収納としてもインテリアにも重宝するのが、天然素材のかご。収納家具ほどの大きさはなく、用途や使う場所をそれほど限定しないので、失敗が少ないのがポイントです。収納量が増えたら同じものを気軽に買いたせるのもいいところ。
とはいえ、意外な落とし穴があることを知っている人は少ないかもしれません。そこで今回は、選び方のコツをまとめたいと思います。
1. 「大きさ」と「重さ」で失敗しない!
中に入れるものによってサイズは変わってきますが、とりあえず何でも入るからと大きなものを選ぶのはやめましょう。大きいものはそれだけ重くなるので、きちんと使用目的を決めてから選ぶのが鉄則です。
どうしても大きいサイズが必要な場合は、中に入れるものの量や重さを調節したり、ケースが動かしやすくなる工夫をしましょう。
また、サイズの違いだけではなく、素材によっても重さが違ってきます。
見た目で選びがちですが、出したり引いたり持ち上げたりと、動かす可能性が高いほど、それ自体の重さには気をつけたほうが良いでしょう。特に高いところに置く場合には下ろすことさえめんどうですし、けがなどの原因になる場合も。どこでどう使うかを考えて選びましょう。
2.「色選び」で失敗しない!
自然素材のかごは、素材そのものや、着色や保護剤が使用されているか否かによって、色味が全然違います。同じ素材、同じ商品でも個体差があるのも特徴です。
ダークブラウン、ライトブラウン、ベージュやホワイトなど…。そのなかでもまた微妙な色の違いがあります。たとえば、同じ明るめの色味でも、オレンジっぽい赤みがあるものから、逆に赤みがなく、ややくすんで見えるものなどさまざまです。
これらのちょっとした色の違いもインテリアに大きく影響します。特に家具や建具などの色の系統にそろえると、すっきりとまとまりある印象になり、簡単に部屋の雰囲気が統一できますよ。
3.「形選び」で失敗しない!
長方形、丸みを帯びた長方形、丸い形など、かごにもさまざまな形があります。どう使うか、どう見せたいかで選ぶといいと思います。
並べる場合はすっきりと見せたいので、四角いバスケットを選ぶのがおすすめ。四角だと、収納に使うときにも無駄が出ないというメリットも。
単体で使う場合は、オブジェ性がある特殊な形を選んでインテリアのポイントにするのも素敵です。小さいサイズで問題なければ、丸い形を並べてもかわいいですよ。
持ち運ぶことが多いなら、ハンドル付きも便利です。取っ手穴つきのものも悪くはないのですが、どうしても穴から中身が見えてしまいがちなので要注意。
また、編み目が大きいバスケットも、中が見えてしまいすっきりまとまらないことがあります。内側に布を敷いて中身が見えないようにするなどの工夫が必要そうです。
5.「素材選び」で失敗しない!
収納用のかごによく使われる素材は以下のとおりです。それぞれ異なる特徴があり、使い方に向き不向きがあるので、意識して選びましょう。
【ウォーターヒヤシンス】
淡水に生息する水草の茎を乾燥させて作られるバスケット。厚みがあり丈夫ですが、重量感ある見た目とは裏腹に、意外と軽量で扱いやすいタイプです。明るい色味が多く、色のグラデーションも美しいので、インテリアにも向きます。明るめの色で揃えたいとき、大きくて軽いタイプが必要なときにぴったり。調湿効果があるので、湿気が気になるところにも使えます。
【シーグラス】
イネ科の植物で水草の一種。とても軽量で、ハンドル付きのものも多く見られます。厚みのないものは重いものの収納には不向きなので、布ものなど軽いものの収納に。明るい色味のものが多く、ハンドル付きの可愛い形のものなどは、インテリアアイテムとしても人気です。
【ラタン】
軽さと強さをあわせもったラタンは、「無印良品」や「ニトリ」などでもおなじみ。しっかりした造りで丈夫なものが多いので、重さのあるものを収納するときにも便利。バリエーションも多く、水にも強いので、脱衣かごなどにも向いています。
【アラログ】
ラタンよりも希少価値の高いアラログは、皮のついた太いつるが特徴的で、とても丈夫なバスケットです。長期間の使用や、経年変化を楽しみたい場合に向きます。深い色味と黒い班のある色のグラデーションが素敵なので、レトロな空間や趣のあるインテリアにぴったり。
【アタ】
シダ科の植物で深い色味のバスケット。丈夫で長持ちし、害虫にも強いタイプです。経年で飴色に変化するさまも楽しめます。
…
汎用性が高く季節を問わず使えるかごは、インテリア的にも収納面でもあると便利なアイテムのひとつ。「どれを買いたせばいいかわからない」「自分の部屋にはどんなものが合うかわからない」というときには、ぜひ参考にしてみてください。
文・撮影/瀧本真奈美