空気清浄機の取扱説明書を読んでいる男性

コロナ禍で使う頻度が増えた、空気清浄機や加湿器。毎日のように使っているので、カビがぎっしりの可能性も。年末の大掃除ではしっかり汚れを落としたいですよね。家電だからこそ、掃除する際に素人がやりがちなミスから、プロが注意するポイントまで、汚れ落とし研究家・茂木和哉さんに聞きました。

取説の確認と完成形の「スマホ撮影」は必須

—— 窓やキッチン周りの掃除とは勝手が違う家電製品の掃除。そもそも自分でできるものでしょうか。

 

茂木さん:

もちろんできます。ただ下手に手を出すと壊れる可能性もあり、まずは取扱説明書を読むのが重要です。説明書の後半に「お手入れをするときは」などの項目があるはずです。丁寧に読んで、分解方法や使える洗剤の種類などを確認しましょう。あくまで自己流で行わないことが大事。

 

また、機器によっては複雑で細かいパーツの分解も必要なので、分解掃除をする前に完成形の写真を撮っておくのも大事なポイントです。

フィルターはクエン酸の希釈液で浸け置き洗い

—— それでは、今年フル稼働した空気清浄機や加湿器の掃除方法を教えてください。

 

茂木さん:

まずは電源を切ってプラグを抜くのが大前提。意外と忘れやすいので注意してください。次に本体のホコリを取ってから拭いていきます。メーカーや機器によって異なると思いますが、一般的にはお掃除用で、除菌効果のある中性洗剤が使えるでしょう。もしくは、除菌効果のあるウェットシートでも代用できます。

 

フィルターは水洗いできなければ掃除機でゴミやホコリを吸い取ります。

 

水洗いできる部分は、お風呂場で洗いましょう。クエン酸を5060度のお湯で40倍に希釈した希釈液を作り、各パーツをバケツや浴槽などで約1時間浸けておきます。最後にシャワーで洗い流してください。

 

つけ置き前後にブラシでこすり洗いすると、汚れ落ちがよりよくなります。それでも落ちなければ、クエン酸よりも酸性度の強い洗剤を使って同じ工程を踏んでください。

加湿器のタンクは「陰干しで乾かす」ところまでが大事

—— タンクはどうやって掃除をすればいいですか?

 

茂木さん:

カビ汚れなら、過炭酸ナトリウムの酸素の力を使って浸け置き洗い。こちらも洗浄力を上げるために5060℃のお湯に溶かして浸けておきましょう。

 

ただタンクは素材によって使える洗剤が変わるので注意が必要です。また、タンクに限らず、パーツを乾かすときは陰干しで、完全に乾いてから機器に戻してください。生渇きだと、そこからカビが発生してしまいますから。

※今回紹介した掃除方法は茂木さんおすすめの方法です。住宅設備などによって然るべき掃除方法が異なる場合がありますので、それぞれ利用上の注意などを読み、各自の判断で行ってください。 

 

PROFILE 茂木和哉さん 

秋田県出身。独学で掃除と洗剤作りを学び、汚れ落とし歴25年の経験を活かして情報発信や自分の名前をつけた洗剤を多数開発。著書に『茂木和哉 落ちない汚れをラクに落とす掃除術』がある。 

取材・文/秋山悠紀 イラスト/かりた