イラストの作画を完全デジタルに移行して数年が経ちました。

 

とはいえ、いろいろなソフトをバリバリ使いこなしているというわけでもなく、タブレット端末とタッチペンを使って鉛筆と水彩絵の具ツールのみで絵を描くというシンプルな手法をとっているため、自分に必要のない技術はまったく身についていなかったりします。

完全デジタル化のせいで気づかぬうちに“奇妙な癖”が…!

そんなゆるさですから、さほどデジタルの利も享受できていないんじゃないかと思っていたのですが、時たまアナログ手法で絵を描いたりノートにメモを取ったりすると、驚くほど描きづらい。

横峰さん連載イラスト1

例えば、書き間違えたとき。

 

デジタルであれば、画面を指で軽くトントンたたけば直前の操作を取り消すことができるので、消しゴムを手に取るよりも先に、ついいつもの癖でノートやホワイトボードをコツコツたたいてしまい、何かにイラついて周囲を威嚇しているような空気が出てしまいます。

 

ちょっと文字が小さいかな、と思ったらスワイプで拡大しようとしてしまったり、色を変えたいときにスポイトツールを探してしまったり…。

 

学校の保護者会などで書記を担当したときなど、そんな奇癖を人に見られやしないかと気が気でなく、周囲をキョロキョロと見回したりして動きが完全に不審な人でした。

 

享受できていないどころか、完全にデジタルの利に溺れていましたね。

 

これ、タブレット端末で描きものをする人あるあるなので、手もとを観察してみると面白いですよ。上級者になると、その人がどんなアプリを使っているかもわかります。 

横峰さん連載イラスト2
文・イラスト/横峰沙弥香