夜、子供に夕食を食べさせてお風呂に入れて寝かしつけたら自分も思わず寝落ち。パートナーと話す暇もなく朝がきて、バタバタと出勤する毎日。

 

気づけば今週、1回も夫婦の会話がないかも…。

 

そんな「会話なし夫婦」の今後が心配という声をときどき耳にします。

 

そこで今回は、会話がない夫婦の特徴や原因、改善方法をパターン別に紹介します。

 

ひとことで「会話がない」と言っても原因はさまざまですが、大きく分けて4つのパターンが考えられます。なかには複数重なっているケースもあるでしょう。

 

それぞれの改善方法も、体験談もまじえつつ考えていきます。

会話がない理由1:単純に話す時間がない

平日はどちらか(または両方)が残業や出張で仕事が忙しく、夜遅くに帰っても相手は子供と眠っているようなパターンです。

 

また、夫婦のどちらかが会社員で、もう一方は週末に仕事が忙しいサービス業、工場や医療・介護など夜勤のある仕事の場合、休日や時間帯が合わずすれ違いになってしまうため、そもそも会話する時間が取れないのが原因といえます。

お互い「もう少し話したい」という気持ちを抱えつつ、忙しくてそのままになっていることも多いですが、ちょっとした工夫で比較的改善しやすいのが特徴です。

 

「うちは妻が看護師なのでなかなか生活時間が合わず、ゆっくり話せる時間がないんです。でも、お互いの出勤前などに相手が起きていれば、今日もお疲れさま、とか、洗い物してくれてありがとうとか、ひとこと伝えると決めています」(Kさん・会社員・男性)

 

「平日は保育園があり早起きなので、夫の帰宅時間には起きていられないんです。直接の会話はあきらめて、ちょっとしたことでもメッセージアプリで送っています」(Hさん・公務員・女性)

 

単純に話す時間が取れない夫婦の場合、短い時間でも感謝を伝えたり、スマホアプリを利用してコミュニケーションを取ったりしている人が多いようです。

会話がない理由2:会話のネタがない

少し子供が成長した夫婦によくみられるのが、いざ2人になるとシーンとして、会話のネタがない…というパターン。

 

子供が小さいうちは成長の報告やお出かけの相談などそれなりに話すことがあったものの、それがなくなると共通の話題がないため、話すことといえば「業務連絡」のみになってしまいます。

 

「最近見た恋愛ドキュメンタリー動画がおもしろかったので妻に教えたところ、妻もはまって通勤中や休憩時間に見るようになったらしく…その話で盛り上がっています」(Wさん・会社員・男性)

 

共通の話題を見つけてシェアする一手間が、会話のネタを生むのですね。

会話がない理由3:会話が発展しない

厳密には「会話がない」わけではありませんが、妻や夫に話しかけられても「うん」「わかった」など、ひとことだけで返したり、自分の意見や感想を言わなかったりするために、それ以上話が発展しないパターンです。

 

もともとの性格が寡黙な場合と、そうではないけれど、疲れや慣れから相手への配慮がなくなってしまっている場合があります。

「夫は、私がいろいろ話しかけてもほとんど、うん、いや…という返事。その点子供はリアクション豊かなので、子供とばかり接していてだんだん夫に話しかけることが減ってしまいました。でも、このままだと子供が成長したあとつまらないと思い、本でコミュニケーションを研究したんです。そして、YES/NOで答えられる質問ではなく、どう思う?とか、もし~だったらどうする?といった聞き方が良いと知って、実践しています。少しずつやりとりの回数が増えてきた感じ」(Uさん・専業主婦・女性)

 

口数の少ないパートナーには、こんなふうに問いかけ方を工夫することで会話が増えるかもしれませんね。

会話がない理由4:意図的に会話を避けている・無視している

夫婦の関係が悪化して、どちらか(あるいはお互い)が相手と口をききたくないと感じていたり、相手への不満を口に出すとケンカになってしまうから黙っていたり…というパターンもあります。

 

どんな夫婦も1年中ずっと仲良く…というのは難しく、時にそんな状態になることはあると思いますが、あまり長期化すると家庭内別居や仮面夫婦・離婚などに至る懸念もないとは言い切れません。このパターンはできれば避けたい「会話なし」だといえます。

 

「ケンカするとたいてい夫が部屋に引き上げてしまい、数日間無視されるようなことがたびたびありました。なんで無視するの?と問い詰めると、口論したくないけれど、私の言うことに全面賛成もできないと。子供はまだ1歳ですが、この先、パパがママを無視する様子を見たら悲しむと思うので、私も一方的に言い分を言いすぎず、夫の話も聞くように努力しています」(Nさん・美容師・女性)

 

口論ではなく「話し合い」ができれば、口もきかないような事態はかなり避けられそうですね。

おわりに

コロナ禍で自宅にいる時間が増えた人も多いこの2〜3年で、それまであまり意識せずにきた家族の会話の重要性をあらためて感じている人も多いのではないでしょうか。

 

「夫婦の会話をもう少し増やしたい」と感じている人のヒントになれば幸いです。

文/高谷みえこ ※画像はイメージです