おしりたんてい
© トロル・ポプラ社/2022「映画おしりたんてい」製作委員会

「映画おしりたんてい」シリーズ初の単独長編として、『映画おしりたんてい シリアーティ』が公開中。

 

どんなときも冷静に、ププッと事件をかいけつしてきたおしりたんていの前に、最悪で最強の敵が立ちはだかる...その名は、シリアーティ!不可解な事件、ワンコロけいさつにしかけられた罠...。そして、おしりたんていに絶体絶命のピンチが訪れる。ダメージを負い、戦意を失ってしまうおしりたんてい。そこで彼を奮い立たせたものとは…。

シリアーティ教授を演じる、福山雅治さんのアフレコ現場に潜入!

福山雅治
© トロル・ポプラ社/2022「映画おしりたんてい」製作委員会

「映画おしりたんてい」シリーズの4作目、初の長編作となる本作で福山雅治さんが声を担当するシリアーティは、同シリーズ史上最強の敵という役どころ。福山さんが劇場アニメで声優を務めるのは『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ天使たち』(11)、 『未来のミライ』(18)に続き3度目となりますが、今作で演じるシリアーティは、目的のためなら手段を選ばない冷酷な犯罪者で、福山さんのキャリアで“初”となる完全なるダークサイドの役となっています。

 

「CVという深淵なる表現の場においてはほぼ新人」とコメントしていた福山さんですが、アフレコは順調そのもの。予告にも登場したIQ1104の名探偵おしりたんていとシリアーティの出会いのシーンや迫力のある戦闘パートを軸に、映画全体の温度感やイメージをチェック。そこから、シーンごとに細かく調整を入れていくという流れでアフレコが進みました。

 

テストで演じたセリフをベース に、イントネーションや声のボリューム、テンポやタイミングなどを調整する中で、1つのセリフに対し数パターンの表現を率先して提案していた福山さん。

 

監督らスタッフサイドから「どんどん良くなっていく」「どれを選ぶか悩ましい」という声が出る場面も。また「OK!」が出た際にも、「一応、別パターンもやってみましょうか?」「こんな感じはどうですか?」とバリエーションのストックを増やしていき、調整室では「そのパターンもいいかも」「なるほど」という言葉が飛び交うほど。「カッコ良すぎて録り直し」となるなど、クールな声の福山さんならではのNGが出ることも。

 

シリアーティがなぜ悪の天才教授として事件を起こすようになったのか、おしりたんていに対してどのような感情を抱いているのかなど、事前に制作スタッフと話しながらシリアーティの理解を深めていった福山さん。シリアーティとおしりたんていが対峙するときに交わす会話の内容も注目ポイントです。

たどり着いたキーワード「お・パーツ」の発音にも注目

福山雅治
© トロル・ポプラ社/2022「映画おしりたんてい」製作委員会

頭脳戦もさることながら、激しい戦闘シーンも今作の見どころ。おしりたんていとシリアーティの対決シーンでは、シリーズおなじみのおしりたんていの必殺技に対し、シリアーティも強烈な必殺技で応戦します。

 

おしりたんていの「しつれいこかせていただきます」に対抗するシリアーティのセリフは「ぶれいこかせていただこう」。ダークな雰囲気に謎めいたテイストがいい塩梅でブレンドされ、史上最強の敵にふさわしいと納得できること間違いなし!

 

おしりたんていの決め台詞に並び人気が出そうなフレーズであると同時に、出会いのシーンで意味深に語った「光と闇ではどちらが上か。じきにわからせてやる」というセリフが意味する結末にも期待が高まります。

 

アフレコ中、一番多くパターンを試した言葉は謎の秘宝「お・パーツ」。シリアーティが狙う秘宝でホーホー博物館に眠っています。さまざまなパターンの「お・パーツ」を試しながらたどり着いた秘宝の発音にも注目です。

 

また、監督がテスト後にアドリブをリクエスト予定だったシーンでは、テストの段階からアドリブ入りで対応し、「お願いしようと思っていましたが、完璧です!」の声が飛ぶ場面も。

 

そのアドリブとは、吐息を入れること。福山さん本人も自然に出していたようで「入っていました?」と確認するなど、シリアーティのキャラクターがすでになじんでいる印象のやりとりも見られました。

 

また、映画ではシリアーティが、とあるエキスを口にするシーンが登場します。エキスは飲むと体に副作用のような効果が出るため、セリフと症状を同時に表現しなければならないシーンなのですが、ここでも福山さんは何パターンかの演じ方を提案。実際に飲み物を飲んで挑むバージョン、飲み物を使わずに飲む演技をするバージョンなど、リアルな表現を追求していました。

 

さらに、シリアーティがワンコロけいさつを翻弄するシーンでもいろいろなパターンを試していた福山さん。最終的に「おもしろい!」と監督らスタッフ一同が声を揃え、調整室で思わず「ププッ」と笑ってしまうスタッフが多かった、福山さん提案バージョンが採用されたシーンは、ぜひ劇場でチェックしてほしいポイントのひとつです。

 

休憩中も一人ブースに残り、台本をチェックし、喉の調子を整えるなど、ストイックに挑む姿が印象的でした。アフレコ終了時に「慣れない作業で時間がかかってしまい、すみません」と監督に伝えていましたが、実際には予定よりも1時間以上巻いて終了するという、とてもスムーズなアフレコでした。

アフレコ後インタビューをお届け!

おしりたんてい
© トロル・ポプラ社/2022「映画おしりたんてい」製作委員会

── 「映画おしりたんてい」シリーズの4作目、初の長編作。記念すべき本作でシリーズ史上最強の敵・シリアーティを演じた感想をお願いいたします。

 

福山さん:

声のみで演じるということにおいてほぼ新人の僕が、おしりたんてい史上最強の敵役に抜擢していただいたことを大変光栄に感じています。映画館にご来場の皆さまに、そしてこの映画に携わる監督さんをはじめとするスタッフの皆さんたちに納得していただけるよう、全力でぶれいこかせていただきました。

 

── アフレコ現場の雰囲気はいかがでしたか?

 

福山さん:

僕の収録は後半で、キャストの皆さんの声が入った状態での収録でしたので、いろんなアプローチを試すことができました。不慣れな現場ですので難しさはもちろんありましたが、それ以上に収録現場を楽しむことができました。

 

── 福山さんのキャリアで“初”となる完全なるダークサイド役。演じるうえで意識していたこと、こだわったこと、今作の福山さん視点のおすすめポイントを教えてください。

 

福山さん:

当日の現場では最後のシーンまで収録をした後に、もう一度最初のシーンから台本の半分ほどまでを録り直しさせていただきました。発声の仕方もそうですが、収録の半ば頃からやっとシリアーティという役柄が掴めてきたので。納得いくまでお付き合いくださったスタッフさんたちには感謝しかありません。

 

── ご覧になる皆さまにメッセージをお願いします!

 

福山さん:

全世代で楽しめる映画になっていると思います。今の時代に正義とは何か?深い問いかけもある今作を、多くの方にご覧いただきたいです。ぜひとも映画館にてご鑑賞よろしくお願いします。