1年差で続けて出産する「年子」。

 

生まれ月によっては同学年や2学年差になることもありますが、多くの場合、園や学校は1学年差となります。

 

上の子の育休中に妊娠が分かれば、続けて下の子の育休を取れて仕事のブランクが1回で済むことや、年齢的に早めに妊活を続けたい人も増えていることから、近年は年子を希望する夫婦は増加傾向にあるといいます。

 

今回は、年子を保育園に預けて就労する場合、保活はどのように進めればいいのか、年子ならではの通園の困りごと対策などを、先輩ママの体験談も参考に解説します。

年子確定!保活はどうする?

もともと年子を希望している場合はもちろん、早産などで結果的に年子になった場合も含め、仕事復帰予定であれば保育園の確保が急務になります。

 

2人を同じ園に通わせるのがもっとも時間的な負担が少ないため、通常は上の子と同じ園に下の子も入園希望を出すことになると思います。

 

公立・認可保育園では、入園の優先度を点数で比較して高い順に入園が決まりますが、上の子がすでにその園に通っている場合は「兄弟加点」があり、同じ園に入れる可能性が高くなります。

 

とはいえ、待機児童の多い「激戦区」では、特に希望者の多い1歳児クラスの入園は相当難しく、年子で別々の園に通っているケースも少なくありません。

 

Yさん(4歳児と3歳児のママ)は、保活時を振り返り、こんなアドバイスをくれました。

 

「入所申し込みの用紙を書く時に、きょうだいで同じ園を希望するかバラバラでもいいかを選ぶ項目があります。復帰後に社内組織の再編があることが分かっていて、新事業での復帰を目指していたので、同じ園であることよりもとにかく入所できることを優先してバラバラでも良い方に○をつけました」

 

「その結果、別の園で無事入所はできたのですが、持ち物の指定が微妙に違ったり、夫婦で手分けして送迎するため夫も残業を断ってばかりで上司に嫌味を言われたりとかなり苦労しました。復帰時期に融通が利く人は、同じ園限定で希望を出した方が入所後の負担は少ないと思います」

年子で育休中、上の子は保育園に通える?

育児は何歳差でも大変ですが、特に年子の場合、最初の1年は赤ちゃんが2人いるような状態。

 

産後の身体で、言い聞かせがあまり通用しない上の子のお世話をするのはママも大変ですし、上の子自身も、園に通っていた方ほうが生活サイクルが安定し、先生や他の子ともふれあえてストレスなく過ごせるのではないでしょうか。

 

国の子ども・子育て支援制度によると、ママの育休中も、上の子が「継続利用が必要である」と認められれば保育園に通い続けることができます。

 

具体的には「次年度に小学校に入学する」「保護者の健康状態がよくない」などがその理由とされますが、下の子の妊娠・出産も、保育の必要性がある正当な理由として認められています。

 

ただ自治体によっては、下の子の育休が終わるまでいったん退園して待機児童に枠を譲るように求められる、いわゆる「育休退園」の可能性が。

 

下の子の育休が終わったときに必ず元の園に再入園できる保証がないなどで社会問題になったため、育休退園を廃止する市町村も増えていますが、念のために上の子の通う地域の規定がどうなのか事前に確認をしておくと良いですね。

年子の保育園送迎、大変すぎ!ママたちの対策は

産後間もない身体のママが、新生児を連れて1歳児を保育園まで送迎するのはかなり大変です。

 

また1歳児は保育園で風邪をはじめとした感染症にもかかりやすく、0歳児の下の子にもうつってしまうと通院や看病の負担も大きなものに。

 

「産後はいっそ上の子も保育園を休ませた方がいい?」と迷うかもしれません。

 

経験者に聞いてみると、

 

「うちの園では産後の大変な時期はあえて上の子も休んでもよいとのことでしたが、保育料は全額必要なことと、規定で月に何日かは必ず登園するのが条件でした。産後の回復が思わしくなく送迎が難しい場合は、早めにファミサポ(ファミリーサポート)など、送迎を頼める先を検討しないと退園になってしまうおそれもあるので気をつけて」(Uさん・2歳児と1歳児のママ)

 

下の子も入園した後は、園が別々または遠い、自家用車が使えない、夫婦で手分けできない、祖父母の手を借りられない…といった場合、送迎はとてもハードになります。

 

「お昼寝布団を月曜に持参し週末に持ち帰るので、雨の月曜日、子供たちが2人ともきげんが悪いときなどは手が6本くらいほしい感じでした。前に上の子、背中に下の子、左右に布団とリュック2個と通勤バッグで乗りきりましたが、2人育児と仕事の両立がこんなに大変だなんて、少子化になるの分かる…と思います」(Aさん・5歳児と4歳児のママ)

 

「上の子がやっと歩けるようになった頃、下の子を抱っこしているとすぐに自分も抱っこと言ってきて、断るともっと泣いて大変でした。もう少し年が離れていたら、まだまだ抱っこしてあげられる年齢なのに…と申し訳なく思ったことも何度もあります。結局、バギーの後輪に上の子が立てるタイプの補助盤を取り付けることで落ち着きました」(Mさん・3歳児と2歳児のママ)

おわりに

年子育児は小さいうちほど大変なイメージがありますが、保育園や小学校に1年差で通うようになると、年が近いので好きな遊びが似ていてきょうだいで遊んでくれるし、行事やイベントも集中してこなせるためだんだんラクになる!という声もよく聞きます。

 

不安もあるけどやっぱり年子で…と希望する人の参考になれば幸いです。

文/高谷みえこ

参考/内閣府「子ども・子育て支援新制度なるほどBOOK」https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/event/publicity/naruhodo_book_2804.html
内閣府「Ⅴ.保育の必要性の認定・確認制度」 https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/outline/pdf/setsumei5.pdf