ピンチ!な日こそ、定番和食で献立作りをラクに
忙しい1日を終えて帰宅する途中。 買い物はサッとすませて帰りたい! けれど、何を作るか決まっていなくて、売り場を行ったり来たり。 この献立決めで毎日ずいぶんと時間を使ってしまうんですよね。 だったら家族で食べる時間を割きたいのに…
そこで先日、思い切って母に電話してみました。 日々の献立をどう決めていたか聞いてみると、 「私は“困った日の献立”をいくつか決めていたの。 肉じゃがとか、豚の生姜焼きとか、 とにかく考えずに定番和食だったわよ」
思い返せば、よく食べたなあ、母の肉じゃが。 でも、作ろうと思えば作れるけれど、 母のように、おいしく作れるかは…ちょっと不安。
一度作れば、翌日も、お弁当にも入れたい和食のおかず。 せっかくなら、おいしく作りたいなあ。
食べあきないおいしさは、“さしすせそ”が左右する
何度食べても飽きない定番メニューこそ、 ちょっとしたコツや調味料が味を左右する。 そう、教えてくれたのは予約が取れない人気料理教室、 「𠮷田麻子料理教室」を主宰する𠮷田麻子さん。
和食の味つけに欠かせない“さしすせそ”は、 ていねいに選んで欲しいと言います。
𠮷田さんが選ぶ・料理の味を左右する“さしすせそ”
|さ:砂糖
素材の持ち味を生かしたいときは上白糖を、コクとまろやかな甘みを出したいならきび砂糖を。
|し:塩
サラサラの精製塩よりも、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれた海水塩の粗塩を使いましょう。
|す:酢
まろやかな酸味と香りの米酢「千鳥酢」(村山醸造酢)がおすすめ。
|せ:しょうゆ
濃口しょうゆと薄口しょうゆを揃えましょう。だしや素材の香りを生かしたいなら薄口しょうゆを使って。(写真は湯浅醤油のもの)
|そ:みそ
地方によって、米みそ・麦みそ・豆みそなど違いがあるが、色が濃すぎず薄すぎないものを一つ、常備しておきましょう。
予約が取れない人気料理教室のベストレシピから
何度でも食べたい肉じゃが
【材料(2人分)】
じゃがいも……3個(約600g)、玉ねぎ……1個、いんげん……6本、しらたき……150g、牛薄切り肉……200g、サラダ油……大さじ1
[煮汁] だし汁……2と1/2カップ、しょうゆ・みりん……各大さじ4、きび砂糖……大さじ1と1/2
【作り方】
|1.具材を切る
じゃがいもは半分から3等分ほどに切り、水に約10分さらす。でんぷん質が取れ、すっきりと仕上がる。玉ねぎは8等分のくし形切りにする。いんげんはサッとゆで、3cm長さに切る。
| 2.しらたきをゆでる
しらたきはアクと臭みを抜くため、下ゆでする。沸騰した湯に入れて1分ほどゆで、ざるにあげて水けを切る。長ければ2〜3等分に切る。
|3.炒める
鍋にサラダ油を熱し、じゃがいも、玉ねぎを入れて油が回るまで中火で炒める。
|4.煮汁を加える
煮汁の材料をボウルに合わせ、③に加える。
|5.したらき、牛肉を加える
煮立ったらしらたき、牛肉(大きければ食べやすい大きさに切る)を加えてサッと混ぜる。再び煮立ったら弱火にする。
|6.アクをひきながら煮る
アクが出たらそのつど丁寧にひきながら、じゃがいもにスッと竹串が通るまで煮る。器に盛り、いんげんを散らす。
\ほかにも、ちゃんとした和食がこちらの本で覚えられます/
「ちゃんとおぼえたい和食」(秀和システム)
予約が取れない人気料理教室のベストレシピをご紹介。くりかえし作りたくなる定番和食から、レパートリーが広がるアレンジ料理まで。作り方の細かなコツが写真入りで分かりやすく解説されています。また、和風ビーフシチューなど“今どき”の和食レシピ、など幅広く学べる一冊。
𠮷田麻子さん
大阪生まれ。大学卒業後、いくつもの調理師専門学校で料理を学ぶ。その後、アメリカへの料理留学を経て帰国。茶懐石料理、中国料理、韓国料理、イタリア料理、製菓も個人的に習得。2010年より、大阪・西区で「𠮷田麻子料理教室」を主宰。現在は東京・世田谷でも料理教室を開催するほか、企業のメニュー開発や雑誌、書籍など幅広く活動している。