聞き慣れないカタカナ語についていけず戸惑っていると、「言ってる意味わかります?」とひと言。
話が伝わっているかを確認されるのは決して悪いことではないのに、複雑な気持ちになってしまうのはなぜなのでしょうか。
心理カウンセラーの五百田達成(いおたたつなり)さんによると、繊細な人ほど、この「言ってる意味わかります?」への対処法を身につけておいた方がいいそう。
『繊細な人 鈍感な人』を上梓した五百田さんにこの発言の問題点と、対処法を聞きました。
繊細な人は感情が混乱することも
繊細な人は、相手の心を読み取るのに長けています。
そのため「言っている意味わかります?」に隠された「あなたには、どうせ理解できないでしょう?」といったニュアンスを感じ取り、不快になってしまいます。
さらにやっかいなのが、見下されて腹を立てると同時に、事実理解が追いついていないことに焦ったり落ち込んだりしてしまうパターン。
「バカにしないで!」と「私の理解力がたりないのかな?」という感情が混乱するため、言葉では言い表せないモヤモヤが残ってしまうのです。
会話の責任は話す側にある
コミュニケーションの大前提として、会話の責任は、話し始めた側にあります。
話し手が確認すべきは「聞く側の理解力」ではなく「話す側の伝え方」。
「わかりますか?」ではなく「この伝え方で大丈夫ですか?」と聞くべきなのです。
「わからないあなた」が悪いわけではなく、「わかるように話すことができない相手」に問題があるので、「私の理解力がたりないのかな…」と落ち込む必要はありません。
わからないときは「わからないので、もう一度説明してください」とハッキリ言ってみましょう。「私、頭が悪くて…」「すいません勉強不足で…」と謙遜する必要もありません。
案外同席していた周囲の人も「私もよくわからなかった」と言い出して、場が打ち解けるきっかけになったりしますよ。
「わからない」は恥ずかしいことではありません。むしろそう伝えることでコミュニケーションは活発化します。
今日からすぐに「わからない」と言えるようにはならないかもしれませんが、心の中で「私がわからないのは、あなたの責任ですけどねっ」なんて思えれば、気持ちはグッとラクになります。
監修/五百田達成(いおたたつなり) 取材・文/上野真依 イラスト/りゃんよ