ひっきりなしに届く宅配便。ネットショッピングでは、セールなどの割引率を比較して購入先を決めている人がほとんどでしょう。
じつは楽天市場には、「ポイント43倍」なんてサービスがあるのはご存知ですか?賢く使いこなす基本のテクニックから応用編まで、ECアナリストの遠藤奈美子さんに聞きました。
ポイントがたまりやすいのが最大の特徴!
ネット通販を利用するうえで抑えておきたい基本は、「ポイントの貯め方」「送料」「配送スピード」の3つ。いずれも、ネットショッピングする際に気になる点だと思います。通販サイトによってその内容は異なるため、しっかり見極めなければなりません。また、注目すべきサービスや賢く利用するコツなども知っておきたいところです。
「ネット通販の代表格のひとつが『楽天市場』。私もよく利用しています」と話すECアナリストの遠藤奈美子さん。
「楽天市場は、日本各地のショップが複数集まるモール型のECサイトです。お取り寄せグルメなど旬の美味しいものが豊富に揃うため、女性に人気ですよね。このように特徴を知り、買い物の目的にマッチしていることや、送料などの条件その他サービスの内容を踏まえて通販サイトを利用するのが正解といえます」
では、楽天市場でお得や便利を手にするにはどうしたらいいのか。3つの基本から見ていきましょう。
基本1「ポイントの貯め方」
楽天市場では、クレジットカードの利用がポイント獲得の武器になります。
「楽天市場の買い物に楽天カード(年会費無料)や楽天ゴールドカード(年会費2200円)を使うと、ポイント+3倍、還元率3%(100円で3P)。楽天プレミアムカードならポイント+5倍、還元率5%です」
加えて、ポイント〇倍といった高倍率キャンペーンが頻繁に実施されているのも魅力といいます。
「例えば、毎月5と0のつく日はポイント+5倍、毎月1日のワンダフルデーはポイント+2倍、楽天イーグルスなどスポンサーとなっている3つのスポーツチームが勝利したらポイント最大+3倍など、多くのキャンペーンが用意されています。クレジットカードを使ったり、キャンペーンに合わせて買い物すれば、効率よくポイントを貯められますよ」
基本2「送料」
前述したように、日本各地のショップが出店している楽天市場。地方の特産品や季節のフルーツなどを、産地から直接配送してもらえます。
その際、気になるのが送料です。通販サイトの送料は一般的に、一定額以上の商品購入で無料または金額の統一がなされています。しかし楽天市場の場合、どちらにもあてはまりません。どうしてなのでしょうか?
「出店する各ショップで送料を設定し、それぞれ金額が異なるからです。したがって買い手は送料の金額を比較したり、検索機能を使って送料無料のショップを探すなどの手間を要することになります」
ただ、ここにきて状況に変化が。楽天市場では2021年7月以降、既存の出店者に対し原則として「3980円以上の商品購入で送料一律無料」とする仕組みをスタートさせています。新規出店者については2020年末の時点で、全店舗の約85%が同仕組みを導入済。
「とはいえ、送料に関するこの問題は出品者の反発を招き、正式な解決には至っていません。ですから今後も注視したほうがいいと思います」
基本3「配送スピード」
楽天市場では出店する各ショップが商品の配送を担います。そのため、ショップによって早いところもあれば遅いところもあり、バラツキが出てくるとか。
「配送を急ぐなら『あす楽』を使う手があります。正午までに注文した商品を、翌日までにスピード配達してもらえるサービスです。対象の商品やエリアは限られているので、『あす楽』が可能かどうか、チェックした上で注文するといいでしょう」
最大15倍になるスーパーポイントプログラム
注目すべきサービスに移りましょう。遠藤さんは「スーパーポイントプログラム(SPU)」と二大イベントを挙げます。
SPUとは楽天グループの各種サービスを利用することにより、楽天市場で買い物したときのポイントが最大15倍になるものです。
「楽天カード+2倍、楽天モバイル+1倍、楽天トラベル+1倍、楽天ひかり+1倍、楽天ブックス+0.5倍、などと設定されています。各種サービスの条件をクリアしたら、ポイントアップ倍率が適用に。例えば、楽天モバイルなら同契約、楽天ブックスなら月1回1注文1000円以上を条件とし、積み重ねると最大15倍までポイントが増えるわけです」
二大イベントとは、以下の2つを指します。
- 楽天スーパーセール…年4回(3、6、9、12月が基本)に開催される楽天市場最大級のセール
- お買い物マラソン…不定期に開催される楽天市場の買い回りキャンペーン
「楽天スーパーセールは、半額以下に割引された目玉商品が多数登場する超お得なセールです。ポイントアップも望めるので見逃せません。
いっぽう、お買い物マラソンは楽天市場で買い物したショップ数に応じて、最大10倍までポイントアップを狙えます。ただし、買い回りのポイントアップは1000円以上の買い物を対象とし、もらえるポイントには上限が設定されるケースも多く、その点は意識しましょう」
1万円買ったら最大で4300円戻ってくる!?
楽天市場を賢く利用する方法については、「ポイントが貯まりやすい利点を活かし、ポイントをたくさん貯めること」と遠藤さん。それには前述したSPUを抑えつつ、楽天スーパーセール&お買い物マラソンなどのイベント時を狙って、買い物することが鉄則だといいます。
「SPUと二大イベントを併用すると、ポイントが最大43倍に。楽天市場の買い物を1万円分したらその43%、4300円分の還元になる計算です。最高値まで到達するのはハードルが高いものの、10倍や20倍なら十分実現できるでしょう。
お買い物マラソンでいえば10店舗それぞれ1000円以上買いまわったらポイント10倍。各ショップの個別設定で最大19倍のポイント加算となるため20倍も手の届く範囲です。各種キャンペーン情報を一覧できる『ポイントアップカレンダー』を事前にチェックして、効率よく貯めていくのがコツですね」
貯まったポイントは1P=1円として楽天グループの支払いに使えるのはもちろん、スマホ決済で知られる「楽天ペイ」の加盟店でも使えます。楽天ペイはアプリをダウンロードするだけで利用可能です。
「楽天ペイの加盟店はコンビニ、飲食店、ドラックストアなど多数あります。マクドナルドやセブンイレブンなど楽天グループ以外の支払いにも使えるので、ポイントを活用できるシーンは拡大しますよ」
最後に、ママ向けの穴場サービスを聞きました。遠藤さんのイチオシは「楽天ママ割」。子育て世帯を応援するプログラムで、無料会員登録によって特典が受けられるそう。
「おむつなどの割引クーポンをもらえたり、会員メンバー限定のキャンペーンでポイントが貯まりやすくなるなど、ママ向けの特典満載です。子どもの年齢制限はないですが、5歳までに受けられる特典が多いので、早めの登録をおススメします」
ポイントやグルメなど魅力いっぱいの楽天市場。すでに利用している人でも、中には知らない情報があったはずです。頭に入れて、ネットショッピングを楽しみましょう!
※2021年7月31日時点での情報です。最新情報は楽天市場でご確認ください。
PROFILE 遠藤 奈美子さん
取材・文/百瀬康司