国の「人口動態調査」によれば、女性が初めて出産する年齢の平均は、1975(昭和50)年の25.7歳から、2020(令和2)年の30.7歳へと5歳近く上がっています。

 

また、コロナ禍の影響もあり2020年には全年代で出産人数が減ったなか、唯一45歳以上の世代だけは前年度と比べて出産する人が増えたことも報告されました。

 

不妊治療の進歩もあり、着実に増えている40代での初めての出産。

 

しかし40代ママたちに話を聞いてみると、そこにはたくさんの幸せと、ちょっぴりつらい「あるある」も存在するようです。

今回は、20人の40代ママに聞いた実体験をもとに、そんな「あるある」を紹介します。

「とにかく体力がない」「疲れる」

20人中18人と圧倒的に多かったのが、「体力がなくてしんどい」。

 

「出産時の消耗が回復しないまま、24時間休みない育児体制に突入したので、とにかくいつも疲れています」(Rさん・42歳・0歳6ヶ月児のママ)

 

「週末に朝から子供と過ごしていると体力がもたず、夫婦交替するか、子供と一緒に昼寝しないとムリ…」(Yさん・44歳・3歳児のママ)

 

というのが代表的な声です。

「ママ友が若い」

ママの出産年齢は幅広くても、子供が同級生なら、送迎も行事も親として一堂に会することになります。

 

「保育園のお迎えのとき顔を合わせるママの中には、私と親子でもおかしくないんじゃない?っていうくらい若い人もいますよ~。最近は同じ年代のママもちらほらいるのでホッとしてますが」(Iさん・45歳・4歳児のママ)

 

「子供が仲良くさせてもらっているママ友は15歳年下。週末に一緒に公園で遊ぶことになり、最初は何を話せばいいのかと心配でしたが、ママ同士だからか意外と年齢差は感じないですね。ただ、学生時代に好きだった芸能人やアニメの話になると世代の差が如実に(笑)」(Wさん・45歳・4歳児のママ)

「友人たちが育児を終えた」

「大学の仲良し3人組で、2人は20代で出産。私が41歳で初めて出産したときには、彼女たちはほとんど育児も終盤で、コロナが落ち着いたら温泉でも行きたいね~と盛り上がっているのですが、私はまだまだ毎日の公園通いにトイレトレーニング…早く合流したいけど、この差は埋められないですね」(Hさん・43歳・3歳児のママ)

「親も高齢なので頼れない」

「親はわりと近くに住んでいます。でももう年なので、急な残業のときに迎えに行って預かってもらったり、ごはん食べさせといて…って頼んだりするのが申し訳なくて、ほとんど頼むことはありません。ここまで働いてきたぶんの貯金でシッターさんを頼めるのが救いかな」(Tさん・49歳・1年生のママ)

「子供の病気を必ずもらい、しかもなかなか治らない」

「子供が保育園でもらってくる風邪・胃腸炎・結膜炎などは、気をつけていてもほぼ100%の確率でうつってしまいます。しかも年々回復力が落ちてくるところに、仕事と家事と育児で疲労が蓄積しているためか、とにかく治りが遅い!子供は先に治って元気なので、相手をするのにヘロヘロです」(Nさん・45歳・3歳児のママ)

「すぐに老後が来る」

「私の妹は20~30代で出産してもう子供たちが大学生なので、子供たちが就職して独り立ちしたら起業することを目標に、パートしながら勉強中。尊敬します。私は今43歳で、正社員ではあるものの、子供が成人したら63歳…起業どころか定年間近ですよね」(Sさん・43歳・0歳児のママ)

「更年期に老眼に物忘れ」

「子供たちの学校や塾からもらうお便りの字が!小さくて!読みづらい…アラフィフの辛いところですね」(Fさん・49歳・2年生の双子のママ)

 

「出産後数年で更年期というホルモン的にはジェットコースターのような乱高下で婦人科と漢方薬のお世話になりっぱなしです」(Sさん・48歳・6歳児のママ)

 

「今週水曜は運動会の振替日だからお弁当持参、って何回もお便りで見たのに当日の朝になるとコロッと忘れていて…あわててコンビニに走り、おかずを詰め合わせて持たせたのは秘密です(苦笑)」(Mさん・48歳・1年生のママ)

おわりに

40代の出産育児は、体力的には確かに20代と同じようにはいかないかもしれません。

 

ただ、今回話を聞かせてもらったママたちが口を揃えて言っていたのが、

 

「夫婦とも精神的に成熟してからの子供なので、むやみに怒らず落ち着いて育てられている」

 

「貯蓄があるので、習い事や旅行などの体験を迷わずさせてあげられる」

 

「若いときに思いきり遊んできたので、子供の要求を優先できる」

 

というお話でした。

 

何歳のときでも、出産・育児は唯一無二の体験であることはみんな同じ。

 

もちろん大変さもありますが、40代ならではのメリットにも目を向けて、子供と過ごすかけがえのない時間を楽しみたいですね。

文/高谷みえこ
参考/厚生労働省「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況/結果の概要」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei20/dl/15_all.pdf