ママやパパを見てニコニコ笑っている赤ちゃんは本当にかわいいもの。

 

でも、もうすぐ出産を控えた妊婦さんの中には、

 

「赤ちゃんって生まれてすぐ笑ったりしないよね…?いつから笑うんだろう」

 

と不思議に思っている人もいるのではないでしょうか。

 

そこで今回は、1歳以上のお子さんがいるママ50人にアンケートを実施し、赤ちゃんが初めて笑ったのはいつごろだったのか教えてもらいました。

赤ちゃんの「新生児微笑」どんな感情?

アンケート結果を見る前に、赤ちゃんの笑いについて、1つ知っておきたいことがあります。

 

赤ちゃんの笑いには、外部の刺激や人に反応して起きる「社会的微笑」と、感情と関係なく筋肉の動きによって笑ったような表情を見せる「自発的微笑」があり、後者は生まれた直後から生後2か月までの時期によく見られるため「新生児微笑」とも呼ばれています。

 

新生児微笑は、口を開かず左右の口角だけがニッと上がるのが特徴で、レム睡眠中にランダムに起きるとされています。

 

実はこの微笑は、新生児どころか、超音波装置で見るとお腹の中でもすでに見られるそうですよ。

そのため今回のアンケートでは、赤ちゃんがなんらかの刺激や働きかけに対して笑う「社会的微笑」の時期を聞き取りしています。

 

ただ、右も左も分からない新生児の育児中には、特にそこに感情が伴わないとしても、赤ちゃんの笑ったような表情を見ると

 

「めちゃくちゃかわいい!という気持ちが急にわいてきました」(Oさん・2歳児のママ)

 

という人も少なくないのは納得ですね。

赤ちゃんが喜んで笑うのはいつからなのか

それでは、あやしたり、珍しいことが起きたときなどに赤ちゃんが喜んでニコニコと笑うのはいつごろでしょうか?

 

今回50人に聞いてみたところでは、以下のような結果に。

 

  • 生後1か月…1人
  • 生後2か月…5人
  • 生後3か月…21人
  • 生後4か月…15人
  • 生後5か月…3人
  • 生後6か月…2人
  • 覚えていない…3人

 

赤ちゃんの成長は個人差が大きいですが、生後3~4か月に、はじめてにっこり笑うことが多いようです。

 

「生後3か月の頃、お昼寝から起きてじっとこっちを見ていたので、にっこり笑いかけたら、それに答えるようににこっと笑ったんです。感動して泣きそうになりました」(Eさん・1歳児のママ)

赤ちゃんが声を出して笑うのはいつごろ?

さらに、声を出して笑う用になった時期もたずねてみると、結果は以下のようになりました。

 

  • 生後3か月…11人
  • 生後4か月…16人
  • 生後5か月…9人
  • 生後6か月…5人
  • 生後7か月…5人
  • 生後8か月…1人
  • 覚えていない…3人

 

こちらも、生後3か月から5か月頃がもっとも多くなりました。

 

どんどん感情がゆたかになるこの時期、歯が少しだけ生えた赤ちゃんの笑顔は、まさに今だけのかわいさですよね。

 

「5か月の当時、おなかに私の口をつけてブゥーと鳴らすと、毎回ゲラゲラ笑うので、お風呂上がりの恒例の遊びになっていました」(Iさん・4歳児と2歳児のママ)

「いないいないばあ」で赤ちゃんが笑わない意外な理由

ところで、赤ちゃんが笑ってくれそうな遊びとして「いないいないばあ」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。

 

いないいないばあを喜ぶのは、個人差はありますが、およそ生後5~6か月頃からといわれています。

 

生後すぐの赤ちゃんにとっては、ママなど人の顔が見えない場合、それが一時的に隠れているだけなのか、消えてしまって存在しないのか区別が付かない状態です。

 

それがだんだんと記憶力や先を予想する力が育ってくると、「隠れてるけど、もうすぐでてくるよね…ほら…ほら…やっぱりでてきた!」という楽しさを感じられるようになってくるといいます。

 

とはいえ、いないいないばあをしてみても不思議そうにしているだけで「同じ年頃の赤ちゃんと比べてウチの子はなかなか笑ってくれないな」…ということもあるかもしれません。

 

実は、いないいないばあで赤ちゃんが笑うのは、上記のように遊びが面白くて笑っている時ももちろんありますが、ごく初期段階では、目の前からママやパパの顔が消えて不安になったあと再び現われたために安心して笑顔になるという説もあります。

 

笑わせたいあまり「ばあ」のときに変顔をしてしまう人もいると思いますが、そんなときはいつもと同じ笑顔を見せてあげた方が、赤ちゃんはより安心して笑ってくれる可能性があります。

おわりに

子供の成長はとても早く、忙しい毎日の中で次々と変化に対応していかなくてはいけないため、初めて赤ちゃんが笑ったときの感動もすぐに日常生活に埋もれてしまいそうですよね。

 

しかし筆者も今回子供たちが初めて笑ったときのことを思い出すと、とても温かい気持ちに包まれました。

 

赤ちゃんが初めて笑った日を時々そっと思い出してみると、明日からまた育児や仕事をがんばる力になるかもしれませんね。

文/高谷みえこ
参考/論文「乳児の自発的微笑と外発的・社会的微笑の質的な違い」池田 正人 https://www.jstage.jst.go.jp/article/warai/25/0/25_42/_pdf