相手のことを思って言ったひと言で、「えー、何だよ、めんどくさいなぁ」と言われて傷ついた経験、ありませんか。
決まりかけた企画案であっても今、細部を確認しておかないと後々大変になるかも…。そう思って言っただけなのに、「めんどくさいなぁ」は、自分自身を否定された気がして傷つきますよね。
繊細な人がこうした発言から心を守るにはどうすればいいのでしょうか?
『繊細な人 鈍感な人』著者であり、心理カウンセラーの五百田達成(いおたたつなり)さんに教えてもらいます。
正しい自分を認めてあげよう
上司からほぼGOサインが出た企画案、でももう少し内容を詰めた方がいいところがあるから指摘したら、同僚に「めんどくさいなぁ」とつぶやかれた。
繊細な人は「私、空気が読めなかったかな」などと落ちこんでしまうかもしれませんが、正しいことを言っているのですから、そんなふうに自分を否定する必要はありません。
正義は自分にあると自信を持ちましょう。
誰になんと言われようと、自分で自分を認めてあげるのは心の安定のために必要なことです。
人にはいろいろなタイプの人がいます。あなたは細部まで自然と目が行き届くかもしれませんが、物事に対して大雑把な人もいます。
あなたが「めんどくさいなぁ」に傷つくように、大雑把な人は「細かい指摘」をされるのが苦手。
あなたの言っていることが正しいからこそ、グゥの根も出なくて悔し紛れに「めんどくさいなぁ」とつぶやいているだけなのです。
あなたが指摘しないまま後で大事故になったら、「言っておけばよかった」と後悔するかもしれません。それよりは、言うだけ言っておいた方がマシ。その後の判断は相手にゆだねればいいのです。
全体を見て割りきる心を忘れずに
いっぽうで、繊細な人はひとつのことにとらわれるあまり、全体を見通せなくなってしまうケースがあるので注意しましょう。
「これにこだわっていてはとても納期に終わらない。重要度の低いものは目をつむるべき」と考える上司に対し、どうしても見過ごせなくて衝突してしまうことも。
見えるものを見なかったことにするのは難しいので、指摘はしたうえで、「確かにここまでこだわっていたら仕事が回らないよね!」と割りきる心を持てるようになると、最強です。
あなたの正しさをなくさないよう心を守りながら、周囲とコミュニケーションをとってみてくださいね。
監修/五百田達成(いおたたつなり) 取材・文/上野真依 イラスト/りゃんよ