お金を貯めようと思うと、家計簿をつけて家計管理もしっかりのイメージがあるかもしれません。でも、1児の母で税理士資格を持つ会社員のこごみんさん(34歳)は、家計簿なしで年間100万円以上の貯金に成功。「ポイントを押さえれば、短期間で貯金を殖やせる」と話す、こごみんさんにお話を聞きました。
浪費家だった女性が月10万円貯金できるように
もともとは貯金は得意ではなかったこごみんさん。“せっかく買い物や外食をするなら良いものを” と、何かとお金を使いがちでした。
「以前は、夫と私で会計は別管理。食費は私、それ以外は夫が払っていました。好きなだけお金を使っていたので、月にどれくらい出費があるかもまったくわかりませんでした」
夫婦ともに正社員。でも貯金額は100万円程度。危機感を抱き、お金を貯めようとこごみさんは決意しました。その結果、年間100万円以上の貯金に成功。この5年で貯金額は1000万円まで増えました。
「厳密なお金の管理や、しんどくなるくらい家計を切り詰めているわけではありません。むしろ、家計簿はつけず、収支はざっくり把握する程度。それでもちょっとした工夫で、月に10万円以上貯められるようになりました」
面倒な家計簿もつけず、ムリなく貯金体質になるにはどうしたらいいのでしょうか。
家庭の財布もクレジットカードも一本化
貯金を増やす決意をしてから、こごみんさんが最初に始めたのは、家庭の財布をひとつにまとめることでした。
「財布は一括管理したほうが貯まりやすいと聞き、夫の通帳も預かることに。夫はお金に無頓着だったので、とくに反対はありませんでした」
その結果、普段の生活で経費がいくらかかっているか把握できるように。貯金計画も立てやすくなりました。また、数枚持っていたクレジットカードもイオンカード1枚だけ残し、あとは解約へ。
「カードを1枚に集約したため、これまで分散されていた利用額もまとまりました。イオンカードは、利用回数や利用額が増えると、イオン銀行独自のスコアが貯まり、ステージが上がります。すると、イオン銀行の金利が上がったり、ゴールドカードへの招待が来たりするため、いいことだらけです」
カード払いできるものは全部クレジットカード払いにしたので、支出の状況もさらに把握しやすくなりました。
このタイミングでお小遣い制度も導入。お金がなくなればそのつど銀行からおろしていたのを、夫婦それぞれ月3万円に決めました。
お金をおろすのを「月曜日」にしたら貯め体質に!
貯金を決意してから、家計簿にも挑戦。でも、アプリを利用しても、ノートにつけても、面倒になって挫折してばかりだったそう。
「挫折の原因は、1円単位で細かくつけようとしていたから。仕事や家事に時間をとられるなかで、正確さを追求するのはムリがありました」
あるとき、ふと“家計簿をつけなくても、決められた予算内で暮らしていけば赤字にならず、お金は貯められるはず”と、こごみんさんは気づきました。
「財布をひとつにまとめたので、1か月の固定費がほぼ把握できました。だから、月々の収入から固定費や貯金分を差し引いた分を、食費などに使っていい予算に。1か月の予算を4で割った金額で1週間暮らすと決めました」
1週間分の予算は、週に1度まとめておろすことに。こごみんさんの経験から、節約するため、お金をおろすのは週末でなく、月曜日がオススメだといいます。
「週末にお金があると、つい使いすぎて予算オーバーになりがち。月曜日だと、次の土日にちょっと贅沢するためにお金を残さなくては!と思うので、平日は節約意識が働きます」
また、1週間の献立を決め、食材をまとめ買いする方法にしました。ムダがなくなり、食費の予算オーバーがなくなったそうです。
ETCマイレージが地味に節約効果あり!
収支を把握し、予算内で暮らすことで貯金できる家計に変えたこごみんさん。さらに貯金額を増やすため、固定費にもテコ入れします。
「夫婦で格安スマホに変更し、毎月5000円の節約に成功。電力会社をガス会社と同じにしたので毎月数百円、電気代を下げられました。自動車保険も年間約14万円かかっていたのを、ネット保険に変更したところ、年間約8万4000円まで減額できました」
さらには、交通費も見直しました。車通勤の夫は高速道路を利用しているため、毎日往復で1000円かかります。
そこで、ETCマイレージサービスに加入。これはETC車載器とETCカードを使用者が事前申し込みすると、高速道路の利用に応じてポイントが付与されるもの。ポイント分を高速代の支払いにあてられます。
「我が家の場合、2~3ヶ月に1回のペースで5000円分の割引があります。適用されていない高速もあるようですが、手数料0で節約できるので、おトクだと思います」
SNS上にある節約術をマネする必要はない
節約を通じて夫と一緒にポイ活にハマるなど、夫婦共通の楽しみもできた様子。そして意外にも、無計画だった頃よりも、お金を管理している現在のほうが、日々の満足度が高いそうです。
「以前はお金をかけても、何事もダラダラとやり過ごしてばかり。じっくりと楽しさを味わっていませんでした。でも、貯金を意識してからは、たとえば週末外食に行くから、他を節約するとメリハリをつけています。おかげで何事も丁寧に取り組め、ちょっとしたことでも充実感を得られます」
また、インスタやブログなどSNSを見て、新しい節約方法を試す場合も。でも、情報に振り回されすぎず、自分のペースを大事にしています。
「SNS上にはものすごい節約家の方がたくさんいます。でも、全部マネしても、つらいと結局続きません。だから、ある程度のゆるさを持つのが大事かなと。たとえ赤字になっても、“赤字だとわかるのは家計を把握しているからだ”と、自分をほめてあげるくらいがいいのかなと思います」
こごみんさん ブログhttps://ameblo.jp/kogominn0301/
文/齋田多恵 写真提供/こごみんさん ※上記は、こごみんさん個人の経験談・感想です。