書籍『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(通称:ビリギャル)の著者・坪田信貴先生に、親が子どもに言ってはいけない言葉を伺います。
「はい、麦茶」が子どもの指示待ちにつながる
── 喉が渇いたという子供に、「はい、麦茶」と渡すことはよくあることだと思いますが、坪田先生は言ってはいけないことだとおっしゃっていますよね。
坪田先生:
「喉が渇いた」という抽象的な言葉に対して、親が勝手に選択肢を決めてしまうよりも、ある程度の選択肢を子どもに与えましょう、ということです。
麦茶もあれば、水やリンゴジュースなども選択肢のなかにあるのであれば、それを提示してあげることが大事なんです。
うちの実家はこども園を運営しているのですが、面白いなと思うのが3時におやつの時間があるんですね。
「今日はあめを3つ渡します」というとき、園児を席につかせ、全員にぽんぽんとあめを渡していって、食べるのが効率いいじゃないですか。
そこをあえて、子どもたちにあめを取りに来させて「3つとって自分で席について食べて」というのをやってるんですね。
── それは、どうしてでしょう。
坪田先生:
そうすると、先生のもとに一斉に集まると混乱するから並んだ方がいい、ということがわかってくるし、どの種類のあめを3つ食べたいか、考えるようにもなります。
考えて決めていくことの訓練、それと同じですよね。
喉が渇いたと言ったときに、「はいじゃあ、麦茶ね」と言って親が渡す。そうしたプロセスを積み重ねてしまうと、自分で考えられない子になっていきますよね。
いわゆる指示待ちとか、こっちの状態を察してもらう状態になれさせてしまうんです。
PROFILE 坪田信貴(つぼたのぶたか)
取材・文/天野佳代子