憧れる人がいる一方で、低層階の住人が、高層階の住人から“マウント”されるなど、ネガティブなイメージもあるタワーマンション。2児のママで、30代会社員のNiaoさんは節約して頭金を貯め、タワマンを購入。実際にタワマンに住むNiaoさんの目から見た、住民の人間関係や子育て事情を聞きました。
タワマンに住むママ友とは価値観を認め合う仲
数年前、タワマンを購入したNiaoさん。周囲に住んでいるのは、どんな人たちなのでしょう。
「やっぱり裕福な方が多い印象です。専業主婦の方もいますが、共働き家庭も少なくありません。同じマンションのママ友は大手企業にお勤めの方、個人事業主、女医さんなどさまざまです。さりげなくブランド物をファッションに取り入れる、センスのよい方が多いです」
Niaoさん自身はあまり自分が身につけるものに興味がないタイプ。お金をかけずに小ぎれいに見せる工夫をして、節約するのが好きだそう。周囲に服装をほめられると「この服、1900円だったの」とさっぱりと言ってしまいます。その個性を認めてくれるママ友たちと親しくおつき合いをしている様子。
「“タワマンの住民同士でマウントし合う”みたいな経験はしたことがないです。みんな、お互いの価値感を認め合っている人ばかり。でも正直なところ、ママ友との関係には気を遣う部分もありますね。引っ越しをしない限り、同じタワマンに住む方とは長い期間関わるのは必須なので」
親しくつき合うママ友は、自分と合う人かどうかを見極めている、とNiaoさん。どのコミュニティでもいえることですが、価値観や生活スタイルが異なる人とは、ある程度距離を置くのが余計なトラブルを避ける秘訣かもしれない、と考えているそうです。
「月10万円以上」子どもに習い事させるタワマン家庭も
タワマンの住民は裕福なこともあり、教育熱心な人が少なくありません。子どもが幼稚園に通う頃から、中学受験を視野に入れ、習い事や塾に通わせるのが当たり前の環境です。
「スイミングなど人気の習い事や民間学童は争奪戦です。難関中学受験を対象とした学習塾も、小1クラスの入室テストの受付が早々に終了し、受験戦争が過熱しているのを肌で感じました。習い事に月額10万円以上かける方もいるようです」
受験への圧力が強いため、もう少しマイペースに子育てしたいと引っ越す方もいるそう。Niaoさん自身は、子どもにはできるだけのことをしたい考え。中学受験も視野に入れ、教育費についてはある程度の出費を覚悟しています。
「もともと教育にはお金をかけるつもりでしたが、タワマンの熾烈な環境を見ると、上には上がいると痛感します。でも、周囲に振り回されすぎず、子どもの好きなものをやらせたいと考えています」
“よそはよそ、うちはうち”と自分のペースを貫くNiaoさん。しっかりとした軸を持つことが、タワマンライフを快適に過ごす秘訣かもしれません。
「流されやすい人や見栄を張りがちな人だと、タワマンに住むのはプレッシャーを感じるかもしれません。周囲に裕福な方が多いだけに、金銭感覚がおかしくなってしまうんですよね。私はそのあたり割りきっています。だからこそ、タワマンのメリットを享受しつつ、地に足をつけていられるのかなと思います」
資産価値は上がるけど修繕費の高騰は悩ましい
コロナ禍により、タワマンの価格が暴落するという話もよく聞きます。でも、Niaoさんの住むタワマンは高騰。人気が高いため、中古物件もなかなか出てきません。しかも、中古の売り出し価格でさえ、購入時より1000万円以上アップしていて驚いたといいます。
ただし、価格の高騰により当初の予定通りにいかない部分も。タワマンは、年数が経つと修繕積立費金がどんどん上がります。そのため、以前は10年ほどで買い替えるのが賢明といわれていました。けれど、現在は新築だけでなく中古物件も値上がりし、手が出せない価格に。
「私たちも最初はある程度の年数で住み替えを検討していました。ところが、いくら購入時より高く売れたとしても、ほかも急騰しているので、今よりいい条件の家は購入できません。その部分に関しては想定外でした。今後は、修繕積立金を念頭において、しっかり家計管理をしていかなくては…と、いっそう気を引きしめています」
とはいえ、交通・生活利便性が高く、自然も残る湾岸エリアは住みやすいそう。共働きで子育て中の現在は、施設の整ったタワマンライフが合っていると考えています。
「老後は一戸建てに住んで庭いじりを楽しむのもいいなとも思います。でも、タワマンの便利さも大きな魅力ですね」
Niaoさん(ブログ https://ameblo.jp/charo0930/)
文/齋田多恵
※上記は、Niaoさん個人の経験談・感想です。