きゅうり、ピーマン、ナス…夏の定番野菜を、安いときに買いすぎて余らせてしまった。田舎から大量に送られてきて、さばききれていない…。
そんな悩みを麻木久仁子さんがYouTubeで、包丁を使い“一刀両断”しているのが話題になっています。 今回はご本人に、改めてそのコツを伺いました。
肌寒くなるこれからの季節、体を冷やしすぎないよう、どれも「薬膳」や「温活士」の視点が取り入れられているそうです。
冷やしたきゅうりをガブリ…ではなく
「余りがちな夏野菜と言えば、きゅうりが定番ですよね。でも冷蔵庫で冷やしたものを、そのままガブリというのは、温活士の立場からだと体を冷やしすぎです。
秋の気配もただよってきたので、火を通して“きゅうりのアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ風”で、身体を冷やしすぎないようにしたいですね。
きゅうりは炒めると水分が出るので、中心の種の部分はスプーンでとっておきましょう。
アーリオ(オリーブオイル)をひいて火を通せば、きゅうりはしおれるので、大量消費にはもってこい。オーリオ(ニンニク)はこげやすいので早く入れすぎないでください!
味付けは昆布茶をおすすめしますが、なければ塩と顆粒だしでもかまいません」
苦手なピーマンを消費するには…
夏野菜には珍しく、身体を温める効果があるのがピーマン。麻木さんにとっては“おふくろの味”だそう。
「中学の3年間はお弁当だったのですが、母がいつもピーマンのおかずを入れてくれていました。苦手な人も多く、余りがちのこの野菜を大量消費するには、“無限消費ピーマン”がおすすめです。
ピーマンの種を取って、できるだけ細いせん切りにします。フライパンでまずベーコンを炒め、ピーマンを加えてください。
ベーコンの脂でクッタリするまで炒め合わせ、昆布茶での味付けをすすめますが、なければ塩やだしでおいしくできます。あっという間になくなりますよ」
ナスは飲みものです!
続いて「ナスはトロトロにして、飲めるんですよ」と麻木さん。
「ヘタを取り、水洗いして水滴がついたままラップをします。電子レンジで2~5分加熱してから、そのまま水で冷やしてください。トロトロになります!
皮つきであれば、味噌汁や炒めものに使えますし、皮なしなら、めんつゆとかつおぶしをかけて、ほぼ飲みもののように食べられますよ。
ナスも体を冷ます効果があるので、熱を加えたほうがこれからの季節にはいいと思います」
そして、これからの季節の定番といえば、キノコ。
「体を温める効果があるキノコ類は、2通りの方法で大量消費してほしいですね。ひとつは、ザルに入れてひと晩エアコンの下などで干すこと。
キノコは干すと水けがなくなり、味が濃くなるので、炒めものや味噌汁に入れてもOKです。
もうひとつは、冷凍です。冷凍すると、さらにうまみが増します。料理するときは解凍しないで、そのまま味噌汁やフライパンに投入してくださいね」
季節の変わり目は胃腸に優しく…
寒暖差が大きくなるこれからの季節の注意点を麻木さんはこう話す。
「薬膳の考えには、あれを食べてはだめとか、これを食べるべきという考えはありません。ただ寒暖差がある季節は、体調が整えにくいので、胃腸に優しい食事を心がけてください。
余ったきゅうりを生で食べて体を冷やすとか、激辛料理やコテコテの揚げ物は避けて、優しい味わいものにしてもらえればと思います」
麻木さんの話を参考に、体にも家計にも環境にも余計な負担をかけることなく、温かさを保っていきたいものですね。
PROFILE 麻木久仁子さん
あさぎ・くにこ。1962年、東京都生まれ。学習院大学中退後、司会者やタレントとして活躍。2010年に脳梗塞、’12年に乳がんを発症。その後、「国際薬膳師」「温活士」「温活指導士」などの資格を取得。今年から、一般社団法人 「日本温活協会」主宰の「温活薬膳料理士 講座」を開講。YouTubeチャンネル『麻木久仁子の食べる温活~毎日元気でいたいから~』も好評。