SNSを使えば直接会わなくても遠隔で犯罪に手を下すことも可能な昨今、犯人が誰なのか割り出すことすら難しくなっています。手口が巧妙化するなかで、まず親が知っておくべきことは何でしょうか。最新のSNSが起因の犯罪事例について、元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課の警部補で、デジタル捜査班班長も務めた佐々木成三さんに伺います。

「明日犯罪に巻き込まれるかもしれない」想像力を働かせて

最近起きた下記の事件は、ニュースでも大きく取り上げられ、記憶に新しいところです。

 

  • 都内の女子高生をTwitterで知り合った男性とその妻が殺害
  • 大阪に住む小学5年生の女の子をオンラインゲームで知り合った栃木県在住の男が誘拐
  • 有名YouTuberがYouTubeで知り合った女性に裸の画像を送れと強要

 

このほか、マッチングアプリによる性犯罪被害も増加している、と佐々木さんは指摘します。

 

「被害を受けた子たちはまさか『自分が犯罪に巻き込まれる』とは想像できなかったのだと思います。被害者はみな、加害者のことを『いい人だと思った』と言うんですよ。犯罪者は『いい人』を装って近づいてくるものなんです」

 

このメタバース(仮想現実)の時代に、SNSのアカウントだけでその人が本当にいい人かはわからないもの。子どもたちにそのことを理解させる必要があるのです。

ニセの「高額現金プレゼント企画」にご用心!

最近はその騙し方も巧妙化しており、本物か偽物が見分けがつかないような事件も起こっているといいます。特に高額な「現金プレゼント企画」は注意が必要、と佐々木さんは指摘します。

 

「アンケート回答者のなかから抽選で商品券をプレゼント」といった企画は巷でも数多く実施されていますが、どう見分けたらいいのでしょうか。

 

「身元がはっきりした企業が実施し、きちんと賞金が贈られるものであれば当然問題ないのですが、犯罪者はこの手の企画を悪用します。

 

たとえば『現金20万円を10名様にプレゼント! 応募条件は私のアカウントをフォロー・リツイートすることです』とTwitter上に流す。すると『どうせ当たらないけれど指一本でチャンスがあるなら』と簡単にフォロー・リツイートする人が出てくるんです」

 

一見これだけでは犯罪は起こらないように見えますが、このツイートがどのように犯罪に繋がるのでしょうか。

 

「犯罪者はフォローやリツイートした人たちを『ラクしてお金を稼ぎたい人』『詐欺に騙されやすそうな人』『闇バイトの手伝いをしてくれそうな人』と認識し、犯罪者の“かもリスト”に登録。その後、怪しいDMを送りつけてきます」