用をサポートする助成金も
子どもの塾や受験にかかるお金を、サポートしてくれる事業もあります。
東京都や大阪市では子どもが通う塾の費用に利用できる、助成金制度を設けています。東京都の「受験生チャレンジ支援貸付事業」は一定所得以下の世帯に、高校や大学に進学する際の塾費用や受験料の貸付を無利子で行っています。「貸付」とありますが、もし合格して入学すれば返済が免除になるのが魅力的です。
大阪市の「大阪市塾代助成事業」では、対象となるのが中学1年生〜3年生で、所得金額の合計が基準の限度額未満の家庭が対象です。
対象者は塾代助成カードの申し込みを行うと、子ども1人につき月1万円の助成金を、3年間受け取ることができます。
お住まいのエリアでも類するサポートの制度がないか、一度確認してみると学びの助けになるかもしれません。
PROFILE 風呂内亜矢さん
取材・文/酒井明子