書籍『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(通称:ビリギャル)の著者・坪田信貴先生に、親が子どもに言ってはいけない言葉を伺います。

「はい、麦茶」が子どもの指示待ちにつながる

── 喉が渇いたという子供に、「はい、麦茶」と渡すことはよくあることだと思いますが、坪田先生は言ってはいけないことだとおっしゃっていますよね。

 

坪田先生:

「喉が渇いた」という抽象的な言葉に対して、親が勝手に選択肢を決めてしまうよりも、ある程度の選択肢を子どもに与えましょう、ということです。

 

麦茶もあれば、水やリンゴジュースなども選択肢のなかにあるのであれば、それを提示してあげることが大事なんです。

うちの実家はこども園を運営しているのですが、面白いなと思うのが3時におやつの時間があるんですね。

 

「今日はあめを3つ渡します」というとき、園児を席につかせ、全員にぽんぽんとあめを渡していって、食べるのが効率いいじゃないですか。

 

そこをあえて、子どもたちにあめを取りに来させて「3つとって自分で席について食べて」というのをやってるんですね。

 

── それは、どうしてでしょう。

 

坪田先生:

そうすると、先生のもとに一斉に集まると混乱するから並んだ方がいい、ということがわかってくるし、どの種類のあめを3つ食べたいか、考えるようにもなります。

 

考えて決めていくことの訓練、それと同じですよね。

 

喉が渇いたと言ったときに、「はいじゃあ、麦茶ね」と言って親が渡す。そうしたプロセスを積み重ねてしまうと、自分で考えられない子になっていきますよね。

 

いわゆる指示待ちとか、こっちの状態を察してもらう状態になれさせてしまうんです。

 

PROFILE 坪田信貴(つぼたのぶたか)

坪田信貴
累計120万部突破の書籍『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(通称ビリギャル)や累計10万部突破の書籍『人間は9タイプ』の著者。これまでに1300人以上の子どもたちを子別指導し、心理学を駆使した学習法により、多くの生徒の偏差値を短期間で急激に上げることで定評がある。大企業の人材育成コンサルタント等もつとめ、起業家・経営者としての顔も持つ。テレビ・ラジオ等でも活躍中。新著に『人に迷惑をかけるなと言ってはいけない 子どもの認知を歪ませる親の言葉と28の言い換え例』がある。東京都在住。

取材・文/天野佳代子