赤ちゃんを育てているママやパパが「子育てするまで知らなかった!」と驚くことのひとつに「赤ちゃんがうなり出す」というものがあります。

 

大人がうなり声を上げるのは腹痛などの体調不良や何かトラブルがあったときですよね。

 

でも、生後半年くらいまでの赤ちゃんは、顔を赤くしてウンウンうなっていても大きな問題はないことが多いそうなんです。

 

では赤ちゃんはなぜうなったり、いきんだりするのでしょうか?月齢ごとの理由と、親がしてあげられることを紹介します。

新生児~生後3か月の赤ちゃんがうなる理由は

個人差はありますが、赤ちゃんが顔を赤くしてうなり出す様子は新生児から見られます。

 

赤ちゃんは自分の状態を言葉で説明できないということもあり、何が原因でうなっているのか、まだ医学的にも完全には解明されていないそうです。

 

しかしそのほとんどが成長の過程で自然に生じるもので、病気や障害ではないと考えられています。

 

ただいくつか予想される原因もあるため、まずは次のような点を疑って対処してみましょう。

胃に空気が溜まっている

母乳やミルクを飲んだあと、ゲップが出ないことで苦しくてうなり声を上げる赤ちゃんもいます。

 

ママやパパはいつもやっているとは思いますが、母乳やミルクの後は毎回ゲップを出してあげてから寝かせましょう。

 

また、消化の過程で胃にガスがたまることもあるので、母乳やミルクを飲んでから時間が経っていてもいちど試しにゲップを出させてみるのも良いですね。

母乳やミルクを飲みすぎた

生後3か月までの赤ちゃんは満腹中枢の発達が未熟なため、哺乳反射にしたがって飲みすぎてしまい、苦しくてうなることがあるようです。

 

最近急に体重が増えた(1日に50g以上など)場合は、それまでに与えていた量の8分目くらいに減らして様子をみてみましょう。

ウンチやおならがうまく出せない

新生児のゆるいウンチの時期が過ぎると、消化器官の発達にともなって腸にある程度便をためてから排泄するようになります。

 

しかし赤ちゃんはまだ腹筋が未熟なため、たまったウンチやオナラを出したくてもうまく腹圧をかけることができず、いきんだり、顔を真っ赤にしてうなったりします。

 

上記のような原因を探り対処した上で、うなる時以外は機嫌よく赤ちゃんが過ごしているのであれば、ほぼ生理的なものだと考えられます。

生後4か月・5か月・6か月の赤ちゃんがうなる理由

少し成長した生後半年頃までの赤ちゃんがうなる理由には次のようなものも考えられます。

声やのどを使って遊んでいる

生後4か月~半年頃にかけて、赤ちゃんは口や舌の筋肉・声帯などが発達し、喃語(ブーブーなどの意味を持たない言葉)を発する子もいます。

 

顔を赤くしていきむ様子がなく、ただうなり声を出している時は、のどや声の使い方を試して遊んでいるのかもしれません。

寝返りから戻れず困っている

この時期には寝返りができる子も増えてきます。

 

しかし、自由に元に戻れるようになるまでのしばらくの期間、うつ伏せのまま戻れずに苦しんでうなり声を出していることがありますので、注意して見ておいてあげたいですね。

睡眠のリズムが変わってきた

新生時期の夜間3時間おきに泣くリズムから、だんだんと昼間は起きている時間が長く夜はまとめて眠るリズムに変わっていく時期です。

 

ただ、いっきにリズムが整うケースは少ないので、睡眠と覚醒の切り替わりがうまくいかずに、寝言のような感覚でうなり声をあげる子もいるのではないかと考えられています。

うなる原因が見当たらないときは

ここまで月齢別に赤ちゃんがうなる理由を考えてきましたが、「どれも当てはまらないけど、よく顔を赤くしてウンウンうなってて心配」という人もいるかと思います。

 

うなる以外にいつもと違った様子がないのであれば、それは発達段階での自然な行動…といわれても、やっぱり少し心配ですよね。

 

そんなときは、助産師さんでも保育士さんでもママ友でもSNSでもいいので、一度「赤ちゃんがよくうなる」と話してみては。

 

おそらく「うちも!」「よく相談されるんですよ」という返事が返ってくるのではないでしょうか。

 

初めての育児でそんなイメージがなかったり、上の子はうなったことがないので何か悪い病気なのでは…と心配になったりする人も多いようです。

 

赤ちゃんがうなるのは思ったよりもポピュラーなことと思っておけば、必要以上に気をもまなくて済むかもしれませんね。

おわりに

ママやパパ自身があまり赤ちゃんと接した経験がないと、赤ちゃんがうなり出したり、いきんだりするのを見た時は驚いて心配になるかもしれません。

 

しかし、思ったより「うなる」赤ちゃんは多いようです。

 

今回紹介した以外にも、暑さ寒さなどできることは対処した上で、健康に問題がなさそうなら騒がず見守ってあげたいですね。

 

※今回の記事は医療専門家や公共機関が公開した情報をもとに執筆しており、医師の診断に替わるものではありません。

文/高谷みえこ