お子さんが2人以上いる家庭では、年の差は3歳以内というきょうだいが最も多く、全体の7割近くに達するという調査結果もあります。
しかし、なかには5歳、7歳、10歳と年齢の離れたきょうだいももちろんいます。
2~3歳差のきょうだいと比べて育児は大変?それともラク?
今回は、実際に年の差きょうだいを育てているママたちに話を聞いてみました。
年齢の近いきょうだいが増えている
5年おきに実施されている「出生動向基本調査」によると、女性の平均出産年齢は、統計を取り始めた1950年には第1子24歳・第2子27歳・第3子30歳で、きょうだいは約3歳ずつ離れているのがもっとも多いパターンでした。
これに対し最近の2015年には、それぞれ30歳・32歳・34歳ときょうだいの平均年齢差が2歳に縮まっています。
その理由のひとつとしては、仕事を続けていて初産年齢が上がっても、女性が肉体的に第3子を産み育てやすいリミットは昔と変わらず35歳と考える夫婦が多いから…ということが挙げられます。
さらに経済的理由からも、親の定年退職の前に末子が大学を卒業できるように逆算し、30歳から35歳の間に出産を集中させるライフプランを選択する夫婦が増えています。
とはいえ、ある調査では、1~3歳差のきょうだいが全体の7割を占めていた反面、4組に1組は5歳以上離れていたそうです。
ワンオペで2人以上の子供を育てるのに不安があり、上の子があるていど手が離れる4~5歳頃にやっと決意できたという人、2人目不妊、離婚と再婚のタイミングなど理由は様々ですが、年の差きょうだいはそれほど珍しいことではないようです。
そこで、まずは5歳前後年の差があるきょうだいのママに、家でのようすを教えてもらいました。
年の差5歳はどんな感じ?ママたちに聞いた
Uさんは小学校6年生と1年生の姉妹のママです。
上のお子さんに持病があり、付き添って入院することもあったためなかなか2人目に踏み切れず、症状も落ち着いてきた5歳の頃に2人目を出産したとのこと。
「世間ではお姉ちゃんだから妹の面倒をみてくれるんでしょう?いいわね~と思うかもしれませんが、うちの長女はそういうタイプではなく、頼めばおむつを取ってくれたりはしますが、基本妹には構わずマイペースに過ごす感じでした。とはいっても、さすが5歳なのでトイレや食事の身辺自立ができていたのはとても助かりました」
小学生の現在も、決して仲は悪くないものの、好きな遊びが違うので一緒に遊ぶことは少ないそう。
「その代わりというか、どこもそうなのか分かりませんが、喧嘩はめったにしないですね」
とUさん。
Sさんには6歳の男の子と1歳の男の子がいます。
「これだけ年が離れていれば上の子の赤ちゃん返りとかはないかな?と思っていたら、なんと壮絶にありました…」
とのこと。
「公園やスーパーなど外出先で駄々をこねると30分でも1時間でも止まらなくて。小さい時だと抱いて強制的に連れて帰れたんですが、下の子もいるし、身体も大きいので本当に大変でした」
困ったSさんが、お風呂で2人になったときに長男に話を聞いてみたところ、こんな風に話してくれたそうです。
「弟は小さくて自分で何もできないのは分かってるけど、2人ともママを呼んだときに絶対に弟の方にママがいってしまうのが淋しいと。あなたの小さいときはぜんぶあなたのところに駆けつけていたんだよ、と言って写真を見せたり、危険のないときを見計らって先に上の子の話を聞いてあげたりしていると、最近は少し落ち着いてきたみたいです」
年の差が2~3歳の場合、ここまではっきりと状況を認識できないと思われますので、年の差きょうだいの上の子特有の淋しさといえるかもしれませんね。
年の差5歳~10歳ではどうなる
では、もっと年齢差があるきょうだいの場合はどうなのでしょうか?
Nさん夫婦は2歳差で2人目を希望していましたがなかなか授からず、上の子が8歳で妊娠が分かったときは家族で大喜びだったそうです。
「長男は妊娠中も身体を気遣って重い荷物を持ってくれたり、7か月頃に性別が分かってからは名前を一緒に考えたり…こういうのは年が離れているからこそだとしみじみ幸せを実感しました」
「生まれてからも、お風呂上がりに私が服を着ている間に下の子の身体を拭いたり、お茶を飲ませたり…夫の仕事が忙しく残業の多い時期はすごく助かりました」
年が離れているので喧嘩はしないかと思いきや、
「実は、けっこう喧嘩するんですよ。今上の子が13歳で、下の子はもうすぐ4歳なのですが、思春期で日によってはイライラしていることもあり、そこに下の子がいつものようにおもちゃをもって遊んでもらおうと突撃していくと、やめろ!と追い返されたりして。でも、下の子がバシバシ叩いてもさすがにお兄ちゃんは手は出さないですね」
と、喧嘩しつつも年上ならではの配慮があるようです。
よく、年齢が離れたきょうだいは「一人っ子を2回育てるようなもの」といいますが、Yさん(中学3年生と2歳児のママ)はこう話します。
「私自身は一人っ子だったのですが、長女は弟をすごくかわいがっているし、かわいいだけじゃなくテスト前なのに近くで大騒ぎされてイラッとしたり、楽しみにしていたテーマパークに行く日に弟が熱を出して延期になったり…と、やっぱり私の子供時代とは全然違うと感じます」
「ただ、たしかに育児グッズやベビー服などは古くなって新しく購入したし、育児の方法も果汁はあげなくていいとかちょこちょこ変わっていて、そういう面では連続した育児ではないですけどね」
おわりに
今回話を聞かせてもらったママのほかにも、年の離れたきょうだいを育てているママからのアンケートを総合してみると、喧嘩するかしないか・一緒に遊べるかどうかは、年齢差もさることながら、やはり子供たちの性格など個人差も大きいようです。
年が近いきょうだい・年齢差のあるきょうだい、それぞれ「ならでは」のよさを味わいつつ育児を楽しみたいですね。
文/高谷みえこ
参考/内閣府 「第4回結婚の希望を叶える環境整備に向けた企業・団体等の取組に関する検討会」 提出資料|少子化社会で急増する「赤ちゃんを知らない子どもたち」 https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/meeting/kigyo/k_4/pdf/s6.pdf
公益財団法人1more baby応援団|ふたりめ意識調査「きょうだいの年齢差、4組に1組は5歳以上離れている!」 https://www.1morebaby.jp/report-research-7.html