「年末までの約3か月で10万円貯めたい!」そんな節約方法が、実はあるんです。劇的に下がるあのお金、ムダづかいしがちなこのお金…ファイナンシャルプランナーの坂本綾子さんが教えてくれた実践テクニック、今すぐに取り組める方法ばかりですよ!
格安スマホに変えるだけでコストが1/3に!
—— 約3か月間で10万円の節約ができたら、家計にかなりのインパクトがあると思います。はじめに、大きな節約ができる方法を教えていただけますか?
坂本さん:
比較的インパクトが大きいのは、通信料の見直しです。近年スマホやパソコンはなくてはならないツールになり、そのぶん大きな費用がかかっています。
まずはスマホの料金プランから見直しましょう。いわゆる三大キャリアは今、グループ会社などを通して格安の料金プランを用意しています。
例えば日頃の通信料(月額)が20GB以内の方が、auの通常プランから格安プランのpovoに乗り換えた場合、月額料金が7238円から2728円と、4500円ほど減額できます(金額はすべて税込)。仮に11月からこの見直しが適用され、家族3人で一斉にプランを切り替えた場合、節約できるお金は2万7000円です。
また最近はリモートワークで、自宅でインターネットを利用する方も増えています。これまで自宅で光回線、外出先でモバイルWi-Fiを利用していた方は、モバイルWi-Fiを解約してスマホのテザリング機能を活用するといいでしょう。仮に月額5000円のモバイルWi-Fiを解約した場合、こちらも2か月で1万円の節約につながります。
“デリバリー代”は節約の意外な強敵
—— たしかに、1アクションで大きな節約につながりますね。一方で家計の主な節約ポイントといえば食費です。食費の節約方法も教えていただけますか?
坂本さん:
食費は「1か月1万円に抑える」などの厳しい節約をすると、家族の体調不良につながってしまうので、ムリのない範囲で節約するのがポイント。
昨年以降、外食の機会が制限された代わりに、全国でデリバリーサービスが普及しましたよね。しかしこのデリバリーサービスは要注意。デリバリー費用や手数料など、食費以外のお金がかかっているのです。
食事にかかる費用は、自炊<ミールキット<中食(惣菜など)<外食<デリバリーの順で高額化しがちです。例えば4人家族でデリバリー1回につき約5000円かかる家族が、平日の仕事が忙しい日や週末の息抜きにデリバリーを週2回利用したとすると、月に約4万円の食費がかかります。これをミールキットを使った調理や自炊に置き換えた場合、半額の月2万円ほどは節約できるでしょう。
よって月2万円の節約を3か月続けたら、6万円の食費が節約できます。
地域情報を活用すれば習い事代は浮かせる!
—— 子どもがいると、つい子どもにお金をかけてしまいがちです。子どもに関する節約術はありますか?
坂本さん:
子どもにかけるお金は、ただの支出ではなく「将来への投資」の側面もあります。だから、何でもかんでも節約を!とは言いません。でも、幼い頃にいろいろと買い与えた結果、いざ中学や高校などに進学する際に教育費がかけられないのでは本末転倒です。
教育費を計画的に貯めながら、毎月の生活費から今必要な保育料やおもちゃ代などを出すといいですね。子どもが0歳〜15歳頃まで受け取る児童手当は、ぜひ貯蓄して将来の教育費に充ててください。それだけで最大200万円近いお金が貯まります。
—— 保険も見直したほうがいいのでしょうか?
坂本さん:
節約の鉄板ですが、保険の見直しはしたほうがいいと思います。共働きであればお互いが高額な生命保険に加入する必要はないでしょう。また医療保険やがん保険は、保障が重複している可能性も。一度契約内容を確認し、不要な保険や特約は解約するのも手です。
仮に1人当たり月3000円のコストダウンができた場合、夫婦合計で計1万8000円(3か月)の節約になります。
ただ最近は、家族がいるのに無保険など、保険に入らなすぎる方もお見受けするので、一概に「保険は解約すべき」とは思っていません。適切な保障の保険に加入しておくのがいいでしょう。
—— 他に節約できることはありますか?
坂本さん:
早い人では3歳頃から子どもを習い事に通わせると思いますが、親御さんが得意なことは自分で教えるのもひとつの節約術だと思います。
例えば泳げる方なら、月1万円近い月謝を払ってスイミングスクールに通わせるよりも、1回400円の市民プールに通って、親御さんが水泳を教えるのもいいでしょう。
また地域によっては、ほぼ無料でスポーツや文化活動などを教えてくれる市民サークルもあります。こうした団体を利用して習い事代を節約しながら地域の輪に入っていくのもいいですね。
PROFILE 坂本綾子さん
監修/坂本綾子 取材・構成/金指 歩 イラスト/かりた