新型コロナウイルスの影響により激動の一年となった昨年、
社会全体で最もフォーカスされているキーワードといえば「サスティナブル(=持続可能な)」。化粧品業界でも、パッケージや原料を環境に負荷をかけないものに変えるなど、社会的に持続可能な取り組みを行うムーブメントが起きています。

 

そんな背景を踏まえ、今注目のブランドとその取り組みについてご紹介します。

 

今回取り上げるのは、「イヴ・ロシェ」。フランスの小さな町で生まれたというこのブランドが、サスティナブルなコスメブランドとして全世界から注目を集めることになった理由とは…?

世界中で愛されるボタニカル・ブランドの出発点は屋根裏部屋

フランスのボタニカルビューティケアブランド、イヴ・ロシェは1959年、ブルターニュ地方の小さな町、ラ・ガシリにて誕生しました。

 

創業者のイヴ・ロシェが屋根裏部屋で、植物を用いて作ったという塗り薬がブランドストーリーの始まり。植物の持つ力を最大限に活かしたスキンケア、ボディケア、ヘアケアなどのプロダクトをこの世に誕生させ、今ではフランス国内約700店舗、世界90か6700か所以上で販売しているというグローバルブランドへと成長を遂げました。

 

「人と自然とを再びつなぐ」をモットーに環境保護にも力を入れ、自社栽培、開発、生産にこだわり、さまざまなプロダクトを展開しています。自分たちで育て、また世界中から厳選したこだわりの原料をベースに製品を製造。専用配送網を保有することで、高品質と価格のバランスを維持し、ブランド全体でサスティナビリティを推し進めています。

ミリオンセラーを達成した目元用クレンジングが日本初上陸!

そんなイヴ・ロシェからご紹介するのは、全世界でミリオンセラーを達成したという目元用クレンジングとサスティナブルなパッケージに生まれ変わったエコボディウォッシュ。どちらもサスティナブルなテーマにぴったりの取り組みを背景にした、象徴的なアイテムです。 

イヴ・ロシェ
(右)ピュアブルエ アイメイクリムーバー 100ml 880円、(左)エコボディウォッシュ ロータスフラワー&セージ 100ml 880円

世界で大人気のイヴ・ロシェのベストセラー商品のアイメイクリムーバー。ラ・ガシリの自社農園で有機栽培されたピュアブルエを中心に、保湿力高いマカデミアナッツオイルなどの天然由来成分を97%配合した二層式クレンジングです。今年、日本にもついに上陸しました。

 

植物由来でありながらも、ウォータープルーフのアイメイクをしっかり落としてくれると、日本でも早くも支持を集めています。穏やかな使いごこちで目元のメイクがするりと落ち、後肌もしっとり。

イヴ・ロシェ

二層式なので、使用前はしっかり振り、二層の成分を混ぜ合わせてから使用するのがポイントです。肌の弱い人でも安心して使えるのも魅力。

 

また、よりサスティナブルなパッケージに生まれ変わったのがエコボディウォッシュ。こちらは水分を可能な限り減らし、400ml分のシャワージェルを100mlのコンパクトサイズにして人気を得ている「濃縮シャワージェル」のパッケージをリニューアルして発売しました。

 

このコンパクトな1本で、約40回使用可能。お湯を含ませたスポンジに1プッシュするだけで、もこもこの泡が完成し、濃密な潤いで洗い上げてくれます。洗った後はしっとりすべすべ肌に!

人と自然を再びつなぐ」をコンセプトにさまざまな取り組みを

アイメイクリムーバーに使用されたピュアブルエは、和名を「ヤグルマギク」というキク科の植物。鮮やかな青色で、「完璧な青」として称えられているとか。

ピュアブルエ 摘花の様子

ピュアブルエは、イヴ・ロシェがフランスのラ・ガシリに所有している60ヘクタールの自社農園にて、1990年代初頭より有機栽培されています。春に土壌を整備し、前シーズンに収穫した残りも細かく裁断し、肥料として再利用。連鎖障害を防ぐために、同じ区画への藩種は4年に1回として、環境のことを考えた生育のしやすい土壌作りに取り組んでいるそう。

イヴ・ロシェ 自社農園
ラ・ガシリに所有する60ヘクタールの自社農園。原料となる植物を有機栽培している

エコボディウォッシュに関しては、生分解しやすい処方を採用し、中身を濃縮させることで、プラスチックの使用料を50%削減。製品を1点購入するとイヴ・ロシェ財団が5大陸35か国で行っている植樹活動をサポート。世界のどこかに1本、木が植えられるという取り組みを行っています。「人と自然を再びつなぐ」というイヴ・ロシェの想いが詰まったアイテムとなっています。

文/久保直子 撮影(静物)/清永 洋