子供を保育園に預けて働く場合、親の勤務形態は、基本的にはフルタイム(週5日)、またはそれに準ずるという地域は多いのではないでしょうか。

 

しかし、出産でいったん退職して産後にパートで仕事を始める人や、パートナーの転勤で引っ越し先での働き方が決まっていない人、コロナ禍でパートの回数が減ってしまった人などにとっては、「もし週3日だけ働くことになったら、保育園は入れるの?」という点は気になりますね。

 

そこで今回は全国の子育て中のママに週3勤務でも保育園に預けることは可能か、お住まいの地域での状況を教えてもらいました。

都市圏ではそもそも入園できないことが多い

首都圏・京阪神・名古屋などの大都市圏では、希望者に対して定員が少なく、親が週5日フルタイムで復帰予定の正社員でも待機児童になってしまうほどの「保活激戦区」が多く存在します。

 

本来、希望する人は誰でも子供を保育園に預けられるのが理想であり、1日も早い改善が必要です。

 

とはいえ現在の状況では、週3勤務の場合、都市部では入所希望を出しても公立・認可園の入園はかなり難しく、無認可園も選択肢に入れて探すことになりそうです。

「私の住んでいる市は、月16日以上・週16時間以上働いていることが条件なので、週3日・7時間勤務だとフルタイムでも選考対象外なんです。逆に週5日・4時間勤務・なら月20日・週20時間以上となり、最も有利なグループになります。それを知ってから、日数が有利になるような募集を探しなんとか入園できました」(Kさん・首都圏・2歳児のママ)

 

上記のような勤務日数の条件がある自治体では、勤務時間はほぼ同じでも日数が少ないと申し込みすらできないことがあります。仕事探しの前に確認しておくと安心ですね。

定員に余裕がある地域では可能なところも

一方、待機児童が少ないエリアでは、週3回の勤務でも問題なく入園できる園も数多くあります。

 

「私の住んでいる町は子供の数が少なく、通える範囲に幼稚園がありません。なので、すべての子供は希望すれば保育園に入れます」(Mさん・中国地方・5歳児と2歳児のママ)

 

いっぽう、親が週3勤務の場合、入園はできるが預かってもらえるのは出勤する日だけ…というパターンもあります。

 

「公立の園なので、仕事がない日は家でみてくださいと言われました。でも、保育料は月額なので、週3日だと手元に残るお金が少なくなってしまうため、結局週3日からだんだんシフトを増やしていくことに…」(Tさん・関西・3歳児のママ)

 

上記のような場合、週5日預かってもらいたいならやはり無認可園も視野に入れる必要があります。

 

さらに、週の登園日数が少ない場合は以下のような点にも注意が必要です。

 

「うちの園は出勤日しか預かってもらえないので、運動会や音楽会前の時期に練習があると、だんだんウチの子だけ遅れていく感じなんです。当日もやっぱり他の子と比べて覚えきれてなくてキョロキョロ…」(Eさん・関東・2歳児のママ)

 

ただ、年齢が上がるにつれ、行事前の練習は仕事が休みの日でも登園するように園から指示があることも多いそうです。気になる場合は、事前に問い合わせておくといいですね。

一時保育や無認可園、幼稚園も視野に入れて

週3回の勤務の場合、公立の保育園では「一時保育」「一時預かり」を利用する方法もあります。

 

一時保育では、病気や出産などの緊急時だけでなく、短時間のパートや資格試験の勉強、またリフレッシュのためなど利用理由が幅広いのが特徴。

 

「子供が小さかった頃、職探しの間、週に3回一時保育を利用していました。近くに住む妹にもすすめたのですが、ここ2年間はコロナ禍で一時保育をストップしている園も多く、利用できなかったようです」(Aさん・中部地方・小学1年生と5歳児のママ)

 

無認可園では勤務形態についての条件がゆるやかなことも多く、週3回勤務でも入園できたり、週に5日預かってもらったりも可能です。

 

「週3日在宅ワークで働いています。地方都市在住ですが、公立・認可園はやはりフルタイムの方が優先で入れませんでした。無認可園をいくつか当たると預ける日を週3回または週5回から選べる園があり、保育料も安くなるので3日で申し込みました。もう少し手がかからなくなったら、週5にチェンジして、仕事も増やそうと思います」(Cさん・北陸地方・2歳児のママ)

 

「夫の転勤で引っ越してきました。前の市では週の勤務日数にかかわらず入園できたのに、ここでは週3日だと認可の対象外なんですね。私は持病があってフルタイム勤務は不安が残るので、幼稚園に通わせることにしました。延長保育もあるので3歳以上ならおすすめかもしれません」(Hさん・首都圏・4歳児のママ)

 

幼稚園は、保育園と比べて参観や親の行事参加が多い、PTA活動が盛んという可能性もありますが、コロナ禍や時代の変化も相まって、最低限の参加で良いという園も増えています。

 

あとで「困った!」とならないよう事前にしっかりリサーチして納得すれば、一時保育や認可外保育園、幼稚園などの選択肢が最適な場合もあるかと思います、

おわりに

親が週3勤務の場合でも保育園に預けられるのか、入園できる場合、当園日は週に何日なのか…といった規定は、公立や認可園の場合は自治体ごと、無認可園では園ごとに異なります。

 

正確な情報は園や自治体への確認が必要ですが、今すぐパート勤務や転勤の予定はないという人も、将来ライフスタイルが変化したらどうなるのかイメージするときの参考にして下さいね。

文/高谷みえこ
参照/内閣府「子ども・子育て支援新制度ハンドブック」一時預かり事業 https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/faq/pdf/jigyousya/handbook8.pdf