スマホやタブレットを傷つけないために行う「ガラスコーティング」がジワジワ広まっています。じつは、ITツール以外にもシンクなどの水回りや革製品にも使えるんです!
傷つきにくく、キレイを保って、家事もラクになるとか。そんなガラスコーティングの知られざる魅力について、smartコーティング〜ラピスラズリ〜の山田由梨さんにお話をお伺いしました。
紙や布以外なら何にでも使える?
── 最近、ガラスコーティングを目にする機会が増えたのですが、いまいちピンときません。そもそもガラスコーティングって何なのでしょうか?
山田さん:
ガラスコーティングは、車を保護する目的で作られたと言われています。わたしが今使っているコーティング剤は、車に使われているものと同じです。汚れを拭き取った商品に液状化ガラスをサランラップより薄い200ナノメートルで塗ります。
例えば紙や布のような水分を吸収してしまうもの以外なら、何でもガラスコーティングできます。スマホやタブレットの他に、腕時計、高級ブランドの財布やバッグ、ランドセル、スニーカーなどのレザーアイテムにガラスコーティングをすることが多いです。
── えっ!ランドセルやスニーカーにもコーティングできるんですか?
山田さん:
はい、液体ですので平面以外もコーティングすることが可能です。コーティング剤の成分が構成物の隙間を埋めて、表面に膜を張ることで塗布した場所の強度を増し、水や汚れなどが付きにくくなります。
わたしの場合は新築のみですが、シンクやコンロ、浴室などの水回りも承っています。汚れが落ちやすくなり毎日のお手入れがカンタンで、新品のような状態が長く続きます。
── どんな効果が期待できますか?また費用はどれぐらいかかるのでしょうか?
山田さん:
ガラスコーティングのなかで最も硬い硬度9H(※)のコーティング剤を使用していますので、液晶ガラス保護フィルムと同じく傷がつきにくく、摩擦による小さな傷やヒビ割れを防止します。
(※)硬度9Hになるまで2週間程度かかります。塗った直後は硬度6H程度
スマホの指の滑りがスルスルと快適になり、指紋やファンデーションなどの汚れがサッと拭き取れます。
液晶保護フィルムはその名の通り液晶だけにはりますが、ガラスコーティングは全面をコーティングできるので、境目がないのも魅力です。子どもが剥がす心配もありませんし、コーティングした商品を誤ってなめたり、かんだりしても大丈夫です。
液晶フィルムは、貼る際に空気やゴミが入ってしまったり、フィルムで厚みが出てしまいますが、ガラスコーティングは塗っていることがわからないぐらい薄いです。
ブルーライトが遮断できるコーティング剤なら、メガネやパソコン、子ども用のポータブルゲーム機も人気ですね。コーティング剤のなかには、電磁波軽減の効果があるものもあります。
コーティング料金は、スマホ両面で4500〜5500円、革財布全面(内側は別途)で1万円ぐらいが一般的です。
ガラスコーティングを自分でやる場合は注意が必要
── どこでガラスコーティングできますか?
山田さん:
スマホやタブレットでしたら、家電量販店や商業施設、携帯電話ショップなどに対応しているお店があります。
建築会社で、シンクや風呂場、フローリングのガラスコーティングをオプションで行うところも最近はありますね。革製品については、施工する業者さんはまだ少ないかもしれません。
── 市販でガラスコーティングのキットも売られていますが、自分で施工することも可能でしょうか?
山田さん:
わたしはオススメしません。ゴミがついたままコーティングしてしまったり、コーティングのムラができても、はがせないからです。
キレイ好きな方で、あれもこれもガラスコーティングしたいのであれば講習を受けて技術を習得し、講習を受けてから高品質なコーティング剤を購入したほうが良いと思います。
スマホのガラスコーティングは要注意!
── 良いことづくしのガラスコーティングに見えますが、デメリットはありますか?
山田さん:
失敗しても剥がせないことがデメリットですかね。
また、ガラスコーティングをしているスマホなど電化製品のメーカーの保証が受けられないケースがあります。中古の買取を断られることがあるケースも聞いたことがあります。逆にガラスコーティング済みを売りにしている中古販売店もあるので一概には言えませんが。
── スマホや高級ブランドの財布を傷つけないよう慎重に扱うストレスから開放されたり、毎日使う水回りのお掃除が時短になったり、ガラスコーティングでより快適な生活を実現できそうですね。
PROFILE 山田由梨さん
smartコーティング〜ラピスラズリ〜代表。東京都町田市を中心にガラスコーティングで出張施工やイベントに出店。
取材・文/清宮あやこ 写真提供/smartコーティング〜ラピスラズリ〜